PETの保険適応に転移性肝臓癌がありますが
転移性肝癌… 以下のいずれかに該当する患者に使用する。
・他の検査、画像診断により転移性肝癌を疑うが、病理診断により確定診断が得られない患者
・原発巣の不明な患者
となっています。しかし転移性肝臓癌といっても
血流性(主に消化器系から)で肝臓内部に多発するものと
播種性で肝臓表面につくものもあります。
保険適応は両者とも適応できるのですか?
また原発不明癌 リンパ節生検、CT等で転移巣が疑われ、かつ、腫瘍マーカーが高値を示す等、悪性腫瘍の存在を疑うが、原発巣の不明な患者に使用する。 …とありますが、
腫瘍マーカーの異常値が必須なのでしょうか?
最後にPETで橋本病・バセドー病の判別が可能なのでしょうか?知っている人がいたらよろしくお願いします
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ご要望により、参上しました。
無視するのも礼を失すると考え、不適格ですがお答えします。まず第一に、保険「適応」ではなく、保険「適用」です。
保険は、働いている人が病気でなくても負担して、病気になった人を助ける制度です。命は大切です、といって一人に何百万のお金を使うことはできません。
たとえば、癌が不安な人がいたとして、月1回、PET検査をしたら、早期発見に少しは役に立つと思います。その場合、当然、全額自費で行うことになります。
同じように、癌の術後で、再発が不安な人がいたとして、少しでも感度の良い検査を受けたいと考えられたら、やはり自費でPET検査を受けることになります。
保険というのは確実に病魔に侵されて、本当に困っている人を(可能な範囲で)助けるためのものです。
そして、今までの他の質問・回答にあったように、PETであろうと何であろうと100%の検査はありません。
●転移性肝腫瘍が血行性転移なのか、リンパ行性転移なのか、はたまた播種なのかは、厳密にわかるものではありません。原発巣からは一旦血行性で外に転移巣を作り、そこからリンパ行性にリンパ節に転移し、そのリンパ節がはじけて腹腔内に播種する、ということもありえますが(解剖すると、そういう風に説明できる症例は少なくない)、そういうことは推測でしかなく、肯定するにも否定するにも確固とした証拠なんて神様でない限りお示しできません。また、そんなことは保険適用には何の関係もありません。
●原発不明癌:リンパ節生検、CT等で転移巣が疑われ、かつ、腫瘍マーカーが高値を示す等、悪性腫瘍の存在を疑うが、原発巣の不明な患者に使用する。
この文章を読めば判るように、「等」ということは、日本語の読みとして、「腫瘍マーカーの異常値が必須」ではありません。その他の症状、画像および古典的な生化学検査だけでも悪性腫瘍の存在を疑うことは珍しいことでも何でもありません。とはいえ、ある腫瘍の治療後で、何の症候もないのにPET検査を保険で行うことは無理です。
なお、いくら被曝の少ない検査といっても、過剰に検査したら、それ自体が悪性腫瘍を発生させる原因となり得ます。
>最後にPETで橋本病・バセドー病の判別が可能なのでしょうか?
聞いた事がありません。知りません。一般的なPET検査は大飯喰らいの細胞を見るだけなので、無理かと思いますが、技術が進めば、甲状腺の信号のパターンで区別できる可能性があるかもしれません。また、核種を変えて、甲状腺に取り込まれる物質を用いたPET検査を開発すればわかるかもしれません。しかし、あくまで研究の話であって、現時点では荒唐無稽なお話です。また、医療関係者の常識として、内分泌疾患は内分泌検査に勝るものは無く、既に完成されていて、PETという非常に高価な検査が必要になることはないと予測します。
先生、こちらにもご回答を頂いてとても感謝しています。
とにかく画像検診でも腫瘍マーカーでも癌の疑いがあったら保険が通るということなんですね!
たいへんありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
PET検査は、外から補充したブドウ糖が細胞内に取り込まれる様子を見る検査で、一方、がん細胞は正常細胞に比べブドウ糖の取り込み量(消費量)が多い為、体内にブドウ糖の取り込み量が多い細胞があれば”がん”の存在が疑われることになります。
すなわちPET検査は、がん細胞そのものを観る検査ではなく、従って、ブドウ糖の消費量の多い細胞があれば、がん細胞ならずともPET検査で「異常」となりますし、がんが存在しても、そのがん細胞のブドウ糖消費が正常細胞と変らなければ「異常なし」と判断されます。PET検査は、がん細胞の存在の疑いを調べる検索検査で、但し、他の検査でがんの可能性が高いところへ、PET検査で「がんの疑いあり」の情報が加われば、さらにがんの可能性は高まり、もし他の検査でがんが否定できる情報が得られても、PET検査で「がんの疑いあり」の結果が得られれば、さらにがんを診断する精密な検査を行うか、今後頻繁にがんの検索を行う手がかりになるでしょう!
そのような検査ですので、転移性肝臓癌がどのような種類であれ、状況であれ、他の検査で確定できない場合や、原発巣が判明しない場合等、いずれにも有用で、適応されると思います。
なお、腫瘍マーカーはあやふやな検査であり、再発予知についてはそれなりの意義はあるものの、検査値が参考になることはあっても、必須になるケースはありません。
因みに、橋本病とバセドウ病の区別をPET検査で行うことは難しいと思いますが、臨床所見に加え、血液検査で、TSHや甲状腺ホルモン、甲状腺自己抗体やTSH受容体抗体などを測定することで容易に判別することは可能ですが、受診は甲状腺専門医が望まれます。
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