No.4ベストアンサー
- 回答日時:
まず、破産免責というのは債務を消滅させるものではありません。
あくまで免責であって、債務者グループから「いち抜けた」を認めるだけのものです。従って連帯保証人にその効果は及びません。さて、時効による債権の消滅は、これによって利益を受ける者の意思によって初めて効果を生ずるものだといえます。
「時効の援用は、時効によって生ずる権利の得喪と個人の意思の調和を図る制度だとすると、これら関係者のそれぞれについて援用と放棄の自由を認め、時効の効果を相対的・個別的に生じさせることがその目的に適する。」(我妻)
主債務者、保証人それぞれ独立して時効の援用ができます。
仮に、主債務者が時効の利益を受けようとし、保証人はその利益を放棄する、ということを認めても必ずしも保証債務の附従性に反するとはいえない、とされています。
「主たる債務は保証人に対する関係、つまり保証債務の基礎となる関係で、なお存在する。」という理論です。
時効による消滅は、無効・取消による消滅とは質を異にするということです。
参考になったかどうかわかりませんが、なお文献にあたられてご理解を深められることをお祈りいたします。
ご回答頂きまして真にありがとうございます。
時効の援用の効果は「相対的・個別的」という事は、援用の効果は(債権者等)権利者と援用した者の間でのみ生じ、他の者には効果を及ぼさない。つまり、主債務者のみが時効の援用をした場合、債権者と主たる債務者の間でのみ時効消滅の効果が生じ(主債務消滅)、債権者と連帯保証債務者の間においては、なお主債務は存在し、従って保証債務も存在するという理解で宜しいでしょうか?
No.7
- 回答日時:
ご指摘のサイトに述べられていることは間違いではありません。
正直、実務上は私もそうしています。附従性理論からは当然の帰結です。但し、例えば
親Aが保証人となり子Bの事業資金としてAの友人CからBが借金をする。
AがBの事業も順調だしそろそろ返済しようとCにその意思表示をしたがその時は既に時効期間が満了していた。
其の後、Bは時効の援用をした。
ような場合、Aがあらためて援用しなければAの放棄を認めてもよいではないか、というのが#4で述べたことです。
我が民法の時効制度は、援用・放棄という積極的な意思表示を俟って権利の得喪を生じさせるので、援用も放棄もない場合は、いわば宙ぶらりん状態なわけです。其辺に講学上いくつかの考え方が現われるようです。
あなたの御使用になっているテキストは、時効制度の趣旨をより重く捉えているのではないでしょうか。「各人の良心に依るべき」という表現がそれを想起させます。
繰り返しますが、あくまで#4#5、そしてここで申したことは、あなたのテキストに述べられているとされる一文に対する私なりの理解と考えでしかないということを悪しからずご了承下さい。
舌足らずな点が多々あったことをお詫びします。
No.6
- 回答日時:
すでに問題は解決したようですね。
民法ではこのように「相対的効力」という考え方を使うことが結構あります。
例えば、詐害行為取消権による取消の効果は債権者(=詐害行為取消権者)と受益者・転得者との間にのみ相対的に生じ、債務者と受益者・転得者との間では従前どおり取消しの対象とされた行為が存続するとされます。
No.5
- 回答日時:
#4です。
時効制度の趣旨に照らすと、そう考えるのが相当かと思います。
おかげ様でようやく理解する事ができました。どうもありがとうございます。
ところで、以下のサイトでは主債務者が援用すれば保証人の保証債務も附従性により(保証人の意思に関係なく)自動的に消滅すると説明されていますが間違っているのでしょうか?
http://www.enjyuku.com/d2/si_047.html
No.3
- 回答日時:
>保証すべき主債務の消滅以後も保証債務だけが存続するというのが理屈的によく理解できません。
債務者が払えない、払わない時のための連帯保証ですから当然ではないでしょうか?
主債務者が自己破産して、免責となった場合には、当然に、そういった場合の
保険である連帯保証人に取立てが回ります。主債務が消えたら連帯保証も消えるのでは意味がありません。
ご回答頂きましてどうもありがとうございます。
>保険である連帯保証人に取立てが回ります。主債務が消えたら連帯保証も消えるのでは意味がありません。
では、保証債務の附従性はどう説明すればよいのでしょうか?テキストの他、インターネットで調べてみても「主たる債務が消滅したときは、(連帯)保証債務も消滅する。」とあります。
一例として、フリー百科事典『Wikipedia』には
「主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重い債務となることはなく、また主たる債務が消滅すればともに消滅する。」と書いてあります。
宜しければお教え頂ければ幸いです。
No.2
- 回答日時:
>時効援用の効果は相対的
というのが重要で、援用権者が数人いる場合に一人がした援用の効果が他の援用権者に及ばないわけです。
すると、時効を援用した者との関係だけで消滅時効は成立し、他の援用権者との関係ではなお不確定なまま時効の完成した権利は存続していると考えられます。(多分、時効制度を実体法的に解して停止条件説に立つ場合の説明)
他の援用権者との関係ではなお不確定なまま時効の完成した権利が存続しているならば、付従性は問題にならないと考えます。
>時効は「裁判上援用して」初めて確定的に効力を生じるのでは
裁判上、裁判外を問わず援用できるとした大審院判例がありますよ。
ご回答頂きましてどうもありがとうございます。
>時効を援用した者との関係だけで消滅時効は成立し、他の援用権者との関係ではなお不確定なまま時効の完成した権利は存続していると考えられます。
主債務が(時効+援用により)消滅しても、連帯保証人が援用しない限り連帯保証債務は存続するというのはわかりましたが、保証すべき主債務の消滅以後も保証債務だけが存続するというのが理屈的によく理解できません。
No.1
- 回答日時:
>主債務が時効により消滅すれば、保証の付従性によって連帯保証債務も消滅する(つまり、援用の効果が及ぶ)と思うのですが
時効は「裁判上援用して」初めて確定的に効力を生じるのでは?これについては、連帯保証でも同じはず。主債務者が裁判上援用して、実体法上、主債務者の債務が消滅したとしても、連帯保証人の保証債務については、いまだ援用がなされなければ、たとえ「付従性」という性質が認められるにしても、ただちに連帯保証債務が消えてしまうわけではありません。
そして、主債務者が時効援用して、主債務が消滅しても、時効期間の経過による利益を受けるか否かは、さらに連帯保証人に決定させないと、連帯保証人の援用するか否かの法律上の権利・自由を一方的に奪うことになります。それは不当です。テキストが「相対的」にと書いてあるのは、その趣旨では?
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