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 昨年父が亡くなり兄弟三人で遺産を相続することになりました。しかしプラスの財産よりマイナスの財産が多いと姉から言われ、財産を調べる資料をすべて隠され、相続放棄をするように責められ、相続を放棄しました。ところが兄がこつこつと調べもってきてくれた資料を見ると父のマイナスの財産は私に放棄を迫ってきたときにはすでにプラスになっており、私は相続放棄の撤回を申し立てました。
しかし相続放棄の撤回の申し立ては通りにくいと聞きました。もし通らなかった場合私が財産をもらうことはできないのでしょうか?また相続を放棄しても生命保険・損害保険の死亡保険金は貰えるのでしょうか?両保険とも受取人は法定相続人になっているそうです

A 回答 (4件)

1.相続放棄の撤回について。


 家庭裁判所に対して相続放棄の撤回をする場合、その理由は2つ考えられます。ひとつは脅迫または詐欺による意思表示(=放棄を申し立てたこと)の取消しを主張すること(民法96条)、そして、もうひとつは錯誤無効を主張することです(民法95条)。

 今回、姉の詐欺を立証するのが難しいようなら、錯誤無効により相続放棄そのものを無効にすることができます(※家庭裁判所へは、両方の理由を出していいと思います)。

 錯誤とは、簡単にいえば「重大な勘違い」ということです。相続放棄という意思表示をするときに、その判断を下す要素に重大な錯誤があれば、その意思表示は無効となります。

 今回、姉から「プラスの財産よりマイナスの財産が多い」と言われ、「財産を調べる資料をすべて隠された」状態で、質問者さんが相続放棄の意思表示をしたのだと思います。もし、亡父にプラスの遺産だけだったら、決して相続放棄はしなかったと考えられるので、意思表示の要素に重大な錯誤(=勘違い)があるため、相続放棄の意思表示は無効であると主張することができます。

 ただし、錯誤無効を主張するためには、質問者さんに重大な過失がないことが条件になります(民法95条但書)。
 相続人は、相続財産の調査をすることができますが(民法915条2項)、姉に「財産を調べる資料をすべて隠された」のであれば、質問者さんに重大な過失はないと思います。

 なお、相続放棄の取消権は、追認をすることができるときから6ヶ月で時効により消滅しますから、詐欺や脅迫の場合には急いで対処する必要があります。また、取消権は、相続放棄のときから10年間で完全に時効により消滅します(民法919条3項)。
 一方、錯誤無効は、取消ではなく“無効”なので、この消滅時効にはかかりません(姉が「時効により取消はできない」と言ってきたら、錯誤無効を主張する)。

2.相続放棄と生命保険金について。
 生命保険金の受取人が誰かということで、結論が変わってきます。
 保険金の受取人が亡父の場合、保険金は遺産の一部になるので、相続放棄をした以上、質問者さんは保険金を受け取ることができません(相続放棄の取消しができないとき)。

 保険金の受取人が「特定の個人」や「相続人」であった場合、保険金は遺産の一部にならないので、たとえ相続放棄をしても「相続人」は保険金を受け取ることができます。

 ご参考までに、兵庫県弁護士会HPから、「親の借金と保険金-相続放棄すれば支払い不要」というページを下記に貼っておきます。簡潔に弁護士が回答しています。
http://www.hyogoben.or.jp/kurashi/030805.htm

 さらに、最高裁昭和40年2月2日判決でも、保険金は、遺産ではなく、直接、相続人に帰属すると判示しています。
 この判例を、最高裁HPから、下記、参考URLに貼っておきます。

参考URL:http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/VM …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2005/09/01 14:16

念のため…。



錯誤無効を主張するためには、意思表示の要素に錯誤がなければなりません。
意思決定の理由のほうの錯誤は動機の錯誤と呼ばれ、
それを意思表示の内容として相手方に表示したのでない限り
無効原因とはならないってのが通説判例です。

今回の場合、「『被相続人に負の財産が多いと思ったので』相続放棄した」の
『』の部分に錯誤があるということなら、動機の錯誤に相当しますから、
無効主張は難しいのではないかと思います。

そして判例では、動機の錯誤に至った場合でもその理由が詐欺によるものなら、
民法96条に戻って取消権あり、ともされていますので
(大正5年7月5日大審院判決、大正8年12月16日大審院判決)
結局詐欺取消に戻るんじゃないかと思います。

あと、
>姉に「財産を調べる資料をすべて隠された」のであれば

この立証ができるのなら、
やっぱり詐欺取消権で攻めるほうがまだ楽な道じゃないかと思います。
上記のとおり、動機の錯誤に相当する事情で錯誤無効を主張するのは
かなり険しい道のりじゃないかと…。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2005/09/01 14:20

>しかし相続放棄の撤回の申し立ては通りにくいと聞きました。



原則として、相続放棄の撤回はできません。

ただ、あなたのケースは詐欺に当たりそうな気はしますので、
民法96条による取消は可能かもしれません。

ただし、詐欺であることの立証はあなたの責任でやらなければなりません。
「立証をどうやってするか」の相談は掲示板では不可能です。
No.1さんのおっしゃるとおり、弁護士に相談するべきでしょう。

>両保険とも受取人は法定相続人になっているそうです

これは、契約書とかをきちんと読み直して確認することをお勧めします。
いわゆる遺族年金とかと同じかもしれないから…
(遺族は必ずしも相続人とイコールではない)

この回答への補足

弁護士にも相談してみました。姉のやり方では正義は通らないと私はだまされたんだと言われましたが、私は現在子供四人を抱え、母子家庭ですので、生活がいっぱいで弁護士を雇うのは断念しました。そして、相続放棄の撤回の手続きをとったのです。その間に兄の申し立てた遺産分割協議にも担当の調停委員の方々の薦めもあり、出席をしていました。やはり私は姉の言いようにされたといわれました。ただ、立証をする方法が電話でのやり取りだったので、見つかりません。
  保険の契約書も手元にはなく、そのほかすべての遺産目録も私の手元には何一つありません。保険金受取人は、法定相続人です。受取人指定なしですが、私にも権利は
ありますか?

補足日時:2005/08/30 20:26
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詐欺による撤回は出来ることがあると下記のサイトに書いてあります。


今回、姉に資料を閲覧することが出来ず、騙されて放棄したことになるので、詐欺になると思います。
まず、法律に詳しい方(弁護士等)に聞いてみてはいかがでしょうか?
もし、撤回が出来なかった場合は、残念ですが、相続分は貰う事が出来なくなります。

参考URL:http://www.hou-nattoku.com/?PAGE=/souzoku/notwan …
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