牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?

素敵という言葉は一見好印象なイメージですが、その漢字を見ると、「敵」という文字が入っています。この「敵」という文字は素敵の意味とはかけ離れている気がするのですが、「素敵」という言葉の成り立ちを知っている方がいたら教えてください。

A 回答 (5件)

 前田勇編「江戸語の辞典」の当該箇所によれば、


【素敵】(形動)(出来過(できすぎ)の倒語という)数量・程度などの、甚だしいこと。めっぽう。沢山。善悪褒貶いずれにもいう。例文は享和2年(1802年)の「コウあとの女はすてきにふとっているぜ」(祇園祭烑灯蔵)。「すてきに」同様、「すてきと」という副詞用法の例文は、文化8年(1811年)。

【素晴らしい】(形)(1)驚くべき事である…この例文は文化10年(1813年)。(2)甚だしい…嘉永6年(1853年)。(3)聞いてあきれる…安永9年(1789年)。

 これらを見る限り、1800年頃の廓言葉での素晴らしいが「しゃらくさえ」の意味だった頃に、草紙作家が「すてき」というかな言葉で善悪を問わず「甚だしい」の意味で使っているところを見ると、「素晴らしい+的」説には疑問を感じます。「素晴らしい」に褒める意味が現れているのは「すてき」が現れて10年以上経ってのことでもありますし、歌舞伎言葉なので、それぞれ出処となる環境が異なっている気がします。この辞典のように「出来過(できすぎ)の倒語という」説がもっと信憑性が高いと思いたいのですが、すぎでき→すでき→すてきと考えると、やけに出来過ぎな感じもします。
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この回答へのお礼

なるほど、歴史的変遷を辿ってみると言葉に対しての理解が深まりますね。参考になりました、ありがとうございます!

お礼日時:2006/01/06 02:11

面白い分析の記事を見出しました。

ご質問者の方と同様に「素敵」の語源をご質問された方への回答です。ご参考になれば。(以下引用文そのまま)

自分で調べたことからの考察(推察)を報告いたします。
結局、ずばりと素敵の由来がわかる資料はなかったのですが、
いくつかの意外で興味深い気づきがありました。

(1)「的」は「~の」という意味だと思っていましたが、
「的」=「敵」
の意味もあることがわかりました。「エネミー」ということですね。

(2)「的・敵」は遊里語で、相手のことを呼ぶときに使われたということがわかりました。
遊女と客の間で、お互いを「おてきさん」などと呼んでいたそうです。
また、この用例から転じた代名詞的な使い方もされたようです。「あいつ」「こいつ」の意。

「すてき」の古い用例をみると、「すてき」という語そのものが遊里語であったと考えるのはしっくり来ます。

すばらしい的=すばらしい(遊里での)相手

というところから由来するのかもしれないと思いました。
転じて、恋愛対象を誉めるときの言葉になっていって
今のような意味合いになったのではないかと考えています。(用例から推測)

もちろん、辞書類にはこういったことはいっさい触れていませんでしたが、
自分なりに、面白い考察ができたので、お知らせします。
では。
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この回答へのお礼

なかなか面白い考察ですね。なんだかロマンがあって私はそういう解釈が大好きです。参考になりました。ありがとうございます!

お礼日時:2006/01/06 02:12

文化庁編集の「言葉に関する問答集」によりますと…。



1.「すてき」の登場…江戸後期になってから使われはじめたとされています。式亭三馬の滑稽本「浮世風呂」で1例あり、その後、同じ作者の「浮世床」に14の用例と、「すてき亀」というあだ名が登場します。これらのことから、この本の発刊当時(文化10~11年)に流行し始めたとされています。ただし、この本の中では、すべて仮名表記で、漢字では使われていません。
2.「すてき」の語源…大きく2説あり、一つは「日本語大辞典」など多くの辞書に採用されている「すばらしいの『す』に『てき(的)』のついたもの」というもの。有力な説といわれていますが、定説となるほどの確証は得られていないそうです。
もう一つが、「江戸語大辞典」「大言海」で採用されている「出来過ぎの倒語」という説ですが、この説には少々、無理があると考えられています。そのため、この語源は明らかでないとされています。
3.素敵、素的の漢字…a)「日本語大辞典」によると、歌舞伎脚本における「素敵」の用例が明示されている。b)明治時代以降の文学作品には「すてき」「素的」「素敵」が混在しているが、「素敵」が最も多い。
4.実際の用例…NHKの新用字用語辞典、日本新聞協会の「新聞用語辞典」では、「すてき」は仮名表記で統一され、漢字表記はしないように定められている。なお、「素晴らしい」は漢字表記となっている(新聞用語辞典)。
これらのことを総合的に判断すると、「素敵」「素的」ともに“当て字”であると考えられています。

そのため、敵というかけ離れたイメージの漢字が使われているのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

やはり、素敵という字は当て字として役割があるのですね。参考になりました。ありがとうございます!

お礼日時:2006/01/06 02:14

白川静「字統」によると素というのは理由がない、敵というのは無視できないというような意味があるようです。

匹敵とか好敵手という言葉には、敵対とか憎悪というような意味は余りありません。無学によるこじつけを行えば、理由はわからないが無視することは出来ない存在という意味になるかなと考えてみました。
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この回答へのお礼

敵という文字にも悪いイメージだけではないのですね。大変参考になりました。ありがとうございます!

お礼日時:2006/01/06 02:10

「素晴らしい」+「的」で「すてき」となったという説明が複数の辞書にあります。


つまり、「素的」が元々の漢字で、「敵」は当て字ということです。
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この回答へのお礼

私も先ほど辞書を調べたらそのように書いてありました。敵は当て字なんですね?!なるほどーありがとうございました!

お礼日時:2006/01/06 02:08

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