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医療情報システム(HIS、RIS、PACS)でのマルチベンダー化のメリットは何でしょうか?
逆に、マルチベンダ化をしないで、1ベンダで統一したシステムを構築すると、どんなデメリットがあるのでしょうか?
教えてください。

A 回答 (3件)

OKgontaさん、こんOOは。



補足の回答です。

1、システム稼動後の問題が発生した場合、場合によりますがマルチベンダの方がなにかともめるのは当たり前です。通信プロトコルやデータの形式がほんの少し違ったり、標準フォーマットだからといっても各社方言があったりします。それが原因でトラブルのです。単一ベンダだからといっても開発部門がまたがったりすると同様のトラブルが起こる可能性はありますが、トラブった後が最大の問題なのです。お互い責任を擦り付け合ってなかなか解決しないことがあるのです。うちのは標準規格に沿っているからあんたのところを直せなんていうふうになるのです。極端な場合、A社とB社のシステムがあってそれらを繋ぐルータが故障したときにどちらが責任を取って修理するかなんて低レベルの話になることもあります。

カスタマイズや拡張性はマルチベンダの場合でそれぞれ自分たちの縄張り内ではできると思いますが、それを超えてとなるとやはり難しい点はでてくると思います。ベンダの皆さんは病院など顧客に対しては低姿勢ですが、同業者に対しては高圧的な態度にでることも多いと聞きます。A社のカスタマイズのために接続しているB社側も機能拡張が必要な場合、A社の担当者がB社と機能拡張の値段交渉をすると定価に近い価格しか提示しないのに、病院の関係者が口添えをすると定価の半額程度になったりすることは実際にあります。こうした点をみれば単一ベンダもありなのかなと思います。

2、コストの点ですが、マルチベンダの方がたくさんのメーカーのものを検討できますので、価格競争が起きて結果安くなるかも知れませんが絶対そうだとも言い切れませんので、ここは交渉しだいということでしょう。

3、各モダリティとRIS、PACSの接続の点ではどこのものでも可能です。基本的には画像データ、患者属性や実施結果情報などの通信はDICOM規格で定められていますので、どのメーカーの組み合わせでも大丈夫なはずです。装置メーカーやフィルムメーカーの方が融通が利きそうなイメージがありますがつながらなければRIS、PACSとして使えませんので、たとえば電機メーカーのものがだめということはありません。
PACSの接続はモダリティ側がDICOMのストレージクラスで通信できればよいので技術的には簡単なほうです。モダリティの出力がビデオ信号などのアナログやレガシーI/Oによるデジタルの場合はコンバータをかませばよいですし、LANポートが付いているのなら、DICOM用のソフト(ドライバなど)をインストールするだけでよいです。後はLANケーブルで接続して設定するだけです。
問題はRISで、技術的には接続が可能な場合でも、たとえば、HISから来た撮影オーダーをRISで受け取り各モダリティに送信する際、マスタの変換が必要な場合があり、それのつじつまがあわないとおかしなことになることがあります。そうした場合の修正や設定変更は人が行うのですけど、その人の経験や知識が豊富なほうが当然よく、画像部門の話をよく聞いてくれる人が言いわけです。人的見地からみるとわれわれ診療放射線技師の話をよく聞いてくれる装置メーカーやフィルムメーカーのRISやPACSのほうが接続に限らずなにかと融通が利くといえるといえるかもしれません。(昔からの付き合いもありますし)

医療情報技師の立場ではなく放射線技師の立場でものをいうと、HISをメインにやっているベンダのRISは機能も低く、よく言えばHISのサブシステム、悪く言えば会計処理さえできればよろしいという風に見えます。装置メーカーやフィルムメーカー製のRISは画像部門にとってかゆいところに手が届く点が多く、画像部門の現場の意見をよく聞いてくれているという風に見えます。

以上参考になったでしょうか。

追伸

医療情報技師を受けられるのなら必ず講習を受けられた方がいいですよ。受験対策になりますがそれ以外に講義中に講師(大学の医療情報部の医師が多い)がポロっと話した実体験(導入時のベンダとのけんかしたこととかその対処法など)が今後の参考になると思います。ボイスレコーダ持っていかれるとなおよいと思います。
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この回答へのお礼

おかげ様で、マルチベンダと単一のベンダのメリット・デメリットや、HIS,RIS,PACSの接続に関する大まかな融通性が、大変よくわかりました。
メーカーとユーザーの信頼関係や、ユーザー側により良いベンダーを見極める力が必要であることもよくわかりました。
そういった点からも、これからDICOMやネットワーク等情報技術についてしっかり勉強をし、十分な準備をしなければならないと痛感いたしました。
また、医療情報技師の講習もぜひ受けたいと思います。
大変親切にしていただき、本当にありがとうございました。とても参考になりました。

お礼日時:2006/02/10 20:22

追記です。



RISやPACSは、発言力のある画像部門が自分たちの縄張りとしてHISと別のベンダをわざと指定するとか、電カルの予算が当初よりオーバーして、RIS、PACSのベンダを変更し安いものにして予算を浮かしてお金を回すとか、性能や使い勝手ではなくて、経営陣の政治的判断や都合でベンダが決まったりすることもあります。
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OKgontaさん、こんOOは。



私は診療放射線技師で医療情報技師です。いままさに勤務先でHIS、RIS、PACSのシステムを構築中です。それらの経験からお話します。

マルチベンダーの最大のメリットはそれぞれ得意分野のメーカーをチョイスできることです。文字中心のHISと画像中心のPACS、画像モダリティーと直接接続するRISすべて得意なメーカーは経験上ないと思います。もちろんすべてを持っている電子カルテメーカーはあります。しかし、放射線技師の立場で見ると電カルメーカーのRISはコストの清算しかできないような最低限の機能しか持たないものも多く、RIS専業メーカーのは放射線科や技師にとってかゆいところに手が届くというぐらいの機能の差があることがあります。(すべてのメーカーがそうであるというわけではありませんが)

早い話、RISやPACSは放射線科などの画像部門の要望から発生したもので、それらの現場からみたら電カルメーカーのは貧弱で使いにくそうに見える、今まで付き合いのあるメーカー製のほうが取っ付きやすいなどがあると思います。

とりとめもなく書きましたが、まとめますと、

マルチベンダ化であっても単一ベンダであっても機能に差がなければどちらでもよいと言うこと、

マルチベンダ化していれば、画像部門と医事や外来部門のそれぞれの要望が聞きやすいが、プロトコルの標準化されているとはいえ接続にいろいろ不具合があること、

単一ベンダなら操作性の統一が図られやすかったり、端末を共有できたりできることがあること、接続が簡単であること、

などです。参考にしてください。
(作文下手ですねぇ笑ってください。)

この回答への補足

丁寧かつ詳細なお答えありがとうございます。とても参考になります。
私も診療放射線技師でして、まだ勤務先では、情報システムは全く導入されておりませんが、近い将来導入されることを想定して、ただいま勉強中です。
今年は、私も医療情報技師の資格を取ろうと思っています。

あと3点お伺いしたいのですが、
1、システムを導入し稼動開始してから、問題点も出てくると思いますが、その場合のカスタマイズ性や拡張性といった点で、マルチベンダと単一ベンダとでは違いはあるのでしょうか? 
2、コスト的にはマルチベンダの方が安価に導入できるのでしょうか?
3、従来の放射線機器やフィルムメーカで販売しているRISやPACSなどは、他社の機器との接続性に関する融通性にどれくらい対応できているのか。
以上、よろしければご教授願います。
大変面倒な質問をお許しください。

補足日時:2006/02/08 20:46
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