日本語ブームのせいか、言葉に敏感な人が増えてきたように思います。
とてもいいことです。
が、敏感すぎるのも考えもので、たとえば
「彼は今だにその話を信じている」
などと書くと、必ずものすごい勢いで
「“今だに”は誤用で“未だに”が正しい」
という指摘がきます。
このサイトの過去質問などでも、そのようなやりとりを見かけることがあります。
しかし、ちゃんと辞書などを調べてみると、上の例のような「今だに」は必ずしも誤用ではなく、むしろ正当な用法であることがわかります。
同様に、
・違和感を感じる
・汚名挽回
・的を得る
など、私自身「正当だ」と言い切る自信まではないものの、議論の余地くらいはあるだろうと思われる表現でも、こんな表現をうっかりしようものなら問答無用でもの知らず扱いされかねない風潮もあるように感じます。
そこで質問ですが、このように「とかく誤用と思われがちだが、じつは正しい(少なくとも議論の余地くらいはある)」という表現がほかにもあれば、ぜひ教えてください。
No.2
- 回答日時:
シート状の湿布薬を腰に張る。
新聞の第1面にこのような使い方の見出しが出ていたので新聞社に問い合わせたところ、この場合の「張る」は「貼る」が正しいように思われるかもしれないが、歴史的にみて「張る」が正しい、と朝日新聞が回答しました。
たしかに「貼る」と書きたくなるところですね。
でも辞書を調べたらちゃんと「張る」と書いてありました。
(「貼る」が間違いだってわけじゃないんですが)
歴史的には「張る」が正しいんですか。知りませんでした。
「貼」だと常用漢字外になってしまうので新聞社では使いにくいという事情もあるのかもしれませんね。
回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
時代が大きく変われば語源の説明は出来てもその内容が理解できなくなるので、一生懸命のような表現が生まれて辞典でも転用として認められるようになります。
全ての事柄はこのように専門的に見るのか庶民レベルで見るかによって異論が生じます。従って是々非々で対処すればいいわけです。身近なこと、知っていることには細かくなるのが人の常です。ピンからキリ・・これは16世紀にポルトガル人がもたらしたスペインカルタの役柄が改良された天正カルタやウンスンカルタに引き継がれ、江戸時代に禁止されたため地下に潜り賭博用語として生き延びたピンはねなどと姉妹語です。一応の解釈は定まっていますが、天正カルタを遊べる人はほとんどいないので、違う解釈を称えることも可能です。しかし、ほとんどの日本人は辞書にある解釈で満足しています。
よく野球選手の出身地で中米のベネズエラとか中米のドミニカなどといいますが、ベネズエラは南米、ドミニカはカリブに所属します。しかし、多くの日本人にとって中米、南米、中南米、ラテンアメリカの差は分からず漠然とメキシコ以南の国々を指しています。
・違和感を感じる、汚名挽回、的を得るはいずれも誤った使い方ですが、正しい言葉遣いを話題にした席でなければ特に間違いを正す必要もないでしょう。どこで、誰が、誰と何のために使用するかによって対応が変わってくると思います。
>身近なこと、知っていることには細かくなるのが人の常です。
たしかにそうですね。
ただ、ときおり「批判する前に辞書引いてよ…」と思うことはありますが。
回答ありがとうございます。
No.5
- 回答日時:
最近"若者言葉"として取り上げられがちな、『全然~だ』という言葉です。
一般的に「全然おいしくない」「全然楽しくない」というような"全然"のあとに否定形をつけるものが正しい使い方なのでしょうが、「全然おいしい」「全然楽しい」など、肯定する形をつけるものも必ずしも間違っているとは言い切れないのではないかと思います。
あと、個人的に「汚名挽回」は場合によっては使えるかもしれないと思っています。もともと汚名と挽回にはそれぞれに意味がありますし……。名誉返上もしかりかな、と。
私も正確なところはよくわかりませんが、よく議論になるネタですね。
有名になったせいか、最近は頭ごなしに否定する人も前よりは少なくなった気がします。
回答ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
「正しい」かどうかはその時代によって違うということは, 念頭におく必要があるかと思います.
歴史的に見ると, 「全然」のあとに肯定がくるのは全然正しいです :-) 「全然」をもっぱら否定でうけるようになったのは明治に入ってからです. 江戸時代の文書であれば「全然」を肯定でうけている例はありますし, 夏目漱石の書いたものの中にも「全然」を肯定でうける文章があると聞いています.
ちなみに「一生懸命」は本来「一所懸命」で「自分の知行地 (一所) を命をかけて (懸命) 守る」からきた単語.
回答ありがとうございます。
「全然」は、素人考えですけど字面を見るとむしろ肯定がくるのが自然なようにも思えます。
だいぶ有名になってきた例なので、「誤用」という汚名を挽回…いや、返上? できそうですね。
No.7
- 回答日時:
全然+肯定ですね。
例えば全然大丈夫とか。戦前から使われてましたから間違ってるとうのはどうかと思います。夏目漱石などの文豪も使用してましたしね。
後何ヶ月か前にタモリのジャポニカロゴスで、
申し訳ありません。
申し訳ございません。
とんでもありません。
が何れも誤用だと国語学者が言ってましたが、これもどうかと思います。はたして国民の何%が誤用だと思っているのか、そして正しい使い方を知っているのか疑問です。おそらくほとんどの人が誤用だと思ってないでしょう。
ほぼ完全に現代社会に定着してる言葉ですから「正しい」と考えていいのはではと、個人的に思います。
ひょっとして「申し訳ないことでございます」「とんでもないことです」等が正解、という話でしょうか?
たしかに国語学者のおっしゃることもごもっともですが、やはりこれを誤用だと言われるとちょっと困っちゃいますよね。
私もこれは「本来的には誤用」だとしても「現代社会では正しい」という考えに同意します。
回答ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
ちょっと主旨から外れますが、「ら抜き言葉」もですね。
最近の若者が作ったような風潮ありますけど、実はもうずいぶん歴史の古い言葉です。(俺が個人的に把握している範囲では、昭和30年代にはすでに使われています)
俺が生まれてこの方、誰もが自然に使ってたのに、スポットが当たったとたんに指摘する人が増えたのです。
私の育った地域でもら抜き言葉が「標準語」でした。
最近は直さざるをえない風潮なので、ちょっとさみしいですね。
かといって、指摘されるたびに「じつはね…」と反論というか説明をするのも面倒なので、周りにあわせてしまうんですが。
回答ありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
姑息:「姑息なヤツ」と言った風に使うのを耳にしますが、正しい意味で使っているのか疑問です。
「姑息」は「一時しのぎ」といった意味ですが、シチュエーションから「卑怯なヤツ」と言った風な意味合いで使っている気がします。さわり:よく「さわりだけでいいから」と言う人がいます。さわりとは、「一番重要な部分」と言う意味なので、分かって使っているのかどうか疑問に思う事があります。
役不足:これは明らかに間違えて使う人がいます。TPOによっては大変失礼な間違えになります。
No.10
- 回答日時:
違和感を感じる→頭が頭痛、馬から落馬、歯痛が痛い。
みたいな感じです!汚名挽回→汚名を挽回して何になるの?本来なら汚名撤回ですよね?
それを言うなら名誉挽回ですよね。
的を得る→的を持ってきてどうするんでしょう(笑)
的を射る、でしょ?
他にも皆さんがおっしゃっている「全然」これは肯定にも否定にも使われる言葉です。
全く然りと言う意味ですから。
他には、「凄い」とか。これは本来なら悲惨な事故などに使われる言葉です。
なので、おバカな高齢者タレントが「これは凄いいい映画ですっ!」なんてテレビで言っているのは全くの誤用です。
こんな例は日本語には腐るほどありますよ。
「檄(ゲキ)を飛ばす」とかね………、、
これは「檄文」のことですから。(笑)
ありがとうございます。
質問趣旨を誤読されたのではと思われる回答が連続したので再度確認させていただきますが、私の質問の趣旨は
「みんな普通に使ってるけど、それ、じつは誤用だよ、という言葉を教えて」ではなくて、
「使うとみんなに誤用ってよく言われるけど、じつは正しい(議論の余地くらいはある)、という言葉を教えて」ですので、よろしくお願いします。
「違和感を感じる」「汚名挽回」「的を得る」については、おっしゃるような指摘があり、それがほとんど「常識」として一般的に共有されているということは、もちろん私も存じております。
ただ、先に書いたように、それに対する異論(しかも屁理屈ではなく、それなりに筋が通っているレベルのもの)が存在するということで、例に挙げたわけです。
ここでこれらの言葉が正当か否か議論する意図はありませんし、そのような場でもありませんので、それらの主張を具体的に書き連ねて回答者さまに「反論」することはしませんが、ご興味があればぜひお調べになってみてください。
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