
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
句切れは、基本的に普通の文章に直すと句点「。
」がついて、そこで文が終わるところと考えたらいいと思います。文が終わるのですから、当然そこが意味の切れ目になります。例:月見れば 千々(ちぢ)に物こそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
大江千里(百人一首、23)
月を眺めていると、あれこれと物事が、悲しく感じられることだ。(=三句切れ)
私一人だけの、秋というわけではないのに。
しかし、「意味の切れ目」は、文の終わりだけではありません。文の途中で小さく切れる場合もあります。
例:天の原 ふりさけ見れば 春日(かすが)なる 三笠の山に 出(い)でし月かも
阿部仲麻呂(百人一首、7)
大空を、仰ぎ見ると〔見えるのは〕、〔奈良の〕春日にある、三笠の山に、出ていた月〔と同じ月〕だなあ。
〔 〕内は全体の意味が分かりやすいよう現代語訳の際に補った言葉。
上の歌を普通の文章に直すと、初句から四句までは句点になりません。結句になって初めて句点になるので、全体として一続きの文です。だから「句切れなし」になります。
ところが、読点「、」の打ち方として次のどちらが自然でしょうか。
1)大空を、仰ぎ見ると春日にある、三笠の山に出ていた月だなあ。
2)大空を仰ぎ見ると、春日にある三笠の山に、出ていた月だなあ。
1)のように、初句を独立させ、二句と三句をひとまとまりにするより、2)のように分ける方が自然な意味のまとまりになると思います。つまり、この歌は二句の終わりに、文の終わりになって「句切れ」になるほどの切れ目ではありませんが、小さな意味のまとまりとしての切れ目があるのです。したがって、この歌の場合は五七調と考えるべきです。
同様に、
例:夏の夜は まだ宵(よひ)ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
壬生忠岑(百人一首、30)
夏の夜は〔短くて〕、まだ宵のうち〔と思っている時〕に、明けてしまったが、雲のどのあたりに、〔沈む間がなくて、西の山の端までたどり着けない〕月はやどっているのだろう。
この歌も、「句切れなし」ですが、
1)夏の夜はまだ宵のうちに、明けてしまったが雲のどのあたりに、月はやどっているのだろう。
2)夏の夜は、まだ宵のうちに明けてしまったが、雲のどのあたりに月はやどっているのだろう。
を比べていただくと、七五調であるのが分かっていただけると思います。
お礼が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
句切れなしについての説明、ありがとうございます。
句切れなしにも五七調、七五調があることに驚いています。
誤解をする前に教えて頂き本当にありがとうございます。
具体的に短歌を用いての説明とてもわかりやすかったです。
どんな短歌でも一度訳した後、句読点の位置を確認して分別したいと思います。
細かいご回答、本当にありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
>句切れなしの場合は切れ目がない、ということでどちらにも含まれないのでしょうか?
句切れのない短歌が示されていて,「この短歌は五七調か七五調か?」という問いであれば,「どちらでもない」と答えることになると思います。
No.2
- 回答日時:
>意味の切れ目、と習ったのですが、
>それでは句切れ(初句切れや二句切れなど)と変わりがないように思えます。
まあそうです。初句・三句で切れる=七五調,二句・四句で切れる=五七調,ですので。
でも,疑問に思いませんか?
五七調の方は,五七|五七|七 で,「五七」のパターンが繰り返されていますが,七五調の方は,五|七五|七七 となり,「七五」のパターンは1回しか出てきません。
七五を繰り返すから七五調,というのならわかりますが,たった1回で「七五調」とは妙ではないか,と。
実は,短歌だけを考えているからそうなるので,長歌(万葉集にはたくさん含まれています)も視野に入れて考えると分かります。
万葉集の長歌は,たいてい,五七|五七|……|五七|七 というパターンです。
有名な,山上憶良の「貧窮問答歌」(の後半)に,現代風の句読点を付けてみましょう。
天地(あめつち)は 広しといへど,
吾が為は 狭(さ)くやなりぬる。
日月(ひつき)は 明(あか)しといへど,
吾が為は 照りや給はむ。
人皆か? 吾のみや然る?
(中略)
楚(しもと)取る 里長(さとおさ)が声は,
寝屋戸(ねやど)まで 来立ち呼ばひぬ。
斯(か)くばかり 術無きものか,世間(よのなか)の道。
ほら,「五七」の塊の後に,句読点が来るパターンの繰り返し。
これなら五七調ですよね。
これの最短形(「五七」が2回+「七」)が,短歌になったわけです。
もっと短い「五七七」(「五七」が1回だけ+「七」)もありますが,これは片歌(かたうた)といって,もう1組の五七七とセットにして初めて一人前の歌と考えられたので,ここでは除きます。
それに,短歌だと五七調でも二句切れでも似たような者ですが,長歌で何句切れという言い方をすると,「初句・三句・十一句・十七句・二十五句切れ」などとなって,数えるのが面倒ですので,「五七調」という言い方のほうが楽ですよね。
万葉の頃は基本的に五七調だったのですが,平安時代に入ると,最初の「五」のあと一区切り置いて,「七五」を繰り返す「七五調」が主流になります。
五|七五|七五|……|七五|七七
(もっとも,主流と書きましたが,実際には長歌そのものが少なくなっていきます)
これの最短バージョン(七五が1回のみ)が短歌で,
五|七五|七七
となるわけです。
お礼が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
わかりやすいご回答ありがとうございます。
なるほど、七五調の意味が分かりました。
長歌での七五調の短歌パージョンなのですね。
片歌の説明もしていただけて、とても嬉しく思っています。
では、本当にありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
>句切れ(初句切れや二句切れなど)と変わりがないように思えます。
はい、一般的にそういう解釈で大丈夫です。
初句切れ・三句切れ=七五調
二句切れ・四句切れ=五七調
と思っていただいて構わないでしょう。
参考URL:http://study-japanese.hp.infoseek.co.jp/verse/4. …
わかりやすいご回答、ありがとうございます。
なるほど、そういうふうに考えればいいのですね。
では、句切れなしの場合は切れ目がない、ということでどちらにも含まれないのでしょうか?
度々質問すみません…。
教えて頂いた参考URLも、とてもわかりやすかったです。
ありがとうございました!
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