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回路集や教科書などに載っているオペアンプ3個使いのインスツルメンテーションアンプについて素朴な疑問なのですが、入力段をボルテージフォロワを2個にし、後段で通常の抵抗4本使いの差動増幅回路にしてもいいのかなと(その方が抵抗の数も減りますし回路が簡単・・)思うのですが、この方法の回路でのデメリットや問題になる点というのは具体的にどのようなことでしょうか?(あるいはどういう場合でしょうか?)

A 回答 (3件)

1.一番の問題はf特でしょうね。


 例えば利得帯域幅が100MHzのオペアンプを使うとします。
 一段で利得40dBをとるとf特は1MHzになってしまいます。
 二段に分け各段20dBなら、10MHzのf特がとれます。
 f特を向上させるためには「利得を分散させる」ことが原則です。

2.二番目の問題はNF(Noise Figure:雑音指数)でしょうか。
 NF計算の公式
 NF=NF1+(NF2-1)/G1
 (ただし、この計算で使う数値はdBではなく真数を用いる)

[例題] 
NF=2dBのアンプを使い全体で40dBの利得を得る場合のNF
  1.初段で利得0dB、二段目で40dBの場合
    NF=2dB+(2dB-1)/0dB
    NF=10log(1.585+(1.585-1)/1)=3.36dB

  2.初段で利得20dB、二段目で20dBの場合
    NF=2dB+(2dB-1)/20dB
    NF=10log(1.585+(1.585-1)/100)=2.02dB

 良いNFを得るためには初段にローノイズのデバイスを配置し、
 初段で利得を稼ぐことが原則です。
http://www.geocities.jp/r59net/emv/nf.htm

3.ラッチアップ
(だんだん重箱の隅をつつくような話になりますが・・・(-_-;))
 ご質問の内容から推察すると、入力段のボルテージフォロワーは
 フィードバック抵抗を0Ωとする(出力と入力を直結)ことをお考えでしょうか?
 (間違っていましたらご容赦)

 こういう使い方をするとオペアンプの中には、ラッチアップを
 起こすものがたくさんあります。
 データシートに「ラッチアップを防ぐため、出力と反転入力の
 間には必ず〇〇kΩ以上の 抵抗を入れてください」と記載
 されているものが数多くあるはずです。

4.トリム
 同一ロットのオペアンプでも多少のバラツキがあります。
 入力段に抵抗を入れ利得をとっていれば、微細な調整ができます。
 また、この回路図には載っていませんが、実際には3個のアンプには
 それぞれに「オフセット調整VR」が入っているはずです。
http://www.nahitech.com/nahitafu/mame/mame3/inst … 

以上のことを考えると、固定抵抗3個(1個?)を削減することが
それほどのメリットになるかどうか疑問に思います。

勿論、現実にはいろんな状況があるでしょうから、これらのことを
勘案してもなお、メリットがあると判断されるなら、お説の通りで
よいでしょう。

参考URL:http://www.nahitech.com/nahitafu/mame/mame3/inst … 
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この回答へのお礼

詳細に説明いただきありがとうございます。

なるほど、ということは、例として挙げた"利得が100倍で入力が飽和する可能性が無い回路"での使用を考えると、おおよそ、
1)f特が重要ならば、通常のインスツルメンテーションアンプで利得を分散するのがよい
2)ノイズが重要ならば、同様にインスツルメンテーションアンプで初段で利得を稼ぐのがよい
3)いずれもそれほど気にしなくてもよい場合のみ、初段ボルテージフォロワタイプを使ってもいいが、ラッチアップの問題や調整の問題があり、あまりメリットはない
という感じでしょうか。

ちなみに、私は"初段ボルテージフォロワ回路の方がメリットがありそう"と言いたいわけでは無く、逆にこの回路では何か問題や制約があるはずだと思ってそれが何かを知りたくて質問したものです。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2007/01/04 11:26

ああ、


>入力段をボルテージフォロワを2個にし、後段で通常の抵抗4本使いの差動増幅回路
これだと、そもそも前段ではゲインなしなんで、アンプ全体のゲインがあんまり稼げませんね。

じゃあ、前段を非反転増幅器にしたら、と思われるかもしれませんが(#1の回答は無意識にこう仮定していました)、それだと#1の問題がありますし、そもそも抵抗の数が減らないですね。
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インスツルメンテーションアンプは出力が飽和しにくいんです。



オペアンプの出力は電源電圧近くで飽和してしまいます。
>入力段をボルテージフォロワを2個にし、後段で通常の抵抗4本使いの差動増幅回路
こうすると、正負のどちらかの信号が飽和すると(正入力と負入力の差が飽和していなくても)、後段の差動増幅回路への入力が飽和して、最終の出力も飽和してしまいます。

インスツルメンテーションアンプは、入力段の2個のアンプの出力の時点でコモン信号が除去されるので、正入力と負入力の差が飽和しない限り最終段の出力は飽和しません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
なんとなく理解できた気がします。
念のための確認ですが、ということは、入力が飽和する可能性が無いような信号レベルでかつ増幅率がそれほど大きくなければ最初の方法でも特にデメリットは無いということですしょうか?
(たとえば、ゲインが100倍程度ならボルテージフォロワ+後段の差動で100倍増幅するのと、インスツルメンテーションアンプの最初の増幅部で100倍+差動増幅1倍するのを比較すると、特に前者にデメリットは無いでしょうか?)

お礼日時:2007/01/03 01:33

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