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「安」という漢字には、二つの意味があると思います。

・値段が安い、振る舞いが軽々しい など
・気持ちが落ち着く、安らかになる。

なのですが、何故一つの文字からこうした方向性の違う意味が発生したのでしょうか。
普通に考えれば、一つの漢字からは読み方は違っても大体方向性の似ている意味が付与されると思うのですが、「安」という文字は自分の考えるに似通っている意味とは取れないのです。
変な質問で大変恐縮ですが、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教授頂きたく宜しくお願い致します。

A 回答 (5件)

#1です。


>何故元来ある意味から違う意味へ派生するのか
「安」の字義が“平安”から“廉価”へと分化・派生したのではありません。
日本語の「やすい」が分化・派生していくつかの意味に使われるようになったのです。
「安」という漢字はそのうちの一つに相当するものだったのを、日本で便宜的にほかの意味の場合にも使うことにしたのです。

別の例を挙げましょう。
「渡」は「渡河」「渡航」などに使われる字です。
一方、日本語に「わたる/わたす」という言葉があります。
そこで「河を渡る」、「渡し舟」のように表記することにしたのですが、日本語の「わたる/わたす」は「人手にわたる」、「バトンをわたす」のような意味にも使われます。
この場合に適切な字がほかにあれば、“同訓異字”の扱いにするのが望ましいのですが、そうはならないで「人手に渡る」、「バトンを渡す」と表記することになったのです。
「渡」という漢字の意味が分化したのではなく、漢字仮名交じりの日本語表記の問題です。
「長年にわたる」の場合は「渡」ではなく「亙(亘)」がありますが、表外漢字なので、最近は「長年に渡る」と書く向きもあります。
『民法』の「譲渡ス」、「譲渡シタル」は「ゆずりわたす」、「ゆずりわたしたる」ですが、ここから、「譲渡」を音で読んで「譲渡所得」などという言葉も作られました。
いずれにしても「渡」は“向こう岸に渡る/渡す”という意味の字であり、“人手に渡る、“バトンを渡す”といった意味に分化・派生したわけではありません。
日本語の「わたる」「わたす」をどう表記するかという問題です。
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この回答へのお礼

御礼が遅れて申し訳ありません。

詳しい回答を頂き、ありがとうございました。
大変勉強になりました。
Aという意味を持つ言葉とBという意味を持つ言葉が、
たまたま同じであって、更にそこに同じ漢字を当てた、という事なのですね。
「わたす」の意味ですが、「渡す」は元来、渡河専門の言葉だったのですね。
αからβに「わたす」時に使用するものだと思っていたので、
渡河も譲渡も根源は同じ意味合いで理解していました。

お礼日時:2008/01/13 03:36

中国語の辞書を見ると、「安」は「安らかだ」「安らげる」という意味で使われる字です。

「機械を据え付ける」「器具を取り付ける」という意味もありますが、それも「物を落ち着かせる」という意味から来ているのでしょう。
なお、「値段が低い」という意味は、中国語の「安」には有りません。

ところが、日本語で「便宜を図る」という時に使う「便宜(ピェンイー)」という中国語が、日本語で言うと「値段が安い」「値下げしてくれ」の意味なのです。

どういう経緯なのかはわかりませんが、一つの漢字に一つの意味しかないと思い込むよりは、複数の意味があることに興味を持つ方が、コミュニケーションが楽しくなると思います。
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この回答へのお礼

>「値段が低い」という意味は、中国語の「安」には有りません
! 戦前は日本の言葉が中国へ数多く輸出され(新名詞と呼ばれた)、余りにも流行った為、新名詞は使ってはならん! と中国のお偉方から発令されたものの、側近から「『新名詞』という言葉そのものが新名詞であります」とこっそり注意されたという笑い話がありましたが、「安い」という意味合いの言葉は輸出されなかったのですね。驚きです。
余談ですが中国の国名に使用されている「社会」「主義」「人民」「共和国」が日本語からの新名詞なんだそうで、中国人も結構ミーハーなんだなあ、日本語の結構な部分を取り入れているんだ、じゃあ「安」という語もそうなんだろう、と予想していたので新鮮でした。
中国に輸出できる送り仮名の無い漢字だけの単語としては、安いという意味を使った単語が現状見つけにくい状態です(送り仮名の併用であれば、そうした単語は見受けられる)。これも新発見でした。
Goo辞書で調べた所、安から始まる言葉318個のうち、ネガティブなイメージを持つ言葉は、私見ですが
「安ぼったい」「安価」「安直」「安上がり」「安売り」「安請け合い」「安月給」「安材料」「安っぽい」「安普請」「安物」「安宿」
の12個だけです(安という字が固有名詞に使用されている事も大きいと思いますが、そもそもその固有名詞も「この地、安かれ」と良い意味で使用されていたのだと想像しております)。

>どういう経緯なのかはわかりませんが、一つの漢字に一つの意味しかないと思い込むよりは、複数の意味があることに興味を持つ方が、コミュニケーションが楽しくなると思います。
そうですね。その経緯を知りたいのでもどかしいのですが、語意にギャップがあった方がやはり楽しいですね。

ちなみに「安易」という言葉は良い意味なのか悪い意味なのか考えあぐねております。

これも余談ですが「安プリ」「安ぴか」なんて言葉もGoo辞書に登録されていました。これこそ「安い」言葉ですね。

お礼日時:2007/12/23 02:53

つまるところ


あなたは「安」という漢字を問題にしましたがそのほかにも同じようなことがいっぱいあるということではないでしょうか。
同じ漢字がかなり離れた意味の言葉に使われていることは思いの外多いということです。でもよく考えてみれば納得できることのはずです。
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この回答へのお礼

私の質問は広義にはそのように捉えられたかもしれません。
勿論、何故元来ある意味から違う意味へ派生するのか、という普遍的な法則や種種の事例をこのQ&Aで見出せれば嬉しいのですが、まずはそのゴール地点へ向かう為に、一番最初のとっかかりとして「安」の問題を解きたいのです。

「安」の他にも異意な漢字があるだろう事は重々承知しております。

>でもよく考えてみれば納得できることのはずです。
言葉が何故だか分からないけれども変化するのだなあ、という一般的な”事象”については私は納得は行くのですが、どのようなメカニズムを経て、言葉が変化するのかが具体的によく分からなかったので質問した次第です。

お礼日時:2007/12/23 02:18

「安」の字は見てのとおり屋根の下、つまり家の中に女がいる様子から、静にとどまる、やすらかの意味になったと解釈されています。

ですから

・気持ちが落ち着く、安らかになる。

これが本来の意味です。「値段が安い、容易」という意味は日本独自のもので、「やすし」という言葉がもとは「安らかだ、おだやか、心配がない」という意味だったものが後に「値段が低い、容易だ」という意味を持つようになり、漢字も同じ意味を持つようになったようです。

「やすし」という日本語の意味の変化や拡張の結果です。
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この回答へのお礼

うむー、何故「安い」へ変化したんでしょうね。

回答ありがとうございます。

お礼日時:2007/12/23 02:10

「安」という漢字の意味は


“やすらかな”、“やすらぐ”、“やすんずる”
です。

「値段が安い」という表記は、日本語の“やすい”にそのような意味があるので、同じ「やすい」という読みのある「安」の字を当てたのです。

もちろん、日本語の「やすい」に“やすらか”と“値段がやすい”の両方の意味があるのはなぜかという問題は残ります。
また「おやすい御用」の場合は“容易”の意味なので、「お易い御用」と書くことも考えられますが、「お安い御用」も一般に用いられます。

いずれにしても、日本語の「やすい」の意味の分化を考察することと「安」という漢字の意味を考察することとは、区別しなければなりません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
「安らぐ」の方が原義だったのですね。
値段が「安い」というのは派生、当て字だったと。

普段スーパーのチラシなどを見ていると、
値段が「安い」の方が安の字の第一義のように思えてきます。

お礼日時:2007/12/23 02:08

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