

よく望遠鏡のカタログを見ると、大口径の短焦点屈折式鏡筒(F値が小さいもの)は淡い星雲・星団を見るのに最適と書かれています。また低倍率広視野角で最適とも書かれています。大口径だと集光力が増して、淡い星雲・星団を見るのに最適なのは理解できるんですが、なぜ短焦点だと適するんですか?なんか長焦点の鏡筒でもそれなりに口径が大きければ、集光力は増して短焦点と同じくらいだと思えて仕方ないんです。
例えば、長焦点の鏡筒と短焦点の鏡筒と較べた場合、仮に同じ口径で、同じ焦点距離の接眼レンズを使用した場合、長焦点のが高倍率になる・・・これは計算上わかるんですが、接眼レンズを変えることにより、長焦点鏡筒と短焦点鏡筒を同じ倍率にした場合、高倍率ではどちらが適しているとか、低倍率ではどちらが適しているとかあるんですか?
(例)
長焦点鏡筒(口径100mm)・・・焦点距離900mm+接眼レンズ6mm使用
短焦点鏡筒(口径100mm)・・・焦点距離500mm+接眼レンズ3.5mm使用
例の様に接眼レンズを使用すると共に倍率は140倍~150倍となると思うんですが、この様に共に高倍率にした場合、鏡筒の焦点距離及びF値の違いによる見え方の特性の違いを教えて頂きたく思います。
また、対照的に接眼レンズの焦点距離を長くして、低倍率で見ようとした時に異なる接眼レンズの焦点距離を使用して同じ倍率にした場合の見え方の特性も教えて頂きたいです。
世の中には大口径(140mmや150mmの口径)の屈折式鏡筒が売られていますが、いずれも焦点距離は短く、F値は6以下です。この様な鏡筒は低倍率での星雲・星団に適しているとありますが、高倍率での惑星観察は不向きなのでしょうか?例えば、口径100mm程度でも長焦点の鏡筒の方が高倍率での月面,惑星観察は適しているのでしょうか?
そこの辺りがよくわかりません>-<
F値9,F値7.7,F値5とか、いろいろな値がありますが、高倍率での月面,惑星観察も低倍率での銀河系観察でも、OKなんていう、調子のいい鏡筒なんてないものなのでしょうか?
素人なもので、文面に意味不明、大きな勘違いがあったら申し訳ありません。
誰かご回答よろしくお願いします。

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>よく望遠鏡のカタログを見ると、大口径の短焦点屈折式鏡筒(F値が小さいもの)は淡い星雲・星団を見るのに最適と書かれています。
また低倍率広視野角で最適とも書かれています。大口径の利点はおっしゃるとおりなのですが、
低倍率広視野が淡い星雲・星団を見るのに最適である理由をお話します。
星雲・星団や惑星など倍率を上げると大きく見えるようになる天体の明るさは、対物レンズの口径だけでなく倍率も関係し、倍率を上げると暗くなります(恒星は倍率を上げても大きく見えてきません)。
なぜなら、対物レンズで集めた限られた量の光を使うので、倍率を上げて像を大きくすると像の単位面積あたりの光量が減るので暗くなります。
ですから星雲のような淡い天体を見るには低倍率のほうがよいのです。
それと、低倍率ですと実視野も広くなるので、もともと見かけの大きさが大きい星雲星団向きなのです。
その低倍率を得るには短焦点の対物レンズのほうが有利なのです。
長焦点で低倍率を得るには接眼レンズも長焦点にすればいいのですが、長焦点の接眼レンズは作りにくく大きくて高価なものになりやすいのです。
余談ですが、一般には高い倍率が出せる望遠鏡のほうが高性能だと思われがちですが実際には逆で、より低い倍率が出せるもののほうが高級品でしょう。
もうすこし細かい話をしますと、天体望遠鏡や双眼鏡で最も明るく見たければ、その望遠鏡の射出瞳の直径が7ミリになるような倍率にします(7ミリというのは暗闇で人の瞳が最も開いたときの大きさで、そのときの倍率がその望遠鏡の最低倍率です)。
一方、望遠鏡の倍率は対物レンズの口径を射出瞳の直径で割っても求められます。
質問者さんが例に挙げている口径100ミリですと、最も明るく見るための倍率は100/7で約14倍です。
この倍率を出すには、短焦点の500ミリですと約36ミリ、長焦点の900ミリですと約64ミリの接眼レンズが必要になります。
36ミリでもかなりの長焦点接眼レンズですが、64ミリともなると作られているかどうかわからないくらいの長さです。
なお、月や惑星のような明るい天体の場合は、倍率を上げても暗くなって見にくいということはほとんど無いので、細部観察のための高倍率を得やすい長焦点の対物レンズのほうが有利でしょう。
射出瞳についての説明はサイトの検索で調べてみてください。
望遠鏡を明るいほうへ向け、接眼レンズからずっと目を離してレンズの真ん中を見たときに見える丸く光ったものが射出瞳です。
windermereさん、確か以前にも別の質問でご回答頂きました。
度々、本当にありがとうございます。
昨夜も夜空を観望しに、足を運んでいまして、お礼が遅れ大変申し訳ありませんです。
星雲・星団は淡い→大口径にして、集光力を増やす。倍率を上げすぎると、天体が暗くなってしまうので、なるべく低倍率で見るのが望ましい。
星雲・星団は広い→低倍率にして広視野角で見るのが良い。
この結果から、大口径短焦点屈折鏡筒は、大口径で集光力があり、尚且つ短焦点の為、接眼レンズにより低倍率に出来やすい。
と、いう事で、大口径短焦点屈折鏡筒は、星雲・星団向きということなんですね。よくわかりました。ありがとうございます。
射出瞳については、すみません、ちょっと自分にはまだまだ勉強不足で、いまいちピンとこなかったのですが、とにかく望遠鏡には最低倍率というのもあって、その数値も暗い広がりを持つ天体を見るのには、大事な数値だということが、わかりました。
より低い倍率を出せる望遠鏡のが、むしろ高級品だとは、思ってもいなかったです。
また、月,惑星といった天体は明るいので(倍率を上げてもあまり暗くならない)、高倍率の望遠鏡のが適しているとのこと。
今後も参考にさせて頂きます。
まだまだ、これ以外にも、わからない事だらけなので、今後共、また質問見たら、ご回答の程、よろしくお願い致します。
No.3
- 回答日時:
NO.2さんの回答に補足します。
明るさについてはNO.2さんのおっしゃるとおりです。
f値の小さなレンズは色収差という色のずれが出やすくなります。青い光と赤い光は屈折率が違うのでこのずれが起こりやすくなります。
具体的な見え方としては、光源のまわりに青や赤の色にじみが見えやすくなります。
おっしゃるように、f値の低い望遠鏡でも接眼レンズの焦点距離が短いものを選べば高倍率になりますが、収差のため小さな惑星などは見にくくなります。
この弱点を補うために、f値の小さな屈折望遠鏡にはEDレンズなどの高品位レンズを使用した高価な屈折望遠鏡が多いのです。
ちなみに反射望遠鏡の場合は、収差はありません。
ご回答ありがとうございます。
「大口径短焦点屈折鏡筒が、なぜ、星雲・星団向きなのか?」についての疑問はNO1,NO2のご回答により、なんとか晴れました。
では、「大口径短焦点屈折鏡筒でも、接眼レンズにより、いくらでも倍率を上げれるのでは?」「大口径というだけで、高倍率にすれば、むしろよく見えるのでは?」という素朴な疑問にお答え頂きありがとうございます。
結果として、いくら大口径でも、短焦点屈折鏡筒で、ただやみくもに接眼レンズの焦点距離を短くし、高倍率を求めすぎても、今度は色収差という問題が出てくるという事なんですね。
色収差については、当方、勉強不足で、どの程度、不快に思えるものなのか?ちょっとわからないのですが、とにかく短焦点屈折鏡筒の高倍率化による惑星などの観察は見にくくなるということ。
それを克服させたのが、高価なアポクロマートレンズという事なんですね。
結局、惑星を高倍率で詳細に見たい!淡い星雲・星団を低倍率で迫力ある全体を見たい!どちらも兼ね備えた都合の良い望遠鏡はないんですね。
なんとなく自分は、月面,惑星はとにかくストレスなく綺麗に見たい。星雲・星団・銀河系はとりあえず全ての像は見えなくても、有名なものは、ある程度の雰囲気を味わいたいかな?って、感じなんで、100mm程度のアポクロマートレンズ採用の鏡筒で、好みの接眼レンズを用意するといった感じがいいのかなって、思えてきました。
ステップアップの望遠鏡の参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
簡単に言うと。
手で輪っかを作ってごらん。
それを近くから覗くのと、遠くから覗くのとでは、どのように見える?
倍率はそこに見える物を大きくするだけだから。
近くから見たとき、多くの物が見える。遠くからだとそれより少ない。
星雲や星団は面ですから、広がっています。だから短いのが適している。
口径が大きいのは集める光の量を増やせますから。
天文台の望遠鏡には、大きい物から小さい物からいろんなものがひっついていたりしてますよ。
とても理解しやすいご回答ありがとうございます。
実際、書かれた様にやってみました。
見える視野が全然違うもんなんですね。
短焦点の鏡筒がなぜ低倍率広視野角にして星雲・星団向きなのか、なんとなくわかりました。それでよく、大口径短焦点の鏡筒には、焦点距離の長い接眼レンズがオプションで特記されていたりするんですね。
比較的、焦点距離の長い接眼レンズ(32mmなど)を使用することによって、低倍率にし、尚且つ、広角で見て、より短焦点屈折鏡筒の良さを引き出そうとしているって事なんですね。
星雲・星団は、さらに淡く、広がりがあるから、大口径で集光力を増やし、暗い星も見える様にし、且つ、低倍率広視野角で、全体を見るということなんですね。
ご回答ありがとうございました。
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