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水理学や流体力学などで数値計算をすることがあるかと思いますが、その際境界条件を指定して流れ場を決めるかと思います。
その境界条件についてわからないことがあります。

「開境界(自由透過境界)」というものが出てきたのですが、これって要は何なんでしょうか?
調べてみると、「現実には存在しない架空の境界で波が反射せず、そのまま透過できるように工夫した境界条件」とのことですが・・

あと、その開境界に関連があるのかよくわかりませんが、「放射境界」という言葉が出てきました。
これについても、なんだかよくわかりません。

詳しい方、ご教授の程宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

 例としては、だだっ広い海洋のど真ん中におかれた海洋構造物と、海との相互作用を計算する時とかに出てきます。

このとき、海は無限に広いと考えます(これも近似ですけど)。ところがそうすると、#1さんも仰っているように、無限に広い解析領域を相手にする事になり、計算機は、無限に広い解析領域を扱えません。
 そこでまた考えます。構造物が起こした波は、構造物から発して散逸して行き、海は無限に広いから、どこかで反射して返って来る事はない。よって有限領域で計算した場合でも、境界で波の反射が起こらないで、波が透過するようにすれば良い。これが透過境界(開境界)です。
 代表的なやり方は三つあります。

(1)上流差分
 構造物を上流とします。波は下流にしか行かないと考えて、開境界付近の流れ方は、上流方向から行った差分だけによって決まると仮定する。

(2)放射条件
 これも、波は境界から出て行く方向にしか走らない、という強制力を持つ境界条件を与えます。オマーンの放射条件とか、色々あるようです。放射条件を課した境界を、放射境界と言うこともあります。

(3)複数の手法を組み合わせる
 開境界までは有限要素法,開境界から先は、未定定数を持つ級数解で扱うなどです(級数解なら無限遠も表現できます)。

 で、(1)や(2)で「現実の波は、本当に逆流しないのか?」と問われれば、微妙なところです。だから開境界も実際には、近似なんですよ。理屈の上では(3)は、そうなりませんが、数値計算の宿命で、モデルは現実より常に硬くなるので、少しだけ反射が起きます。
 かなり古い造船学会論文集で(たしか1990代)、開境界の特集とレビューがあったはずです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

ここまでわかりやすい解説は見たことがなく、とても助かりました。
まあ、私があまりにゆとり気質なだけなのですが・・。

お二人ともありがとうございました。

お礼日時:2008/05/05 03:15

計算は無限に広い空間を扱えないので、有限の空間しか解けません。


その中で、仮想的に無限に広い空間を扱うために発明されたものです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

なるほど・・なんとなくわかりました。
こういうのって結局は感覚的に悟るしかないんですかね・・。

お礼日時:2008/05/05 02:59

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