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古文の形容詞には、補助活用として「カリ活用」があるかと思います。

このカリ活用は、助動詞を接続するためにできたようですが、カリ活用には終止形(と已然形)がありません。終止形(と已然形)接続の助動詞に対しては、どうなるのでしょうか。

A 回答 (4件)

 文語(古語)の基本的な(=高校の古典で普通に学習するようなという意味でです。

特殊な助動詞があるのかも知れませんが。)助動詞で、終止形接続のものは「らむ・らし・めり・べし・まじ・なり」の6つ(「べし」から派生した「べらなり」も含めれば7つ)ですが、これらはラ変型活用の語には連体形に付きます。
 ご存じのように形容詞のカリ活用は、形容詞の連用形活用語尾の「く」もしくは「しく」にラ変動詞「あり」が付いてできたものですから、上述の6つの助動詞は形容詞のカリ活用の連体形に付きます。(たとえば「長かり・べし」ではなく「長かる・べし」)

 同じく已然形接続の助動詞は、かつては完了の「り」が該当しましたが、現在では命令形接続とする説が優勢のように思います。したがって、已然形接続の助動詞は存在しないということも可能です。
 また、仮に「り」が已然形接続だとしても、これは四段活用の動詞の場合に限られ(サ変動詞には未然形接続、その他の活用の動詞には付きません)ていて、形容詞には付きません。

 したがって、カリ活用の終止形は必要ないので、存在しないということになると思います。

 なお、「多し」は例外的に、終止形の「多かり」・已然形の「多かれ」が文末(通常の文末や「こそ」の結び)に用いられることがあります。

「いと聞きにくきこと多かり」(源氏物語・帚木)
「ここもとに、『侍り』などいふ文字をあらせばやと聞くこそ多かれ。」(枕草子「文ことばなめき人こそ」)

この回答への補足

下の「お礼」の文章で、
「多かれ」とあるのは、「多かり」の誤りでした。

補足日時:2008/05/16 00:35
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

そうか、終止形接続の助動詞でも、ラ変型には連体形接続でしたものね。已然形接続は、四段動詞の場合なのに気づけたので、質問文では( )にしていたのですが(笑)、調べるときのツメがあまかったです。

最後はやはり?結果として終止形と已然形は、使われることがないから、に落ち着きましたか。納得!

「多し」についても、辞書で「多かれ」で引くと、ちゃんと説明が出ておりました。勉強になりました。

お礼日時:2008/05/16 00:19

つづきです。



「「たり」「なり」とは、助動詞を指していらっしゃるのですか?完了、伝聞・推定、断定?」
★たりは完了、なりは断定です。

終止形接続の有無についてはわたしのうっかりミスです。
申し訳ありません。
ただし
「らむ」、「べし」、「らし」、「めり」、「まじ」、
の前にたとえば「なり」が接合する場合、
なるらむ、なるべし、・・・であり、終止形ではなく連体形ですよ。
カリ活用の変化は「なり」と同パターンなので、それらに接合するのは
連体形です。「青かり」なら青かるらん、青かるべしです。

カリ活用の終止形は「かり」已然形は「かれ」です。
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この回答へのお礼

>カリ活用の変化は「なり」と同パターン
いわゆる、「ラ変型は連体形に接続」のことを指していらっしゃったんですね。わかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/18 08:03

こんにちは。

この後のご質問に先に回答していますので、そちらもご参照下さい。

ご質問1:
<カリ活用には終止形(と已然形)がありません。>

えっ?ありますよ。

1.終止形は「かり」、已然形は「かれ」になります。

2.カリ活用は、もともとは「べし」「まじ」「ごとし」などの助動詞がシク活用をするため、「シク」+「あり」が変化して「かり」となったものです。

3.連用形と連体形の「カリ」「カル」は奈良時代から使われていましたが、終止形はおもに平安時代のみ、已然形は平安時代~鎌倉時代にかけて使われていました。


ご質問2:
<終止形(と已然形)接続の助動詞に対しては、どうなるのでしょうか>

1.形容詞の終止形が接続する助動詞はありません。終止形に見えても連体形だったりします。

2.確かに、助動詞には活用動詞の「終止形」に接続する助動詞があります。しかし、これらの助動詞は「動作」について言及されており、状態を表す形容詞には不適切なのです。
例:
(1)なり(伝聞の助動詞):
「千鳥鳴くなり」=「鳴き声が聞えてくる」

(2)めり(婉曲の助動詞):
「秋も往ぬなり」=「秋も去ってしまったようだ」

3.カリ活用の已然形は、已然形接続をする助詞に接続することがあり、ク・シク活用の「けれ」と同義で用いられます。
例:
嬉しかれど=嬉しけれど
若かれば=若ければ

以上ご参考までに。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

カリ活用の終止形、已然形の扱いについて、よくわかりました。
已然形接続をする助詞に接続する場合にも、カリ活用が登場することがあるんですね。

お礼日時:2008/05/16 00:44

「カリ活用は、助動詞を接続するためにできた」


のではありません。「たり」「なり」と同様の活用パターンの
形容詞バージョンです。したがって
「終止形(と已然形)がありません」ではなく、
「たり」「なり」と同パターンの終止形と已然形があります。
また、
「終止形接続の助動詞」は存在しません。
終止形は何にも接続しません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。そして、意外な回答内容に、驚いております。

「たり」「なり」とは、助動詞を指していらっしゃるのですか?完了、伝聞・推定、断定?

>「終止形接続の助動詞」は存在しません。
「らむ」、「べし」、「らし」、「めり」、「まじ」、「なり」などがあるかと思うのですが・・・ま、ラ変型活用語には連体形接続という条件がありますが。

>終止形は何にも接続しません。
助詞「とも」「な」などもありますが。引用文の最後の場合は、終止形でも、つづいて助詞「と」が続くことがあると思いますが。

ご回答いただいた内容については、初めて耳にする内容なのですが、そのような説明のある書籍など、紹介していただけると幸いです。

お礼日時:2008/05/16 00:35

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