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http://ja.wikipedia.org/wiki/X%E7%B7%9A%E5%9B%9E …

このページにも書かれていますが、
粉末X線回折は単結晶X線回折とは異なり、試料の結晶はいろいろな方向を向いているわけですが、
なぜそれで結晶構造の同定が可能なのでしょうか?

いろいろな方向を向いているのであれば、全て平均化されてしまうため、X線を照射する角度を変えたとしても、ブラッグの式、ラウエ条件(これって粉末X線回折には使わない用語なのでしょうか?)を満たす割合は変わらず、何も情報は得られないように思うのですが、
どういう原理になっているのでしょうか?

A 回答 (4件)

決して難しいことではありません。

X線は、ばらばらの方向をむいたサンプルがある面に向かって一方向から照射されます。Braggの反射条件2dsinθ=nλで、通常問題となるのはn=1ですから、反射条件は2dsinθ=λとなり、λとdが決まればsinθ=λ/2dでsinθは決まります。さらにθは面に対しての入射光の角度ですから0<θ<π/2を考えればよく、結局λとdが決まればθが一意的に決まることになります。
よってある面間隔dを持つ面は、丁度光源に対してθの角度を向いている場合のみ、光源から2θの方向へ反射された光を出します。そしてそこにPeakが出ます。そうでない方向に向いた面間隔dの面は強めあう反射光を出せません。
逆に光源から2φの方向に強めあうのがあったとすれば、それは2d'sinφ=λの関係がある面間隔d'の面の反射ということになります。dとかd'はサンプル結晶に固有の面間隔となっています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

λとdが決まればθが一意的に決まることになる、ということはもちろん分かるのですが、
その肝心のθが一つの同じ試料表面の中でもいろいろな方向を向いた試料なので反射光は出ないのではないのでしょうか?

全く分かりません・・・。

お礼日時:2009/05/24 01:28

いろいろな方向を向いた微結晶(粉末)のうち、ブラッグの条件を満たしたものがあれば、反射が出ます。


その反射が「全て平均化」されるのではなく、全てが足しあわされて出てきます。

単結晶の場合、X線の照射角度を変えるのではなく、結晶を動かして(角度を変えて)データをとりますよね?

粉末の場合、結晶を動かす代わりにランダムな方向を向いた沢山の微結晶(粉末)を用いていると思ってください。
そのため、結晶を動かす必要も無いということになります。
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>その肝心のθが一つの同じ試料表面の中でもいろいろな方向を向


>いた試料なので反射光は出ないのではないのでしょうか?

ある面間隔dの面にX線を0<θ<π/2の範囲で角度をずらしてあてていったとします。丁度θの角度になった時だけ入射光に対して2θ方向に強いX線反射光が行きます。その他の場合はいかなる方向にもX線の回折線は行きません。

面間隔dを持つものが、いろいろな方向を向いているものが沢山あるから入射X線に対して丁度θの角度を向いているものもあるのです。その反射が観測にかかります。その他のものは違う角度で入射したので強度を強め合うことはありません。

すべて平均的にX線が来るということは任意の角度2φの方向にX線が来る可能性がある、と考えることです。しかし(同じことの繰り返しになりますが、)面間隔d'の面がX線の入射方向に対して2d'sinφ=λに従うφだけ丁度傾いている結晶がないとそこに来る光がないのです。
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No1, No.3です。


もうすこし簡略なImageを思いつきました。面に対して斜め45°から来た光だけを、反対側にむけて面に対して45°で反射する(元の光の方向に対しては90°曲がる)鏡を考えます。その他の方向からの光は素通しとします。この小さい鏡が無数にあったとして、これを鏡いろいろな角度になるようにして平面上にばら撒いたとします。この平面に対して真上から光をあてたとします。そうすると光の光路に対して丁度45°に傾いている鏡だけが反射をして光路としては90°曲がった方向だけに光が行きますよね。
その他の鏡もそれぞれ丁度入射角がθ°になったところでしか反射をしないものだとすれば、それぞれ固有の方向にしか反射光は行きませんよね。
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