
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「いつごろから」というのは、なかなか難問ですね。
『日本民俗大辞典』(吉川弘文館)で調べてみましたが、「いつごろから」については書いてなかったです。
私なりに「いつごろから」を推測してみました。
双子を忌む理由としては次の三つがあるようです。
1.高貴な層における双子は世継ぎ問題に直結する。
2.ヒトは子を一人だけ産むものだという考えが「常識」であった。そこで、双子を異常な誕生としてその霊力を恐れた。地域によっては「畜生腹」と蔑称で呼んだ。
3.男女の双子は心中者の生まれかわり。
三つの内の、どの理由かによって、「いつごろから」は異なると思います。
例えば、上記3の心中者の生まれかわりが理由であれば、近松の「心中もの」の影響があると思いますから、「江戸時代の18世紀以降から」ということになるのではないでしょうか。
江戸時代、心中は大罪で、心底忌まわしきものと世間は認識していましたから。
しかし、上記1や2の理由であれば、もっと早い時期からでしょう。
例えば、双子であったかも知れない結城秀康(徳川家康次男)と永見貞愛(知立神社神職)の例をみれば、すでに戦国時代には、双子を忌むという習俗が生まれていたと考えることができますが、戦国時代から始まったとは言えないと思います。
双子を忌む理由が将来の世継ぎ問題であるとすれば、公家や有力武将の間には戦国時代よりもっと前からこの習俗があったかも知れません。
では、「もっと前から」とはいつごろか、ということになります。
そこで、「忌む」という強烈な思いは、やはり佛教の六道輪廻の「畜生道」の観念からきていると推定したのですが…。
「畜生道」という言葉は、14世紀前に成立した『源平盛衰記』に出てきますが、この言葉が使われていたとしても、「畜生腹」に即つながるわけではありませんし…。
ところが、仏教には、「畜生にも菩提心」という教えがありますね。
また、佛教とは無関係だと思いますが、一方では「犬畜生」と言いながら、戌の日に腹帯を巻くという習俗も古くからありますね。
結局、「いつごろから」を推定するのは、私には難題でお手上げです。
どなたか詳しい方の回答を待っています。
なお、『日本民俗大辞典』に、ご参考になるような記述がありました。 次の2点です。
1.近世の文献資料には双子や四つ子を忌みながら三つ子の誕生をめでたいといって手当てを与えたという記事がある。
2.男女の双子は心中の生まれかわりなどといって忌まれた。しかし、三重、福岡、宮崎、鹿児島などから男女の双子を夫婦子(ミョウトゴ)と呼んで喜ぶという報告もある。
1に関連しては、仙台藩では、明和2(1765)年からは、双子を生んだ母親に米五石、三つ子の場合は七石五斗を与えることを決めています。
仙台・観心院年子
http://www.mni.ne.jp/~t.iwata/miyagi/miyagi02.html
参考URLは東京女子医科大のもので、現代にも双子を忌むという民間伝承が
続いていることを調査しています。
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/bitstream/10470/8808 …
ムカデと毘沙門天の質問に回答くださったgoo-par1732さんですね!
たびたびありがとうございます!
わざわざ調べて下さったとのこと、恐縮でございます~。
>1. 高貴な層における双子は世継ぎ問題に直結する。
>2. ヒトは子を一人だけ産むものだという考えが「常識」であった。そこで、双子を異常な誕生としてその霊力を恐れた。地域によっては「畜生腹」と蔑称で呼んだ。
>3. 男女の双子は心中者の生まれかわり。
>三つの内の、どの理由かによって、「いつごろから」は異なると思います。
うーむ、さすがに明晰な考え方ですね。
参考になります。
>仏教には、「畜生にも菩提心」という教えがありますね。
なるほど、仏教では六道のひとつに畜生道があるなどという考え方もあり
そこから生じた信仰だとも考えられますね。
とすると、相当古そうですね。
六道という考え方がいつ日本に伝わったのかわかりませんが
平安時代にはあったんじゃないでしょうか?
(まちがってたら御指摘をお願いします。)
双子はおめでたいものだとする信仰もあったのですね。
pokoperopoさん、胸をはりましょう♪
東京女子医科大の資料、読みたいのですが
私は英語はまったくダメでして・・・
本当にいろいろありがとうございます。
大変参考になりました!
No.3
- 回答日時:
民俗学に詳しい訳ではないのですが、質問の前提
「日本では双子がかつて忌まわしいものとされていた」
というのは、例えば何かの本に書いてあるのですか?
書いてあるとすれば、その本の例を教えて下さい。
何故かと言うと、私の歴史知識ではそういう話は記憶にないもので。
歴史上の著名人で、双子の片割れと言う例を聞いたことがないのは確かにその通りですが、それには合理的理由が考えられます。
今のように産婦人科医療が発達している時代ならいざ知らず、自然分娩しか出来なかった時代、母親が双子を無事に産み、生まれた双子が無事に育つことの方が珍しかったと思われるからです。
はっきりしたことは申せませんが、双子を懐胎した妊婦のほとんどは
「母子とも死亡」
になったのではないでしょうか。江戸時代、いや戦前でも、産婆の仕事は
「妊婦が自然分娩するのを助けること」
のみでした。医科大学で産科学を修めた医師であっても、妊婦や新生児に出来ることは今よりずっと限られました。
以前、「産科での受け入れ拒否」という、一見この質問とは関係なさそうな質問がありました。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4525284.html
No6で私が回答しておりますが、
「『周産期死亡率』が、既に医療技術が相当に発達していた1975年(昭和50年)を基準にしても
1975年 出生1000あたり 16.0
2005年 同上 3.3
と目覚しく低下しているわけです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E7%94%A3% … 」
という事実があります。
実際のデータを示すことは出来ませんが、江戸時代の日本の周産期死亡率は、同じように計算したら
「出生1000あたり200」
といったものだったのではないでしょうか。
そして、双子を懐胎する確率は現在と基本的に同じだったと思われますが、そうした「不幸な妊婦と胎児」は、多くが「200」の方に入ってしまったと思われます。
「双子が忌まわしいものとされた」というより「ウチの嫁は双子なんか孕まなければ無事だったのに」という発想が、
「双子を孕んで嫁が死んでしまうのは、因果応報によるものだ」
とか
「あの家は先祖が悪いことしたから (悪どい商売をしているから) 嫁が双子を孕んで死んだんだろ」
とかいう発想になったのではないでしょうか?
以上、推測ばかりで申し訳ありませんが
「かつて双子は畜生腹として忌まれていた」
という質問者さんの前提そのものを見直す必要はないでしょうか?
せっかく回答くださったのに返事が遅くなって申し訳ありません。
>というのは、例えば何かの本に書いてあるのですか?
書いてあるとすれば、その本の例を教えて下さい。
本を読んだわけではないのですが
このサイトを読んでそういった俗信があったことを知りました。
「双子」「歴史」などのキーワードをいれて検索するとたくさんでてきます。
>双子を懐胎した妊婦のほとんどは
「母子とも死亡」
になったのではないでしょうか。
たしかに、今に比べてかなり珍しい存在であったと思います。
それゆえ双子に対する俗信が生じたという側面もあるのではないかと思います。
記紀神話や聖書などにも双子と思われる人物の記述があるのですよ。
ですから、相当珍しかったとはいえ、存在していたと私は思うのです。
また双子が存在していなかったとしたら「畜生腹」という言葉はどこから生じたのか、という疑問も生じます。
外国の俗信が伝わってそんな言葉だけ生じたと考えられなくもないですが。
>「双子が忌まわしいものとされた」というより「ウチの嫁は双子なんか孕まなければ無事だったのに」という発想が、
「双子を孕んで嫁が死んでしまうのは、因果応報によるものだ」
とか
「あの家は先祖が悪いことしたから (悪どい商売をしているから) 嫁が双子を孕んで死んだんだろ」
とかいう発想になったのではないでしょうか?
俗信というのはいろいろな考え方や感情が重なって生じたものだと思いますが、そういう一面もあると思います。
参考になりました。ありがとうございます♪
No.2
- 回答日時:
#1です。
早速のご返礼をいただきありがとうございます。ご質問の趣旨は理解しております。純粋に歴史的な探究をされていることも承知しております。過去にも似た質問があり、それを読んだり、他を調べても、いつから双子が忌まれたのかは、まるでわからなかったのです。
しかし、私自身が双子ですので、他人事とも思えずに、詳しいことはわからないくせに、ご質問に回答をしてしまいました。もし、ご迷惑でしたらお詫び申し上げます。ご質問文には、誤解を招くような記述がないことをお伝えしたくて、再度の回答をした次第です。とんだ失礼をいたしました。
再度の回答をありがとうございます。
そういうことでしたか。
てっきり私の質問で嫌な思いをさせてしまったのかと思いました。
そうでなかったのなら、よかったです。
確かに、双子さんならよけいに双子の歴史を知りたいですよね。
>過去にも似た質問があり、それを読んだり、他を調べても、いつから双子が忌まれたのかは、まるでわからなかったのです。
そうなんですよね。だから推測するしかないと思うのですが
どなたか私たちのためにヒント下さらないでしょうか~。
>ご迷惑でしたらお詫び申し上げます。
いや、いや、そんなことないですよ。
回答くださって嬉しいです♪
No.1
- 回答日時:
私自身が双子です。
昔は畜生腹などと忌んだようですね。もちろん、私はそんなふうには言われませんでした。価値観が変わったのはいつ頃かは、詳しくはわかりません。おそらく、明治中期くらいまでは、予定外に二人も生まれると食うに困ったのでしょう。所詮、跡継ぎは一人ですから。
現在においても実際には、双子が歓迎されるのかは、私が尋ねたいくらいです。回答になっていなくて申し訳ありません。
回答ありがとうございます。
質問の仕方に少し配慮が足りなかったでしょうか。
申し訳ありません。
私の従兄弟にも双子がいて、二人ともかわいくて
私は双子が大好きです。
双子のまなかなちゃんとか、ピーナッツ(古い?)とかも大好きです。
だって同じ声ではもれるんですから。
この質問をたてたのは純粋な歴史的興味からです。
価値観が変ったのはpokoperopoさんがおっしゃるとおりだと思います。
昭和天皇の妹君が双子だという噂もありますし。
私が知りたいのは、いつから双子が忌まれるようになったのか、です。
ある人は戦国時代からだと言います。
またある人は奈良時代には双子を忌むということはなかった、
なぜならば記紀神話に双子の神が登場するから、と言います。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 夫婦 義父(夫の父)の納骨 行くべき? 7 2023/05/08 06:46
- 法事・お盆 浄土真宗本願寺派のいくつかのお寺の法事に出ることがあります。三回忌とか七回忌とかなんですけど、お寺に 3 2023/04/19 21:07
- 妊娠 もしかして双子なのかな…? 1 2022/09/19 14:32
- 妊活 疑陽性 1 2022/03/25 04:16
- 妊娠 はじめまして。 2児の母です。この度第3子を授かり 病院にいきました。 エコーを撮ったんですがこのよ 1 2022/07/15 07:00
- 子育て 未婚の娘が妊娠。周りが困惑し何とか説得したい 7 2023/06/19 12:17
- 会社・職場 忌引きで5日間会社を休みました。忌明けに出勤した際、茶菓子を持参しようと思っています。派遣社員とはい 2 2022/06/19 17:05
- 友達・仲間 双子の扱い 5 2023/07/07 15:37
- 憲法・法令通則 双子の出生順 1 2023/02/25 06:03
- その他(悩み相談・人生相談) 年少の担任をしています。 21人のクラスなのですが、双子の女の子がいます。 何をするにも双子で同じこ 1 2022/07/13 21:19
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
おすすめ情報
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
56歳独身男性です。 オナニーが...
-
「1に何々、2に何々、34が無く...
-
「づつ」と「ずつ」はどちらの...
-
五十音で「やゆよ」と「わをん...
-
「わいうえを」とか「やいゆえ...
-
忍者などが口に装着する布の正...
-
昔の川下り船
-
日本は戦前は赤犬を食べていた...
-
歴史的仮名遣いでの小文字表記...
-
平安時代の寝殿造り.....冬はど...
-
中国人の脚の長さ が、気になり...
-
徳川本家、御三家の家紋に違い...
-
古代ギリシャ語と現代ギリシャ...
-
どうして家康は内府と呼ばれて...
-
歴史的仮名遣いの「む」
-
「いずれか」と「いづれか」ど...
-
2ちゃんねるの遣唐使のコピペ
-
「画」の旧字体は「畫」ですか...
-
古代エジプトを描いた映画では...
-
尼さんがかぶっている白い布は...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
2ちゃんねるの遣唐使のコピペ
-
56歳独身男性です。 オナニーが...
-
課題の反対語
-
「づつ」と「ずつ」はどちらの...
-
歴史的仮名遣いでの小文字表記...
-
「いずれか」と「いづれか」ど...
-
「わいうえを」とか「やいゆえ...
-
行って見たい、は正しいですか?
-
昔の武士の男の子の、○丸という...
-
中国人の脚の長さ が、気になり...
-
夜着に使っていた白い着物の名称
-
歴史的仮名遣いの「む」
-
平安時代の寝殿造り.....冬はど...
-
「画」の旧字体は「畫」ですか...
-
人名で「かほり」で「かおり」...
-
「幼少」ということば
-
古代ギリシャ語と現代ギリシャ...
-
漢字の読み方について
-
概論、概説
-
睾丸を利用した拷問
おすすめ情報