No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんわ。
私の解説をお読みいただきありがとうございます。
>>ふと思ったのですが、男女の人口比も江戸後期になるにつれて男子とほとんど変わらなくなったと本で読んだことがあります。
その時期でも、町娘の待遇や庶民の恋愛事情は変わらなかったものなのでしょうか。
まず、男女比率ですが、極端に女性だけが増えるはずはありません。
江戸では女の子だけしか生まれなかったのでしょうか???
また、周辺の田舎から出てくるとしても、男の仕事は山ほどありましたが、女性の仕事はほとんどありません。
女性の仕事としては、廓や飯盛り女(江戸四宿で許可された娼婦)、あとは、料亭などの仲居、お茶や生け花の師匠。三味線や唄の師匠、通いの家政婦等々と限られていましたので、周辺の田舎から江戸へ出てきても仕事はありませんから、田舎は田舎で嫁に行くしかありませんでした。
また、田舎を捨てて江戸へ流れ込んだとしても、人別帳に載らない「無宿者」でしたので、長屋を借りるにも身元保証人が必要でしたし、仕事をするにも保証人が必要でしたので、住むところもなければ、仕事にも就けませんでした。
従って、江戸時代後期に男女比率が同じに(近くに)なることはありませんでした。
これは、明治4年に戸籍(壬申戸籍)が作られましたが、それでも3:1で男が圧倒的でした。
また、再三言うようですが、「儒教の精神」でしたので、
「男女七歳にして席を同じゅうせず」
の精神です。金持ちや武家では「厳格」に守られました。
当事者同士が合意すれば結婚できたのは現代の話で、江戸時代は、両家の家柄や財産の釣り合いがとれていて、さらには、父親の許可が必要でした。
仲人を商売とする人も居ました。
「分一(ぶいち)」と呼ばれ、結納金の十分の一がもらえることからきています。
適齢期の息子や娘を物色して、縁談を持ち込む。年齢としては、男は40歳まで、女は20歳まででした。
「十分一(じゅうぶいち)取るにおろかな舌はなし」
と、狂歌にうたわれ、口先三寸のやり手でした。
お見合いは、主に、水茶屋や芝居見物などが利用されました。
しかも、これも商家がほとんどで、町人は相手にされませんでした。
では、町人は・・・と言うと、まあまあ、好き同士が一緒になることはありましたが、女性の数が少ないので、妻帯することは中々骨が折れました。
まあまあの性格で仕事振りも安定しているような男には、長屋の大家が仲人をしてくれるような場合もありましたが、それでも大変でした。
No.4
- 回答日時:
NO3.です。
数字の間違い。
>>それによると、市中では男45万人・女15万人。(老若男女を合わせて)計約50万人。
男35万人、女15万人。計50万人。
>>(2)前述のよううに、女15万人といいましたが、老人、子供、廓で働く者、芸者、商家の娘等々を入れての話ですから、町娘で若い結婚適齢期の女性は、約5万人位。男の適齢期の人数は約30~35万人。
女性5万人、男性20~25万人。
お詫びして訂正させていただきます。
この回答への補足
訂正ありがとうございます。
ふと思ったのですが、男女の人口比も江戸後期になるにつれて男子とほとんど変わらなくなったと本で読んだことがあります。
その時期でも、町娘の待遇や庶民の恋愛事情は変わらなかったものなのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私は、自称「歴史作家」です。
>>庶民の恋について教えてほしいです。特に町娘について。お願いします。
まずは、江戸の人口ですが、8代将軍吉宗の頃(享保年間・1716~)に江戸の人口調査が行われました。
それによると、市中では男45万人・女15万人。(老若男女を合わせて)計約50万人。
つまり、圧倒的に男子が多かった。そんな中での結婚は男にしてみれば、宝くじに当たったようなもの。
武士や武家は軍事上の機密から公表はされていませんでしたが、同じく約50万人位と言われ、江戸は、当時としては、100万人都市で、世界一の大都市でした。
さて、もう少し詳しくみていくと、
商家場合:
(1)NO1.の方の言われるように武家屋敷への奉公ですが、全員が奉公に出たわけではありません。
(2)江戸時代は「儒教」の精神が尊ばれていましたので、商家の場合には「許婚(いいなずけ)」が大部分でした。
(3)従って、商家の娘が町人である、例えば、「大工」などと一緒になることはありませんでした。
(4)また、現代のようにウインドショッピングなどのできる商店街もありませんでしたので、商家の娘は「箱入り娘」と呼ばれるように、街中を歩くことは、ほとんどありませんでした。
(5)たまに、小物でも欲しい、と言う時には、外出もありましたが、乳母や女中などのお供が付いていて、自由にどこでも歩いたりはできませんでした。
(6)では、着物や化粧品、櫛(くし)、簪(かんざし)などが欲しい・・・と言う場合は、それらを売っている商家へ丁稚が走り、商家からの出張販売でした。
町人の場合:
(1)これは、まあまあ、自由恋愛もありましたが、何せ女の少ない時代でしたから、おいそれと女を見つけることさえできませんでした。
(2)前述のよううに、女15万人といいましたが、老人、子供、廓で働く者、芸者、商家の娘等々を入れての話ですから、町娘で若い結婚適齢期の女性は、約5万人位。男の適齢期の人数は約30~35万人。う~ん、よほどの稼ぎが良いか、美男子でもない限り女から好かれることは「高値の花」。
(3)そして、街中でも、やはり「儒教の精神」から大概は「許婚制度」が尊ばれていましたから、現代の芸能人の石田○○のように、2度も3度も女を変えることはできませんでした。
(4)従って、男性の「ハケ口」として廓が繁盛した、と、いうわけです。
(エピソード)
紀伊国屋文左衛門(通称・紀文)(寛文9年1669?~享保19年1734、4月24日)は紀州湯浅(現:和歌山県有田郡湯浅町)の貧農の家に生まれました。やがて、18~19歳頃、そんな貧しさに見切りをつけて江戸へ出てきた紀文は、職を転々とするうちに、商人の娘「綾野」と知り合い、綾野の紹介で「松木屋」で働くようになりました。やがて、二人は恋に落ちましたが、使用人と商家の娘。主人が許すはずもなかったのですが、可愛い綾野の説得で、主人は紀文に、
「1,000両貸してやる。1年間で倍の2,000両にできたら、娘をくれてやる。もし、それができないなら、一生涯この店でただ働きをしてもらう」
と、条件を出しました。そこで、紀文は、江戸の庶民に何が欠けているかを真剣に情報収集をし、紀州では「二束三文」の「密柑(=みかん)」が江戸では結構な値段で売られていることに目をつけ、紀州で密柑を買い付け船で江戸へ運び、みごと、1年後には2,000両にを手にしました。そして、紀文が困った時、側面からアイディアを出して「賢妻」と呼ばれた綾野とめでたく夫婦になりました。
まあ、これなどは、例外中の例外でしょうね。
町娘の生活ぶりについて詳しく書いてくださり大変参考になりました。
身近なエピソードも書いてくださり、面白かったです。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
江戸は男の世界。年中工事現場みたいなものです。
この辺は田舎ものには分からない。
明治時代になって、政府の役人(田舎もの)が、江戸時代の文化を残そうと、江戸時代からの商家の旦那達を呼んで「子供の頃の江戸はどうでしたか?」と取材したのだが、誰も答えられなかった。なぜなら、みんな江戸出身じゃない。
田舎から丁稚で入って、二十年以上働き、番頭になったような人物に自分の娘を与えて事業を継承させる。これが商家の基本スタンス。
婚姻は、家産ができてから初めてできるもの。
男女比が崩れていて、家産がなければ家庭は持てない。
とはいえ、溢れる性欲は満たさないとならない。なので、その処理場が生まれます。ニーズがあるから。
きっと結婚できない男性も多かったことでしょうね。
世の男性のために女郎がつくられたり、何かと江戸は男性中心な世の中ですよね。
ありがとうございました。
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