No.1
- 回答日時:
BETを一点法でやる場合、P/P0=0.3(RH=30%)での吸着量を使うのが普通です。
多点法のBETの場合、BET式の直線性が成立するが成立するのがP/P0=0.3程度までですから、それ以下の相対圧のデータを使って計算します。多層吸着と毛細管凝縮に根拠をおいた細孔分布測定では一応全領域のデータが使用されます。この時、多くの場合高い相対圧(P/P0)では吸着と脱離がヒステリシスを持ちまして、細孔分布計算では脱離曲線を使うことが多いです。なお、細孔分布測定に基づいて形式的表面積を出せますが、それは円筒近似での円筒側面積ですから、実態を必ずしも反映していません。なおこうした測定は普通は液体窒素温度での窒素の吸着で行います。どのような装置を使うのか判りませんが、水の吸着ですと系内の他の部分へ吸着、凝縮に注意が必要です。また吸着平衡になるのに結構時間がかかることがあります。
No.2
- 回答日時:
質問文の意味がよくわかりませんが,
1点法で解析するときは,RH 30% くらいのところを使います.これはほとんど経験則です.30 ぴったりである必要はなく,そのあたりなら似たような結果を与えます.
それ以外の RH のデータは,そりゃ多点法で解析するのに使うんでしょう.というか,吸着現象の解析は,等温線の生の形を見ることに始まり,終わるんです.比表面積とか細孔径分布とかの計算結果だけを見ていてはだめです.
> 例えば相対湿度を10~80%の8ポイントで計測した場合に、測定後それぞれの比表面積及び細孔容積を表示したいと思います。
「それぞれの」というのは,比表面積が8通り出てくる(計測条件の違いによって),ってことですか? まったく無意味です.
細孔容積も,あくまでも細孔径分布があるところで,細孔径でどれだけ以下のものが,容積としてどれだけあるか,というのが出して始めて意味をなすので,「湿度ごと」に出しても,無意味です.
根本的に吸着の物理化学に対する理解が不足しています.落ち着いて,その手の教科書を読み直してみることを強く薦めます.
御丁寧なご意見ありがとうございます。
>「それぞれの」というのは,比表面積が8通り出てくる(計測条件の違いによって),ってことですか? まったく無意味です。
これは、つまり比表面積(真値)はRH30の一点法若しくは、RH15~30での多点法解析によるものとし、30を超えるRHの比表面積は多分子層吸着のため真値には遠く意味をなさないという解釈でしょうか?
>細孔容積も,あくまでも細孔径分布があるところで,細孔径でどれだけ以下のものが,容積としてどれだけあるか,というのが出して始めて意味をなすので,「湿度ごと」に出しても,無意味です.
これについては、ケルビン式を用いた各相対湿度における吸着量より、一試料の細孔径分布を調べるという考えでいますがいかがでしょうか?
No.3
- 回答日時:
No1です。
No2さんへの質問者さんのお礼の文章を見ていると基礎知識無しでやっているようです。全部を説明するには教科書を丸写しする必要があります。質問者さんがBET表面積の測定法、細孔分布の計算法(BJH法)の文献を一切読まないで、ここでの回答者さんの説明で早分かりをしようとするのは話がかみ合わないだけに終わると思います。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
過去にもケルビン式とかの解釈で質問が出ていて,No.1 の方や私が回答しているのですが,あまり理解が進んでいないようですね.
> これは、つまり比表面積(真値)はRH30の一点法若しくは、RH15~30での多点法解析によるものとし、30を超えるRHの比表面積は多分子層吸着のため真値には遠く意味をなさないという解釈でしょうか?
そもそも,BET式は (毛管凝縮のない系について) 多分子層吸着をモデル化して吸着等温線を導いているわけで,本来は多層吸着の広い範囲にわたって実験結果を説明したかったのです.ですが,実際には相対圧のあまり高くないところ,すなわち,0.4 (水蒸気吸着なら湿度40%) くらいのところまでの結果をよく説明できるものにしかならなかったわけです.
吸着データに対していわゆる BETプロットを取ると,直線が得られ,その傾きから比表面積を求めることができます.このとき,一般的にはy切片はあまり大きくありません.そこで,この切片を無視して 0 とみなしてやれば,どこか一点のデータで近似的に BET プロットの傾き (ひいては比表面積) を求めることができる,というのが一点法の原理です.この近似を使うためには,できるだけ相対圧の大きいところのデータを使うべきですが,多くの系に対して相対圧0.4程度から BET 式と実際のデータの解離が目立ってくるので,もう少し小さい,0.3程度のところのデータを使うのが一般的なのです.
なので,RH40%以上とかのデータから一点法で計算した数値にはかけらほどの意味もありません.
しかし,窒素吸着のように,化学的相互作用の小さい吸着質では,吸着媒に寄らずに 0.3 程度で,とやって問題はまずおこりませんが,水蒸気のような場合はそれでいいかどうかはかなり議論の余地があります.
多点法にしても,水蒸気吸着は妥当な結果を与える保証がありません.たとえば,活性炭や粘土鉱物は,どちらもあまり妥当でない結果を与えます.前者は表面の疎水性が強く,いわゆる II 型の等温線を与えない典型例です.後者は,粘土の構造内に水が入り込んでいく「膨潤」があるためで,これも数値は出ますが物理的意味ははなはだ疑問です.ゼオライトもだめでしょう.
等温線の形を見ないで,真値もへったくれもありません.
> これについては、ケルビン式を用いた各相対湿度における吸着量より、一試料の細孔径分布を調べるという考えでいますがいかがでしょうか?
世の中の細孔径分布曲線がどのように示されているか,実例をいくつか見てみてください.なぜそのようなグラフを示すことに意味があるのかも,よく考えてください.
もう一度書きます.ちゃんとした教科書をじっくりと何遍も読み直して,吸着現象の理解を深めてください.このまま作業だけしても,時間の無駄だと思います.
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