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データの捏造はどのようにしたらなくなるのでしょうか。
私は、有機化学(有機合成)の研究室に所属している学生(院生)ですが同級生がどうやら意図的かどうかわかりませんが、データを捏造しているようです。私たちの研究している分野は対称性のある分子の内、一方の分子を選択的に合成することを目的とした研究をやっています。
その学生は全くといっていいほど自分が合成した化合物のNMRを測定しておらず、HPLCを使用して、不斉収率を決定しているのみです。HPLCの検出器はUV機能しかついていません。
つまり、その学生は自分が合成した化合物を単離したのち、重さを量ることりより収率を求め、HPLCにより不斉収率を決定しているだけなのです。HPLCには溶媒(ヘキサンや酢酸エチル)は検出されないため、本当にその学生が出した収率は正しいのかが疑問が残ります。
実際、その学生が出した収率にはquant.が多く見られます。

なお、その学生は学会誌にも論文を出していますが、論文中に記載する機器データは、HPLCのデータ以外、別途合成によって合成してきたたものや買ってきた試薬でMS、IR、NMRのデータを集めているようです。
これっておかしくないですか?
この学生は博士課程を志望しているので、なんだかいろんな意味で残念でたまりません。
皆さんはどう思いますか?

A 回答 (3件)

正確なところは分かりかねますが,お書きの内容は「データ捏造」には該当しないように思えます。



> その学生は全くといっていいほど自分が合成した化合物のNMRを測定しておらず、
> 自分が合成した化合物を単離したのち、重さを量ることりより収率を求め、

 補足に書かれている内容から考えると,あらかじめ行ったラセミ体の合成の段階で,NMR等のデータに基づいてその生成物が目的化合物である事を確認されていると思います。

 であれば,その生成物を単離して測定した重さに基づいて収率を出すのは一つのやり方であって「データ捏造」にはあたりません。

> HPLCには溶媒(ヘキサンや酢酸エチル)は検出されないため、本当にその学生が出した収率は正しいのかが疑問が残ります。

 「収率」は上記のように単離重量に基づいて計算しているわけですよね。であれば,HPLCで溶媒が検出できるかどうかは「収率」には関係ありません。

> 実際、その学生が出した収率にはquant.が多く見られます。

 その反応が実際に「定量的(quantitative)」に進んでいるんではないですか? であれば,「quant.」で表示しても問題ないです。

 ま,実験ノートや指導教官への報告では実際の数値に基づいて「%」で表現し,投稿論文では「quant.」で表示する方が良いとは思います。が,これは指導教官の方の考え方や指導内容に依るところですので,お書きのやり方が間違っている(データ捏造)とは言えません。

> 論文中に記載する機器データは、HPLCのデータ以外、別途合成によって合成してきたたものや買ってきた試薬でMS、IR、NMRのデータを集めているようです。

 ラセミ体の合成時のNMRデータ等で既にその生成物が何であるかが分かっていれば,お書きの方法でも「データの集め方」としては問題ないと思います。勿論,修士論文等の生成物の同定の部分は,実際に同定した方法(「別途合成したラセミ体とHPLCで一致した」とか)を記載するべきではあります。

> HPLCに不純物のピークが出ると、HPLCの再計算(アテネーションの設定など)によりピークを消しています。

 HPLCでは「不斉収率」だけを出しているわけですよね。であれば,必要なのは「両光学異性体のピーク面積の比」だけです。アテネーション等の変更であれば,クロマトグラムの見た目を変えているだけです。なので,消した状態でピーク面積を求めても手法の違いであって間違い(ましてや「データ捏造」)とは言えないでしょう。

> 真空ポンプによる減圧時間よりいくらでも収率を思いのままに改ざんできてしまう

 確かに,都合の良い量だけ溶媒が残った状態で測定すれば収率は思いのままになるでしょうけど,それは結構面倒ですよ。溶媒が残った状態では測定値が一定せず,測っている間の溶媒の揮発によって,計りのメモリは一定にならず,どんどん小さくなっていきます。

 このように,正確なところは分かりませんが,お書きの内容だけで「データ捏造」というのは無理があるように思います。お書きのレベルの「データ捏造」であれば,指導教官等が見ればいくらでもおかしい点が見付かります。指導教官が何も言わず,論文まで出してられるという事であれば,あなたの勘違い(あなたとその方や指導教官との考え方の違い)の可能性が大きいと思います。

この回答への補足

ご意見ありがとうございます。
私の考え方が硬いかもしれません。また、私がこのように不安に思うのは、指導教員が研究室に不在のことが多いこともあるためだととおもいます。
ただ、収率120%だからquant.と言っていることや、本来なら真空ポンプで引けば揮発してまうだろうと考えられる化合物(4ーfluorobenzylalocolなど)がquant.と書かれているところを見ると本当に大丈夫なのかが心配です。

補足日時:2009/12/19 18:08
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心中お察しします。

残念でたまりません。憤りすら覚えます。更に論文が書かれて発表される前に、先生方にその実態を報告し、程度によっては厳重注意以上の指導(謹慎・停学等)がなされるべきです。研究室全体のためにも、そしてその同級生の為にも、そうあるべきです。

しかし「そうあるべき」が達成されにくい背景があるのだろうと推察します。内部告発的な形で訴えるのは身に降りかかるリスクを考えると躊躇しますし、その同級生にもやむを得ない事情が(もしかしたら)あるのかもしれません。
「先生に良い結果を報告したい!認められたい!という一心で捏造に走っている」
「先生方から早く結果を出せと過剰なプレッシャーがかかっている」
こういった事情で悩んでいるようだったら、話を聞く時間を設けるとよいと思います。
私の所属する研究室では、こうしたやむを得ない事情があるために「偽装の誘惑に負けそうだ」と相談してくれた同期がいましたので、念のため申しあげておきます。
またNo.1様がコメントされているような可能性もあると思います。

以下は一般的な話ですが……
『背信の科学者たち』(講談社ブルーバックス)を以前読んだことがありますが、実に多種多様な誘惑が研究者を捏造に導いていることがよく分かりました。大学は研究機関であると同時に教育機関でもある、というのであれば、論文紹介や問題演習の講義が研究室単位で設けられているように、科学者として持つべき倫理について学ぶ時間があってよいと思います。
古い本ですが『サイエンス・エシックス―科学者のジレンマと選択』(化学同人)は、企業内で働く研究者の苦悩と葛藤が平易な文章でリアルに描かれており、学部生でも十分、その苦悩と葛藤に自らの姿を重ねて考えることができます。
良心が許さないのであれば、こういった書籍を研究室で買って誰でも読める場所に置くことを先生方に進言されてはいかがですか。データが偽装されているかもしれないというリスクを管理するためにも学生の倫理観を高める必要があるのだ、結果は残すが倫理観に欠ける学生を世に輩出する研究室でもいいのか、と言って。

雑多な回答になってしまい申し訳ありません。
参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。
他の皆さんが仰っているように私の考えすぎかもしれませんから、dumvo-hさんに紹介していただいた本も読んでみて色々考えてみたいとおもいます。

お礼日時:2009/12/19 18:43

質問文からだけでは捏造かどうかは判断できません



もし、市販のものと同じHPLCの保持時間のものは同一の化合物として判断しているなら、それはそれで一つのやり方でしょう(本当は分取してNMRを取るべきでしょうが、その通りに学会誌や修論に記載しているならそれは捏造ではありません)

これが例えば、HPLCによって得られる収率をごまかしているとか 学会誌などに載せるデータが分取して得られた化合物を測定したもの とか書いていたらそれは捏造です


まあ、話を聞く限りでは大分怪しいですけどね 

この回答への補足

論文中では単離収率として記載しているようです。
HPLCはあくまでも不斉収率を決定する為に利用しているようで、HPLCにより検量線を作成して反応の収率を決定している姿は見たことありません。
後輩にラセミ体を作らしてHPLCの分離条件は決定しているようです(したがって不斉収率は間違いではないと思います)が、HPLCに不純物のピークが出ると、HPLCの再計算(アテネーションの設定など)によりピークを消しています。

HPLCに測定する前には、シリカゲルカラムをやっているようですが、目的斉生物のみ単離しているかは微妙です。むしろ、私はその子が目的生成物のみを単離してきて、市販のものと同じHPLCの保持時間を確認したとしても、真空ポンプによる減圧時間よりいくらでも収率を思いのままに改ざんできてしまうように思えるのですが・・・。

補足日時:2009/12/19 00:30
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