プロが教えるわが家の防犯対策術!

自然長l、バネ定数kのバネの両端に質量m1、m2の質点をとりつけて摩擦のない平面上に(x軸上で)運動させるときのラグランジェ方程式の立て方がわかりません。
両端を固定するバージョンはわかるのですが、両端を固定しない、このバージョンはどうやるのでしょう?
初期条件の設定の仕方もわからないので、お願いします。

A 回答 (3件)

siegmund です.



> x1-x2-lということはバネをどうちじめたことになるのでしょう?

m_1 の座標が x_1,m_2 の座標が x_2 ですから,
両者の間の距離(すなわちバネの長さ)は x_1 - x_2 です.
(x_1, x_2 の大小関係が grothendieck さんと逆になっています)
バネの自然長が l ですから,バネは x_1 - x_2 - l だけ自然長から
変化しています(正なら伸び,負なら縮み).
したがって,バネのポテンシャルエネルギー U は
(1)  U = (k/2)(x_1 - x_2 - l)^2 です.

> 質点m1、m2それぞれのラグランジェをつくるのですか?

ラグランジアンは系全体について1つです.
Euler-Lagrange 方程式を作るときに2つできます.

全体の運動エネルギー T と全体のポテンシャルエネルギー U を求めて
(2)  L = T - U
です.
解析力学では座標の時間微分を変数の上に「・」をつけて表すのが普通ですが,
ここではそういうふうに書けません.
(・x_1) で代用することにします.
m_1 の速度は (・x_1) ですから,m_1 の運動エネルギーは
(3)  (1/2) m_1 (・x_1)^2
です.全く同様に,m_2 の運動エネルギーは
(4)  (1/2) m_2 (・x_2)^2
です.
したがって,
(5)  T = (3) + (4)
です.

ラグランジアン(2)を具体的に書いてみると,
L(x_1,(・x_1),x_2,(・x_2)) と4つの変数が含まれています.
変数1についての Euler-Lagrange 方程式が
(6)  (d/dt) {∂L/∂(・x_1)} - (∂L/∂x_1) = 0
ですし,変数2については
(7)  (d/dt) {∂L/∂(・x_2)} - (∂L/∂x_2) = 0
です.
(6)(7)が連立微分方程式になっているわけです.

> 別々に各質点について方程式を立てれば最終的に上のようになるのでしょうか?

そこらへんを説明したのが,No.2 回答の後半です.
(2)のラグランジアンの具体的表現を見ますと,x_1 x_2 のような項があります.
こういう項があるので,(6)(7)の微分方程式も x_1, x_2 が絡んで来ます.
ラグランジアンの変数を grothendieck さんのように書き換えると,
ラグランジアンは x に関係した部分と X に関係した部分との
和の形になります.
そうしたら,
(8)  (d/dt) {∂L/∂(・x)} - (∂L/∂x) = 0
(9)  (d/dt) {∂L/∂(・X)} - (∂L/∂X) = 0
を作れば,(8)には X が含まれませんし,(9)には x が含まれません.

線形代数的な表現をするなら,次のようになります.
x_1,x_2 で話をすると行列の非対角要素があって(x_1 x_2 の項がある)
互いに絡んだ連立方程式が得られるのに対し,
基底を変更して(変数の取り方 x_1 ,x_2 から x,X に変えたことに相当)
行列を対角化すると(xX の類の項はない)各変数について独立の方程式が得られる,
ということになります.
    • good
    • 0
この回答へのお礼

大変くわしい説明をありがとうございます。
もう一度考えてみます。

本当にありがとうございました☆

お礼日時:2003/05/25 14:38

   ○∞∞∞∞∞●


の様な状況でしょうか.∞∞∞ はバネのつもり.
●が m_1 (位置 x_1),○が m_2 (位置 x_2).
基本はどれでも一緒です.
運動エネルギー T とポテンシャルエネルギー U を求めて
L = T - U
がラグランジアンです.

運動エネルギー T はそれぞれの質点の運動エネルギーの和です.
バネの長さが x_1 - x_2 ですから,
自然長 l からの変化分は x_1 - x_2 - l で,
ポテンシャルエネルギーは U はすぐにわかります.
あとは,L を作って,標準の手続きで Euler-Lagrange 方程式を導けばOKです.

> 初期条件の設定の仕方もわからないので、お願いします。
普通は,t=0 での x_1,x_2,(dx_1/dt), (dx_2/dt) を与えるのでしょうね.
ただし,変な初期条件を与えると,バネの長さがゼロになる場合が出てきて,
質点同士が衝突しちゃいます.
そういう状況は考慮外ですから,
そうならないように初期条件を設定しないといけません.
こういう事情は,両端固定の場合でも同じです.

Euler-Lagrange 方程式は連立微分方程式になります.
あとは,単振動型を仮定して永年方程式をつくり,
固有振動数と固有モードを決めればよろしい.
で,固有モードを決めてみると,
重心の並進運動と,2質点の相対運動とになっています.
さらに,重心の並進運動は等速直線運動です.
バネの力はいわゆる内部力ですから,全体の運動量が保存するのは当然です.
解析力学でよく使われる表現で言えば,
x_1 ⇒ x_1 + a,x_2 ⇒ x_2 + a という変換に対してラグランジアンが不変ですから,
運動の保存量が存在する,
というわけです(Noether の定理).

こういうことが最初から見えれば,
ラグランジアンを重心座標と相対座標で書き下ろすこともできます.
このようにしたのが,grothendieck さんのラグランジアンです.
    • good
    • 0
この回答へのお礼

すみません。ありがとうございます。
えっと、x1-x2-lということはバネをどうちじめたkとになるのでしょう?この場合、質点m1、m2それぞれのラグランジェをつくるのですか?理解力がなくすみません。

お礼日時:2003/05/25 01:57

x2>X1であると仮定して通常の様に


 x = x2 - x1
 X = (m1x1+m2x2)/(m1+m2)
と相対座標と重心座標を導入するとラグランジアンは
 L = (μ/2)xdot^2 + (M/2)Xdot^2 - (k/2)(x - l)^2
となります。(μは換算質量、Mは全質量)
これからラグランジュ方程式を解くとXは当然のことながら
 X = X0 + Vt
という等速度運動、xは
 x = Asin(ωt+C) + l
という単振動になります。あとは初期条件からX0, v, A, Cを決めると良いでしょう。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。
別々に各質点について方程式を立てれば最終的に上のようになるのでしょうか?・・・???

お礼日時:2003/05/25 01:59

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!