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デカルトの『哲学原理』を読み直していたら「神の予定」という言葉が出てきました。
第一部40節です。原語があげてあります。ラテン語で「praeordinatio」とあります。
カルヴァンは、「praedestinatio」を使ったかと思います。定かではありませんが、「予定説」を平凡社の哲学辞典で引くと、英語表記では「predestination」とありますので。
デカルトの哲学原理は、カルヴァンの約百年後です。また、デカルトはカトリックに属したはずですので、カルヴァンとは違う語を使った、もしくは、カトリックでは古来「予定」を「praeordinatio」としていた、のでしょうか。
先の二つの語は、歴史的にはどう使われてきたのでしょうか。
カルヴァンの「予定説」としてはどちらでも良いのでしょうか、それとも術語的には、「predestination」に限定なのでしょうか。

A 回答 (2件)

古典ラテン語の辞書はありますが、中世ラテン語、近世ラテン語の完備した辞書などというものはないので神学用語の歴史的用法をさぐることは一般的にはたいへん困難です。


ただ英語のpredestinationという語の語源ならすぐわかります。たとえば、online etymology dictionaryで検索すると
http://www.etymonline.com/index.php?search=prede …
これを読むと、praedestinatioという語は神学用語としてはじめてAugustinusによって使われ、やがてCalvinが好んで使うようになったことがわかります。
praeordinatioの語の歴史の方は、ちょっと調べてみたのですが、
AugustinusにDe praedestinatione sanctorumという著作があり、この作品でpraedestinatioという語が神学的意味で使われているのですが、一節にpraeordinatio futuri iudiciiとあって、praeordinatioもpraedestinatioと同意味で用いられているようです。したがって、中世の神学者の間でpraedestinatioもpraeordinatioも同義語として用いられてきたと考えていいのでは。ただ、作家によって単語の好みが違うので、Calvinの予定説としてはやはりpraedestinatioと言うべきでしょう。こちらの方がラテン語として意味が明瞭ですしね。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。私のほうがご無沙汰ですみませんでした。
調べていただきありがとうございます。
ご趣旨よくわかりました。デカルトについては私ももう少し調べてみたいと思います。
とりあえずこれで締め切ります。
そうそう。先日の『医学典範』についてもお答えをいただいたのでした。重ねてありがとうございました。

お礼日時:2010/03/12 22:18

 predestination はフランス語では最初の e に accent (右上から左下へ)がついているだけの違いです。

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