最近、数学を復習しているものです。
式の展開・因数分解に関する恒等式
a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)
がたまにテキストに“公式”として取り上げられると思います。
この式が自然に導き出されることが、考えても分かりません。(ぶっちゃけた話し、たまたま見つかったので公式にしてしまえ!というような印象を受けます。)
図形的な意味があったり、何か計算するのに便利だったりなど、他の分野とかかわりがあるものなのでしょうか?また、数学的に美しいなど、抽象面的な面白さがあるんでしょうか?
その他、3次だけでなく、2次や4次などで類似のものがあるのでしょうか。また、他にも、有名な公式があれば教えてください。
よろしくお願いします。
No.7
- 回答日時:
ほかにこの式a^3+b^3+c^3-3abcに関して、
この式は(a,b,c)に循環置換
をほどこした(b,c,a),(c,a,b)を縦に並べた
3×3行列
a b c
b c a
c a b
の行列式になっています。
この行列式は3次の巡回置換群にたいする群行列式
とよばれるもので、一般にアーベル群に関連した
群行列式は群の指標を係数とした一次式の積に
分解することが知られています。この一次式の積が
(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)に対応します。
ありがとうございます。
「巡回置換群にたいする群行列式」
行列については、また勉強してみたいと思います。
“群行列式”私に理解できるでしょうか。。。
No.6
- 回答日時:
図形的なことについてですが
a^3+b^3+c^3-3λabc=0に対応する複素曲線は、
λが1のとき複素で見ると3つの直線に対応します。
(a+b+c=0,a+ωb+ω^2c=0,a+ω^2b+ωc=0)
直線が3つあるので直線のペアが3つ
できて、その交点は各ペア1つで合計3個。
このことを実自由度でみてやるとコブが
その直線に対応し、トーラスが絞られた
3つの点はその直線の3つの交点に対応
するということになってると思います。
もし参考になりましたら幸いです。
wloop様、重ねて回答頂きありがとうございます。
やはり、いまの私にはまだ複素曲線論を理解するのは不可能です。
“自由度が減る”など、ぼんやりと感じることができますが、
例えば、複素数平面上で
a+ωb+ω^2c=0
が直線を表すなど、基本的なことすら分からない状況です。
回答頂き、ありがとうございました。
質問に対して、十分な回答を頂けました。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
因数分解の導き出し方ではないですがこの式に関連して
高木貞治著の「代数学講義」によればλを複素数として
a^3+b^3+c^3-3λabc
が因数分解できるのはλ^3=1のときで
λ=1のときは
(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)となるそうです。
(ここでω=e^(2・π・i/3))
図形的には[a:b:c]を二次元複素射影空間の座標と思う
と上の式a^3+b^3+c^3-3λabc=0で表されるものは
楕円曲線に対応していて、一般のλについてはその形は
トーラス(浮輪の形)になります。
λ=1の場合は上で述べたように因数分解ができることに
対応してそのトーラスを3箇所で絞った形
(球面が3つ輪になってくっついた形)になります。
たとえがいいかわかりませんがミスタードーナツ
のポンデリングのコブの数を少なくしてその数
が3つの場合を想像してみてください。
また、a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)
は3次方程式の解法に使われるみたいです。
4次で似たような式は4次方程式の解法で使われるようです。
wikipediaの「3次方程式」にある「カルダノの公式」の項を
或いは「4次方程式」にある「オイラーの方法」の項を
見てみてください。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E6%AC%A1% …
とても驚きました。
>a^3+b^3+c^3-3λabc
>が因数分解できるのはλ^3=1のときで
>λ=1のときは
>(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)となるそうです。
>(ここでω=e^(2・π・i/3))
(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)の後ろの2つの括弧を計算すると、質問に挙げた恒等式になります!
>また、a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a+ωb+ω^2c)(a+ω^2b+ωc)
>は3次方程式の解法に使われるみたいです。
ガロアは解の公式から群論(対称群の理論)を確立したというようなことを大学の講義で聞いたことを思い出しました。
質問の式には対称性が隠れていて、さらに3次方程式の解の公式の解法に使われるんですね。
回答を頂いたのに、残念ですが、複素射影平面やトーラスに関する理論についてはまったく理解できません。ですがお蔭様で質問の恒等式はとても深い意味を持っていることがわかりました。
「代数学講義」も機会があれば読んでみたいです(…が理解にはかなり苦労しそうです^^;)
大変参考になりました。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
x^3=Ax+B
x=b+c → (b^3+c^3-B)+(b+c)(3bc-A)=0
3bc=A → b^3+c^3=B
x^3-Ax-B
=x^3-3bcx-(b^3+c^3)={x-(b+c)}{x^2+□x+(b^2-bc+c^2)}
回答頂きありがとうございます。
ただ、私の理解力が足りないために、
説明の意味を読み取ることができません。
すみません。
もしよろしければ、詳しく教えて頂けませんか?
全体的に分からないのですが、特に最初の式
x^3=Ax+B
がどこから出てくるのかわかりません。
よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)を利用するとできるんだ。
(これについては右辺をうまく展開すると容易に示せる)
これを用いて
a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b)^3+c^3-3ab(a+b)-3abc
={(a+b)+c}^3-3c(a+b){(a+b)+c}-3ab(a+b+c)
=(a+b+c){(a+b+c)^2-3c(a+b)-3ab}
(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2caより
a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)
これで示せた。
正直4次とかは覚えていないけど、まず覚える前にしっかり示せることが大事なので暗記しようと思って覚えていません。
今の方法で4次も計算面倒だけど導けるんじゃないかな。自分でもやってみます。
式の示し方を分かり易く教えて頂きありがとうございます。
一見複雑な恒等式も、基本的な公式を使うことで、
きれいに導き出すことができるんですね!
問題の恒等式は本当に私の中では村八分でしたが、
決して仲間はずれではないことがわかりました。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
こんばんわ。
この手の式は「対称式」というタイトルがつくことがあります。
「どの 2つの文字を入れ換えても、式全体が変わらない」という式のことです。
そして、対称式は「基本対称式」というものの組合せで表すことができます。
たとえば、2変数の場合は基本対称式は a+ b, abであり、
a^2+ b^2= (a+ b)^2 - 2ab
と表されます。
そして、3変数の場合の基本対称式は a+ b+ c, ab+ bc+ ca, abcです。
a^3+ b^3+ c^3は、これら 3つの項で表すことができます。
それが質問で書かれている式となります。
基本対称式は方程式の「解と係数の関係」で出てくる項と同じですから、
その範囲の問題として用いられることも多いです。
ちなみに、文字の入れ替えで符号が変わるものを「交代式」といいます。
先の方の回答と加えて、疑問だった恒等式が、「対称性」と係わりがあることがわかりました。いままでは、意味不明だった式に意味が見えてきました!!
式と証明の分野では、対称性や交代性を意識しながら勉強を進めていきたいと思います。
参考になりました。
ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
いろんな説があるでしょうが私の知っているのは「対称性」という考え方です。
左辺はa=b=cのとき0になります。このような性質のある式は(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2
です。これは
(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)×2
です。
またa→b,b→c,c→aと置き換えても変わりません。この候補の最も簡単なものはa+b+cです。a^2+b^2+c^2,a^3+b^3+c^3,...もそうですが。
よって
(a+b+c)((a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2)
を作ってみたというところでしょうが。
4変数で
(a+b+c+d)((a-b)^2+(b-c)^2+(c-d)^2+(d-a)^)/2
がどうなるのかやったことはありません。a^3+b^3+c^3+d^3-4abcdではありません。変数がたとえば長さのとき次元が合いません。
対称性を考えるといろんな拡張がありうると思います。もっと一般的な公式もたくさんあると思いますが、そこまで走りません。
私は技術屋で
a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)
は工学の計算において何度か出くわしたことがあります。
なるほど、対称式との係わりがあるんですね!
対称性を考えると、この恒等式が訳のわからないものに思えてきました。
>4変数で
>a^3+b^3+c^3+d^3-4abcdではありません。変数がたとえば長さのとき>次元が合いません。
次元を使って、等式が成立しないことが分かってしまうんですね!!
この考え方にも衝撃を受けました。
因数分解を考えるときに、参考になりそうです!
ありがとうございました。
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