
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#1 さんがお書きの様に,考えないといけないのは「電気陰性度」の大きさと電気双極子の向きです。
まず,「化学辞典」(東京化学同人)によると,アンモニア(NH3)とフッ化窒素(NF3)の双極子モーメントは 1.48Dと 0.235Dです(D:デバイ,1D=3.33564×10^(-30) C・m)。そして,N,H,Fの電気陰性度は 3.0, 2.1, 4.0 です。
まず,アンモニア(:NH3,:は孤立電子対)を考えます。電気陰性度の差から,NーH間の電子はN側に片寄っています。片寄りの程度は両者の電気陰性度の差の 0.9 と考えます。この結合が3つありますので,ベクトル的に足し合わせます。
さらに,窒素上の孤立電子対を考慮しますが。孤立電子対の電気陰性度はありませんが,電気双極子モーメントがN核から孤立電子対側に向かうのは間違いないですから,先のNーH間の電気双極子モーメントの和と同じ向きです。
結果,分子全体では窒素核から孤立電子対の方向に向いた大きな双極子モーメントが存在する事になります。
一方,フッ化窒素(:NF3)ですが,この場合はNーF間の電子はNからFに向かう電気双極子を生じます。つまり,NーF結合3本が生じる電気双極子の向きはN核と孤立電子対間の電気双極子の向きと反対になります。そのため,分子全体としては両者が打ち消しあい,フッ化窒素の双極子モーメントは小さくなります。
いかがでしょうか。
P.S.
「電気親和力」とありますが,「電子親和力」の間違いです。御注意下さい。
No.1
- 回答日時:
ご指摘の通りと思います。
以下はアドバイスです。NH3、NF3は共に共有結合でいわゆるsp3混成軌道で結合していますね。共有結合の場合、双極子モーメントの大小を議論する場合は、電気親和力よりLinus Paulingが提唱した電気陰性度を使いますね。ところで両者の違いは
<電気陰性度>
共有結合をしている原子が、共有電子対を引きつける強さを数値で表したものを電気陰性度といいます。つまり、電子を引きつける力が強い原子ほど電気陰性度の値は大きいことになります。具体的数値は「電気陰性度」でWEB検索すれば出てきますので試してみられてはいかがでしょうか。
さて、今の場合、フッ素原子の電気陰性度は水素より大きいので、窒素原子の電子を強力に引き付け、その結果双極子モーメントが大きくなる、となります。この辺の定量的な評価は分子軌道法という計算でなされます。
<電気親和力>
原子が最外電子殻に1個の電子を得て、1価の陰イオンになるときに放出されるエネルギーを電子親和力といっています。以上、ご参考まで。
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