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ダイオードの静特性についてお願いします。

ダイオードの静特性について

ダイオード(1s1588)を使用して実験を行いました。
ショックレーのダイオード方程式で計算した値と、実際にマルチメータを使用し電流を計測した実験値とを比較しました。

グラフを図として添付しておきます。


計算値と実験値は立ち上がって少しの部分(0.6~0.7[V]程度)まではあまり誤差がないのですが、

0.6~0.7[V]で立ち上がった後の電流の上昇具合が計算値と実験値では圧倒的に違いました。
(1[V]での実験値が50[mA]より小さい程度であったので縦軸を50[mA]までとしているが、ショックレーの方程式に代入して計算した値は363[A]と、電流のオーダーが圧倒的に違っていました。)

【質問】
このように、計算値と実験値に誤差が生まれる原因は何だと考えられますか?

ショックレーのダイオード方程式を用いた計算値を実験値に近づけるための要素として、ある項をつけたせば、実験値のグラフに近づけられる。というような要素を考えた方程式はありますか?もしあれば、どういう意味をなしてその項をつけたしたのか等おしえていただけるとありがたいです。

長くなりましたがよろしくお願いします。

※添付画像が削除されました。

A 回答 (1件)

>計算値と実験値の値に大きな差が生じた原因


電圧-電流特性の電流の上がり方が違うのは、ダイオード方程式に直列抵抗の項が入っていないからでしょう。

測定したダイオードはダイオード方程式に従うような理想的な特性ではなく、添付図の左側の回路図のように、等価的に直列抵抗 Rs が入っているので、電圧-電流特性の電流の上昇がゆるやかになります。添付図の左下は直列抵抗が0(理想ダイオード)のときと、直列抵抗が25Ω(現実のダイオード)の電圧-電流特性の計算結果です。この計算は、添付図の空色の長方形で囲まれた式でできます(この式は電流 I を与えて電圧 V を求めるものです。ln は自然対数)。

実測した電圧-電流特性から直列抵抗 Rs の概略値は、添付図の左下のように、直線部分の電圧変化ΔVと電流変化ΔIの比から計算できます。実測データから、Rs は 25Ω くらいと推測されます。

実測データから飽和電流 I0 を求めるには、添付図の右下のように、電流の自然対数を縦軸とした電圧-電流特性を描き、電圧が0.6V未満の直線部分を延長した直線(破線)と縦軸が交わるところの電流値を読みます。図の赤色と緑色の特性は I0 = 7×10^(-14) A として計算したものですが、破線と縦軸の交点は 7×10^(-14) A あたりになっています。

熱電圧 VT は、右下の図の電圧が0.6V未満の直線部分の傾斜になります。縦軸が対数なので傾斜というのは直感的には分かりにくいですが、この直線部分の適当な2点(V1, I1)、(V2, I2)を使って次式で計算できます。
   VT = ( V1 - V2 )/ln( I1/I2) --- (1)
ちなみに、飽和電流 I0 も、この直線部分の適当な2点(V1, I1)、(V2, I2)を使って次式で計算できます。
   I0 = I1/exp{ V1*ln( I1/I2)/( V1 - V2 ) } --- (2)

1S1588のSPICEデータはここ(http://www.madlabo.com/mad/edat/spice/ex2/index. …)に出ていますが、
   .model d1s1588 D( IS=3.4414e-11 N=1.33824 RS=12.3457 BV=145.077 IBV=23.471 NBV=302.287 CJO=2pF TT=2n)
この IS が飽和電流(単位はA)、N が n値、RS が直列抵抗(単位Ω)になります。
「ダイオードの静特性についてお願いします。」の回答画像1
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この回答へのお礼

お礼遅れました とてもわかりやすい解説ありがとうございました。

お礼日時:2010/06/08 12:59

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