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金属の再結晶は何故起こる?

焼入れを行っているもので、知識を深めるため結晶粒径について今勉強している最中です。
勉強しているときに疑問が出てきました。

金属(鉄)を1000℃とかの高温に保持したときに結晶粒径はエネルギーを安定化させるために
体積あたりの粒界面積を小さくするために粒径がおおきくなります。

しかし、鉄であれば500℃付近の温度では再結晶が起こり結晶の微細化が起こります。
(正確には粒界面から微細な粒界が発生し始めて、微細になっていく。)
温度の高い状態で元の粒径よりも小さくなろうとするのは何故なのでしょうか?

知見のある方は回答のほうどうぞよろしくお願いします。

A 回答 (1件)

私も丁度、金属材料を習っている身なのでその復習も兼ねて


説明したいと思います。
説明に使用する金属は鉄とします
(実際鋼材として使用されるのは、純鉄ではなくS45Cなど炭素を含んだ物ですが)

まず約1000℃において起きる現象(素材により温度は変化)、これを焼入れと言います。
確かに鋼材としては強度を上げることができますが、この状態では実は組織的には不安定な状態となります。
まぁ大きくなった組織同士が、押し合いへし合いしているのですから当然ですね。
焼入れのみをしその鋼材を放置すると、その組織同士が生んだ残留応力などで鋼材が変形したり、
また、組織が大きい=硬い=脆い、ということもあり、普通は焼入れのみした鋼材は使用しません。

そこで約500℃において起きる現象、焼もどしをします。(これも同じく素材により(ry)
このことにより鋼材はほんの少し軟らかくなり、組織の中に残っていた残留応力を取り去ることができ、
更に強度は少々落ちますが、粘りのある鋼材が得られることが出来ます。
これは、粘りがある=軟らかい=組織が小さい、ということもあり、結果として鉄の組織は小さいものとなります。

注意としては、焼もどしをすれば元の強度に戻るということは決してありえません。
組織としては既に変わった後ですからね。

因みに500℃は鉄に対しては余り高温とは言えない温度、といえます。
私が行った実験では1300℃で焼き入れ、600℃で焼もどしをしました。


少々解りずらいと思いますが、これが私の回答です。
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