知人が住宅を新築する為の土地をある不動産屋から斡旋してもらいました。その土地は20年位前の分譲地で高台にある見晴らしの良いところでしたが、がけ地を高さ5m位のよう壁で囲った埋立地です。最初その土地を紹介されたときは、冬で雪がたくさん有り、よくその土地を確認できませんでした。しかしお金を借りる都合で急いでいたせいもあり、土地の値段も安かったので550万円で売買契約を締結し、手付金100万円を払いました。その後春になり、雪も消えたので土地を確認しに行ったところ、そのよう壁にひびが入っており一部沈下していました。考えてみれば20年前に作られたものなので構造的にも不安で、そこには建てたくないとのことです。契約を解除したいと不動産屋に言ったが契約したので手付金は返せないとのことでした。
契約書に「(危険負担の定め)本物件の引渡し前に、買主の責に帰すべき自由によらないで天災、地変、流失、火災等による物質的毀損や公用徴収、建築制限、道路編入等の公法上負担が課せられたときは、その損失は売主の負担とする。
2.前項の場合で、契約を締結した目的が達せられないときは、買主は本契約を
解除することができる。
3.買主が前項により契約を解除した場合は、売主は手付金等既に受領した金額を速やかに返還しなければならない。」の条項がありましたが、これにはあたらないのでしょうか。
対処方法をよろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
不動産の売買のときには、宅地建物取引主任者より、重要事項の説明を受けられたと思いますが、その説明でよう壁のひびなどの説明はどうだったのでしょうか。
また、現地を見に行ったとき、その説明はあったのでしょうか。それらに不備があったのでしたら、都道府県庁の、宅地建物取引業者の指導課(不動産業社に対して、行政指導を行なう 権限をもつ部署です)に行かれる事を おすすめします。ついでに当該地区の建築制限を調べてください。また、見に行ったとき、雪が積もっていて、業者がよう壁にひびが入っていることを告げなかったり、沈下の件を黙っていたときには、瑕疵担保責任(民570)が生ずると思います。
これらを総合的に考えて、指導課の方で、業者を指導してくれますが、納得がいかなければ、弁護士と話し合ってください。よう壁のひびが表面的なものであったり、沈下も単に整地がされていなかったのに過ぎない場合は、減額のみが認められる場合もあると思います。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
重要事項の説明時も現地に見に言ったときも、それらの不備の説明は無かった
との事です。こちらも早まったせいもありますが、説明があればもっとよく吟味
するはずです。内容から業者の瑕疵担保責任を問えると思いますが、その場合、
契約を解除して、手付金は戻ってくるのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
民法570条の瑕疵担保責任が問えれば、民法566条により、これがために契約をなしたる目的(家の建築)を達することができなくなるため、解除できます。
解除の場合、受領されたときからの利息を付する必要があります(民545)。しかし、よう壁のひび、土地の沈下がどの程度なのかは、瑕疵担保責任の成否に重大な影響がありますので、専門家の鑑定を受けたほうがいいと思います。それに至らない場合は、当事者の交渉になりますし(手付を負けさせるとか)、誠意がなければ、先の回答のように、県庁の宅建指導課に指導を求めればいいでしょう。No.3
- 回答日時:
私は正直言いまして、最初このご質問内容を見て、お友達には申し訳ないけれども手付を放棄しての解除ならば出来るけれども、それ以外の解除は無理であろうと思っておりました。
宅建業者が売主である場合ですと、通常ならば手付を放棄して解除しなければならない場合でも、手付金をなるべく返すようにという指導がなされているのですが、単に仲介に入っているだけの場合ではそれも無理なので、今回のケースのような場合には、お友達が購入手続きをする前に事前に良く調べなかったのが悪いので、今回のケースではあきらめるしかない、誰かが「残念ですが・・・」と書いてくれるだろうと思っておりました。
しかし、shoyosiさんの回答を見ていて、なるほど救われる方法が無いことも無いことに気が付きました。
まず、その話をする前に、shoyosiさんご指摘の瑕疵担保責任(民法570条)に関して補足説明をさせていただきます。
これはあくまで法律上・事実上を含めた「隠れた瑕疵(『瑕疵』とは、キズというような意味)」がある場合のみ適用されるものです。
この「隠れた瑕疵」というのは、取引上通常要求される注意を払っても発見できない瑕疵を言います。単に「雪で見えなかった」という程度では、まず認められないと思います。近くに行って、雪をどかすなりして、よく調べてみればすぐにでもわかることだからです。
また、「隠れた瑕疵」が認められたとしても、そのことにより、購入目的、つまり家を建てるという目的が実現不可能と判断される場合で無い限り「解除」をすることは出来ません(民法570条、566条1項)。通常は損害賠償請求をすることが出来るだけです(同条同項)。
擁壁が20年ほど前に出来ていたとすると、長い年月の間に多少の劣化はやむを得ない事です。しかも、擁壁設置当時の技術基準を満足している限り、通常ならば法律的にも家を建てることが出来ますので、解除は無理と考えた方が良いと思います。
ついでに、watayuさんが書いておられた、「危険負担の定め」に関して述べておきますと、これは、あくまで契約締結後に不測の事態が生じた場合にのみ適用される特約で、今回の場合のように、契約締結前から生じていたであろう擁壁のヒビや地盤の沈下に関しては適用されません。ですから、この特約による解除もおそらく出来ないでしょう。
以上述べたように、私は、今回のケースの場合には、契約を「解除」して、手付金を取り戻すことは出来ないと考えます。
但し、shoyosiさんが書いておられたように、「不動産業者の説明に不備な点が無かったかどうか」という、この点について、不動産業者に対し、損害賠償請求をすることが出来るだろうと思います。
不動産業者(宅建業者)は、宅建業法35条に基づく『重要事項の説明』の説明をしなければなりません。この『重要事項の説明』には、今回のような内容について説明しなければならない義務はありません。しかし、この他に、契約をなすにあたり『重要な事項』について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為も禁じられております(宅建業法47条1号)。
土地の価格から考えて、かなり安いように思われますので、「なぜその土地がそんなに安いのか、その理由はこれこれだ」というようなことも説明しなければ、業者は説明義務を果たしたことになりません。
おそらく、重要事項説明書には今回watayuさんがご質問された内容に関しては書いていないはずですので、「そのような説明を受けていたならば買わなかった」として、この点をついて、不動産業者に対して損害賠償を請求することが出来ると思います。
但し、裁判になると費用も時間もかかりますので、shoyosiさんが書いておられたように、都道府県からの宅建業の免許を得ている業者であるならば、都道府県の免許を与える部署に申し立てることによって、簡易迅速に処理がなされているようですから、そういう所を利用されたほうが良いと思います。
お友達の件が、良い方向に終結されんことをお祈りいたします。
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