
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
メタンは正4面体の対称性を持っています。
これを炭素の結合が正4面体の対称性を持っていると考えてもかまいません。
これは分かりやすい性質ですが重要な性質です。
理論の検証に使う事が出来る性質だと言ってもいいです。
この対称性を説明することができなければアウトなのです。
だから量子力学で得られた結果が化学に当てはめることができるものであるかどうかの検証にも使われたのです。
炭素の最外殻の電子配置はs^2、p^2です。球対称のs軌道とx、y、z方向を向いた対称性のp軌道では正4面体の対称性にはなっていません。水素原子の波動関数を基にして他の原子や分子に当てはめて考えるという方向がとん挫してしまったのです。ハイトラー・ロンドンが初めて共有結合の理論を出したのは2原子分子(H2)についてです。軸対称というだけですから特に対称性を意識する必要はなかったのではないでしょうか。むしろ別々の原子の波動関数が重なることでエネルギ-が下がるということを示した所に大きな意義があるのでしょう。
その時用いた原子の波動関数はsとかpのままです。混ぜる操作は異なる原子について行われています。
メタンでは混ぜる前の材料になる原子軌道、s、pの段階で問題が生じることになります。
多分、原子軌道の段階で混ぜる(一時結合を取って基底を取り換える)という発想は誰も考えなかったのではないでしょうか。#1にあるように「ポーリングさん、ありがとう」です。すごい事だったと思います。
s軌道1つとp軌道3つの一次結合で正4面体の対称性を持った新しい直交関数系を作ることができることを示したのです。これは基底の取り換えですから近似ではありません。
この新しい基底での原子軌道と水素の原子軌道について分子軌道を考えればメタンの波動関数が得られることになります。
現在の分子軌道法は全てs軌道、p軌道のままでやっていますので混成軌道で分子軌道を考えるということがあるというのはもう習わない事になっているのかもしれません。でも、分子軌道のもとになる原子軌道は直交関数系になっていればs、pのままでなくてもかまわない、同等であるというのは以前はきちんと本には書かれていたことです。現在の分子軌道法の流れはコンピュータの利用が前提になっています。
混成軌道を作ることで簡単に示すことのできる対称性がコンピュータでは(多分)無限次までの計算の結果でしか出てこないということになっているはずです。
手では簡単に書くことができる矩形波をsinの集まりとして書き表そうとすればフーリエ展開で無限次までの計算が必要であるというのに似ているような気がします。
最近の量子化学の本には分子軌道法についての章に加えて「原子価殻電子対反発説(VSEPR説)」というのが載っています。初めて見ると不思議な感じがします。「なぜ量子化学の本にこのような半古典論が?」と思ってしまいます。分子軌道法が分子の形や対称性を守備範囲外のものとしていることの表れでしょう。分子軌道法で分子の形を簡単に出せるのであればこんな説を持ちこむ必要はないはずです。そしてこのVSEPR説で考えようとしていることが混成軌道で分子の形を考えようとしてきたことにつながるものになっています。
No.2
- 回答日時:
分子の構造を何とかリーズナブルに説明するために考え出された便宜上の考え方。
混成軌道の考えを入れなくてもその構造が説明できるのであればそれでよいのです。
逆に、sp3, sp2, spだけではなくsp2.5とかsp2.8などという混成を考えると説明できるのであればそれでよいと思います。
まーそれほど、いい加減なものです。
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