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クーロンの法則 F=kqQ/r^2 についてです。

r=0のときFはどういった値になるのでしょうか?
分母が0の分数は考えられませんよね?

また、「比例定数kの値は電荷をとりまく媒質によって決まる」
これが納得できません。
離れていても働く電気力ですので、周りが空気であろうと水であろうと、力は変わらないのではと思ってしまいました。
なぜ電荷をとりまく媒質によって力が変わるのかを教えていただきたいです。

よろしくお願いします。

A 回答 (9件)

 お示しの式は「遠隔作用説」(離れた二つの物体に力が働くという考え方)です。


 これを「近接作用説」(一つの物体が『空間を歪める場』を作る)に書き直すのが、電磁気学の発展の礎です。マクスウェルの方程式も近接作用説に従って、偏微分の式で書かれていますね。

>r=0のときFはどういった値になるのでしょうか?

 その場合は、発散といって「無限大」ということになります。そういう一点を特異点といいます。特異点のように無限大が出てきたら、物理学は何も言えません。無限大は数ではなく、概念だからです。つまり、数式として取り扱えないものなのです。物理学は数式で表すものですから、それで取り扱えないものについては何も言えません。

 無限大が数式に出てきたら、物理学的には「何でもあり」です。距離が0の二つの電荷はどうなっているか、それは遠隔作用説では何も言えません。
 万有引力だってそうです。何もない真空の一点を考えるとすると、そこには何もないと考えるのが普通です。しかし、その点から制反対方向に二つの力が引っ張り合って作用していると考えることもできます。そう考えても問題なく、その一点は安定しています。
 しかしもし、その一点を切り離すことができたら、どうなるか。無から力が生じます。これが、「何でもあり」の一例です。

 近接作用説では、距離が0の二つの電荷という考え方はしません。近づいて行って距離0になったら両者の電荷を足し合わせた一つの電荷があると考えます。その一つの電荷が空間を電磁気的に歪めるということになります。近づいていく二つの電荷の周りの空間の歪みを考え、二つの電荷の間の力を考えないようにできますので、無限大は生じません。

>なぜ電荷をとりまく媒質によって力が変わるのかを教えていただきたいです。

 これは実験事実です。磁力のほうが分かりやすいかもしれません。N極とS極を向い合せて放しておいてある二つの磁石の間には引力が働きます。この二つの磁石の間を鉄棒でつなげると、引力は増えますね、磁石がぴったりくっついたように。

 電荷による力も同様です。遠隔作用説で言うなら、電荷の間に何があるかによって力が変わるというところまでの説明です。近接作用説で言うなら、電荷を取り巻く媒質によって電磁気的に歪められる空間の性質が異なるということです。

 基本的にはそういうことですが、近接作用説でさらに突き詰めるなら、空っぽで性質の与えようのない真空に対して、なんらかの媒質(物質)で囲まれていれば、媒質の性質により、媒質に変化があり、それが影響すると言ったら良いのでしょうか。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

> しかしもし、その一点を切り離すことができたら、どうなるか。無から力が生じます。これが、「何でもあり」の一例です。

この文の手前までは理解できましたが、無から力が生じる、ということがいまいちわかりませんでした。
詳しく教えていただけると嬉しいです。

補足日時:2011/09/08 01:08
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距離がある即ち電気抵抗がある。

空間を電気が伝わる場合、電気抵抗に打ち勝つ事で伝わる訳です。
空気と水では抵抗が違います。
同じ理由で距離0=抵抗無しです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/11/25 20:30

 #7です。

お礼、ありがとうございます。

 まず、末文を引用しまして。

>お手数おかけしますが、よろしくお願いします。

 とんでもございません。私は楽しくて、自分の勉強になって、そしてここでは制限があるもの受け答えと言ったやりとりが面白くて、書き込みをしております。
 今回のようなご質問は、私にとっては大変に嬉しいことです。しかも、拙い回答でも大事に取り扱ってくださいます。もうこれは、嬉しくて嬉しくて、マタタビに猫みたいな次第です(^^;。



>だから、数式からは、力があるのかないのかわからない。

 ご名答です。

>次に、m=0のときを考える。

 まさかここまで一気に行かれるとは嬉しい意外でした。mが0なら加速度aはいくらで良いですね、遠隔作用説なら、ですが。
 近接作用説では、まさにm=0、つまり何もない場所=真空のことを基本に考えるわけです。何か電荷なり質量なり、周囲に何が歪みを及ぼすものがある。その物質から離れた真空では「場」がどうなっているか、それを考えます。それで改めて、そこに他の物質があればどうなるかを考えるわけです。
 遠隔作用説では、m=0、つまり対象となる物体がないなら答えられない。近接作用説なら答えられる、ということですね。

>大きさ0というのは質量0の物体とはまた別物でしょうか?

 説明上の便宜でそう申し上げたのですが、混乱を招いてしまったのなら申し訳ありません。質点でいいでしょうか。ある「場」に置いた物体について、大きさがあるといろいろややこしいことがあるので、事実上は大きさがない場合を想定して頂きたっただけです。

 ただ、近接作用説の物理学の説明は面倒くさいです。遠隔作用説で説明できる限りは、それを使った方がいいでしょうね。何せ式が単純ですから。
 たとえば、電荷の間に働く式と、二つの物体の間に働く重力のニュートンの式は同じ形をしています。大学などの頻出問題ですが、球殻に一様な電荷が存在しているとき、電場がどうなるかというものがあります。
 答えは遠隔作用説で出します。近接作用説で、めんどくさく説明するまでもありません。球殻の内部では電場は0、外では球殻の中心にすべての電荷があるのと同じという答えが出ます。

 でも、電磁気学で電荷の運動量や運動エネルギーを考慮すると、遠隔作用説では足りないものがでてきます。近接作用説なら「場」も考慮すれば、計算は合うよ、ってなわけです。

 もちろん、説明するなら分かりやすいほうを選ぶべきです。ただ、分かりやすい説明の欠陥を問われたなら、難しくても説明できる答えを示せばいいわけです。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです。
お言葉に甘えさせていただきます。

近接作用説について、少しわかった気がします。
足りない説明を十分なものにするために考えだした説だということですよね。
高校範囲では電子の運動量は扱わないようなので、近接作用説の有難み?は実感できないみたいで、残念です。

>大学などの頻出問題ですが、球殻に一様な電荷が存在しているとき、電場がどうなるかというものがあります。答えは遠隔作用説で出します。

この問題は、電気力線の本数を用いてどのような電場になるか求めるものですよね。
電気力線は「電場を目で見えるように書いてみたもの」だと思っておりましたので、「場」つまり近接作用説で答えを出しているのだと思ったのですが・・・

補足日時:2011/09/10 03:52
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 補足、承りました。



 ニュートン力学ではF=maという式がありますね。これを質量mの質点でいうと、そのmに力Fが働けば、加速度aになるわけです。質点mを観測していれば、これにかかる力Fが分かるわけです。

 では、力Fと正反対の向きで力「-F」が働けば、どうなるか。加速度aは0ですね。こうなると、その質点mだけを注目していれば、力がかかっているのか、いないのか、判断できません。

 これを敷衍すれば、たとえ質点がない真空のある一点でも力がないのか、ある力と正反対の力があるのか、区別できないことになります。
 真空の至る所は正反対の力で釣り合っているかもしれない。そこへ事実上大きさ0の物体を置き、それを真っ二つにすれば、二つに分かたれたそれらは、正反対の運動量を得るかもしれない。

 これは遠隔作用説で考えればそうなるということです。

 近接作用説ではそうなりません。動かない質点(実はこれが近接作用説で扱えないのですが、置いておくとして)の周りに「場」があるとします。物体に作用する力は、周りの場によります。ですから、遠隔作用説のような心配は要りません。そういう「場」が質点の周囲にないと分かればいいわけですから。

 私にでき得る限り、補足は承ります。なんでも仰せつけください。

この回答への補足

説明ありがとうございます。
詳しくて助かりました。

>では、力Fと正反対の向きで力「-F」が働けば、どうなるか。

この辺りの説明を、自分なりに咀嚼してみました。
『F+(-F)=ma⇔0=ma
今、m≠0よりa=0
加速度0ということは、「静止している」とも「等速運動している」とも考えられるということ。
静止状態ならば、力が全く働いていないとも、右からも左からも同じ力を加えられているとも考えられる。
だから、数式からは、力があるのかないのかわからない。

次に、m=0のときを考える。
F=0aよりaが何であれ、F=0である。
このとき、F=0か、F=F+(-F)なのかは判断がつかない』
こういった理解であっているでしょうか。

また、疑問点なのですが、
>そこへ事実上大きさ0の物体を置き、・・・
大きさ0というのは質量0の物体とはまた別物でしょうか?
この辺りから混乱してしまいます。

少し話が逸れてしまいますが、近接作用説の「場」の考え方は、「力はない、力は無限大」などと物体に働く力について、色々な見方をするのが複雑で面倒だったから生み出されたのでしょうか?
見当外れなことでしたらすみません。
まだ電磁気の電気の分野についてしか勉強していないのですが、「場」なんて考えずにクーロンの法則で全部考えてしまえばいいのに・・・などと思ってしまいます。

お手数おかけしますが、よろしくお願いします。

補足日時:2011/09/09 02:33
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以下の説明は,大学初年級の読者を想定した砂川重信『電気磁気学の考え方』岩波書店(1993)を参考にしています。




クーロン力Fは,主たる荷電粒子(電荷Q)が作る電場の強さE(r)に比例します。

F=qE(r)

ただし,E(r)=kQ/r^2

荷電粒子は大きさを持つ物体です。仮に半径aの球内に電荷Qが一様に分布しているとすれば,静電場E(r)は,

r<aのとき,距離に比例します。これは積分形のガウスの法則を適用してこうなります。

 E(r)=(kQ/a^3)r

r>aのとき,aには関係なく,距離の二乗に反比例

 E(r)=kQ/r^2

となります。この場合の結論は,r=0のときE(r)=0だからF=0です。



このテキストでは,半径aの球殻の表面に電荷Qを与えた場合の球殻内外の静電場の場合を,演習問題にしています。この場合の結論は,内部の静電場はE(r)=0なのでF=0です。

つまり電荷の集合状態によって,静電場を表す式がE(r)=kQ/r^2ではないものとなるので,その場合r=0が定義できるということになります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
積分形のガウスの法則など、もう少し調べてみたいと思います。

お礼日時:2011/09/08 01:49

近づけば近づく程反発する力が強くなる訳ですから、最小単位の電荷は互いに近づかないように距離を保とうとしている、その結果として自由に動ける場所では電荷は均一に分布しようとしている、そのためr=0とにはならない、ということだと思います。

「最小単位の電荷」をさらに小さく分けることができるのか、という議論は意味があるのかどうか、よくわかりません。点電荷というのは空想上のもので、1クーロンもの電荷が一点に集まるということはあり得ないということだと思います。
電荷をとりまく媒質がある場合、媒質は分極を起こしてその場の電界を打ち消す方向に、媒質内でバランスしていた筈の電荷を並べます。その結果電界が小さくなるので働く力は小さくなります。でも媒質は必ずしも与えた向きと同じ向きに分極するとは限らないので、クーロンの法則は真空中の法則で、媒質がある時には近似的に成り立つ場合がある、と思った方が良いと思います。
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この回答へのお礼

いつでもクーロンの法則が絶対だと思い込みすぎないようにしたほうがいいのですね。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/08 01:13

これについては、あまり詳しくないのですが


あまりに距離が小さくなると核力(強い力?)が
電磁気力に打ち勝ってしまい核反応を起こすことになります。

原子核レベルの大きさで考えていますが
r=0などは原子核レベルでなければ
ありえないと思います。
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この回答へのお礼

確か、強い力は陽子と中性子をくっつけるような力でしたよね?
曖昧にしかわからないので自力で調べてみようと思います。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/08 01:11

r をどんどん小さくしていけば Fは大きくなっていきます。


その極限が 0 です。
だから、F は無限大になります。
比例乗数は、No1の通りで ε で決まり物質のより違いがあります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/08 00:38

普通に極限を取れば無限に飛ぶでしょう.



比例定数kは
k=1/4πε
と書け,εは誘電率で,これが媒質によって異なるので,kも媒質によって変わってきます(真空の値よりも小さくなります).

要するに,媒質中で電場をかけると媒質が分極して電場が小さくなるから,電荷間に働く力も弱まります.
電磁気とか原子物理の書籍に詳しく書いてあるので参照してみてください.
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この回答へのお礼

極限を取る、という考えが頭から抜け落ちていました。
「媒質の分極」については、もう少し勉強してみようと思います。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/08 00:33

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