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先日、「回路(交流)に直列接続したコンデンサは回路の’電圧降下の補償’」「回路に並列接続したコンデンサは回路の’力率改善’」という話を聞きました。

これまで、コンデンサといえば電圧の位相に対し電流の位相を90°進め、コイル等のインダクタンスによる遅れ位相を打ち消すことで力率を100%に近づけるという認識でした。
また、力率改善の結果、回路に流れる電流も小さくなり(力率改善前より)電圧降下を軽減することができると思っていました。

つまり、力率改善という効果があっての電圧降下の軽減なのかと思ってました。
しかし、先日の話では別物のようでした。

電気回路的に直列接続か並列接続かの違いで’電圧降下補償’’力率改善’のようにきっちりと役割が分類されるのでしょうか?

どなたか詳しい方よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

周波数を固定したとき、誘導性負荷は、インダクタンスと抵抗の直列回路と見なすことも、インダクタンスと抵抗の並列回路と見なすことも可能です。


負荷のインピーダンスをZ=R+jX=R+jωLとすれば抵抗RとインダクタンスLの直列回路に見えますが、このときアドミタンス(インピーダンスの逆数)Gは、G=1/Z=1/(R+jωL)=(R-jωL)/{(R+jωL)(R-jωL)}=R/{R^2+(ωL)^2}-jωL/{R^2+(ωL)^2}=1/{(R+(ωL)^2/R}+1/j{ωL+R^2/ωL}となり、G=1/Z=1/R'+1/jX'という形式に変形できます。即ちR'=R+(ωL)^2/Rという抵抗と、X'=ωL+R^2/ωLという正のリアクタンスの並列回路と等価だということです。

並列にコンデンサを抱かせて力率を改善しようとする場合、誘導性負荷のコンダクタンスをG=1/Z=1/R'+1/jX'と考えて1/jX=-j/XをjωCと相殺すれば1/R'だけが残ります。即ち無駄に1/jX'に流れていた電流は1/jXとjωCの間だけを巡回するようになって、回路の外からは見えなくなり、1/jX'を取り外したのと同じ効果があります。並列回路ですから、1/R'に加わっていた電圧と1/R'に流れていた電流に変化はありません。誘導性負荷の並列インダクタンス成分に流れていた無駄な電流は抱かせたCが供給するようになるため外から供給する必要が無くなるということです。

直列にコンデンサを挿入する場合には、誘導性負荷のインダクタンスをZ=R+jXと考えて、jXを1/jωC=-j/ωCと相殺します。そうすると無駄にjXに加わっていた電圧は1/jωCに加わる電圧と打ち消し合い、jXと1/jωCの接続点には電圧が発生するがjXと1/jωCの直列回路全体を見ると電位差ゼロの状態になって、jXをショートしたのと同じ効果があります。その結果与えた電圧は全てRに加わるようになって負荷の実数部に加わる電圧は上がり、電流が増えます。誘導性負荷の直列インダクタンス成分に加わっていた無駄な電圧はCが発生する電圧によってキャンセルされて供給する必要が無くなるということです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます!
あと何点か質問させてください!

等価回路であるということは理解できたのですが、等価だから…結果的にどういったことが言えるのでしょうか?
並列の際は電流、直列では電圧で考えているのはインピーダンスとアドミタンスの関係からですよね?

直列にコンデンサを挿入したとき、無効分であるjX(←jωL?)をコンデンサ(1/jωC)と相殺させれば、電圧は抵抗分Rのみにかかることになり無駄がなくなる(jXでの電圧降下がなくなる)という意味だと理解しました。
しかし、実際に相殺させるとはどうすればいいのでしょうか?(Lの値等を正確に測ることは困難だと思うのですが)

並列にコンデンサを挿入したとき、
>>無駄に1/jX'に流れていた電流は1/jXとjωCの間だけを巡回するようになって
という意味がわかりません。
>>無駄な電流は抱かせたCが供給するようになるため
Cが供給するようになるというのがわかりません。

どうかよろしくお願い致します。

お礼日時:2012/01/19 23:12

1) 等価の話を最初にさせて頂いたのは、並列の場合はアドミタンスで、直列の場合はインピーダンスで考える方が簡単だからです。


2) 無効成分の相殺は、電流波形と電圧波形の位相が一致することでわかると思います。現場では力率計を使うのではないかと思いますが。
3) 1/jXとjωCの間だけを巡回する状態というのは、並列共振している状態です。電流は電源周波数(=並列共振周波数)でCからLへ、LからCへと行ったり来たりして回路の外に出てきません。だから回路の外から見ると何も付いていないように見えます。電源電圧がゼロのときインダクターに流れる電流(この電流はコンデンサーから供給されます)は最大になります。この時共振のためのエネルギーは全てインダクターに蓄えられています。電圧が上がるにつれて電流が減り、インダクターに蓄えられたエネルギーが減少するのと同時に、電圧が上がってコンデンサに蓄えられる静電エネルギーが増大します。電源電圧が最大になった時、インダクターに流れる電流はゼロとなり、エネルギーは全てコンデンサーへ移ります。次にこの逆が起き、これを繰り返します。振り子の振動のような感じです。この間、電流のやり取りはコンデンサーとインダクターの間だけで起きるので、繰り返しになりますが、外から見たら、ハイインピーダンスです。
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この回答へのお礼

なるほど!
直列共振と並列共振がポイントなんですね。

しかし、本来の負荷を”抵抗分R”と”誘導性リアクタンスL”としたとき(つまりZ=R+jωL)にコンデンサを並列接続するというのは”誘導性リアクタンスL”に対して並列に接続するという意味になるんですよね?
そうなると、並列に接続されたLとCはハイインピーダンスになることから電流を通さなくなるわけで、回路的には開放状態(閉回路でなくなる)と考えられ当然直列に接続された”抵抗R”にも電流は供給されないのではないでしょうか?”抵抗R”と”誘導性リアクタンスL”がもともと並列に接続されていると考えるならLにCを並列接続してもRのみで閉回路が成り立つので電流は全てRへ供給されるのがわかるのですが…

お礼日時:2012/01/20 21:42

No.2のお礼のご質問にお答えします。



並列に抱かせるCは負荷のリアクタンスjX=jωLではなくて、サセプタンス
1/jX'=1/j(ωL+R^2/ωL)と共振させます。
これを並列インダクタンス(L')として理解したければ、L'=X'/ω=L+R^2/(ω^2L)です。

Cを並列につないだ時、サセプタンス1/jωC+1/j(ωL+R^2/ωL)はゼロとなって、
即ち並列リアクタンスは無限大になりますが、コンダクタンス(1/R')が残ります。
その残った並列抵抗、R'=R+(ωL)^2/Rに電流が流れる訳です。
No.1の回答のアドミタンスの説明の式をもう一度読んで、自分でインピーダンスから
アドミタンスへ変換する計算をしてみるとイメージが湧き易いと思います。
(最初の回答でアドミタンスの記号に"G"を使ってしまいましたが、"Y"を使うべきでした。)
それで疑問が残ったら、もう一度お問い合わせください。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりました!
ようやく理解できました。
わかりやすくかつ迅速な回答ありがとうございました!

お礼日時:2012/01/24 20:57

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