ショボ短歌会

「ヒトラ-最後の12日間」という映画で、ヒトラーが自害を決断し遺書を部下に聞き取らせる場面で、
「自分の誇りは公然とユダヤ人と対決したことだ」という発言を残しましたが、
この発言の背景、つまりこの時代、ユダヤ人はどのような優位な立場、境遇にいたのかお教えください。

A 回答 (2件)

部分的には以下の質問にて回答していますので、そちらもご参照ください。



http://questionbox.jp.msn.com/qa4856474.html
http://questionbox.jp.msn.com/qa5242041.html

なお、ユダヤ人が金融資本、出版業界に大きな力を持つことになった背景ですが、こちらも古くからのキリスト教信仰、ユダヤ人に対する差別が関わってきます。

キリスト教においては、仕事の対価としてお金を受け取ることは許可されていましたが、利子を取って人に貸すということは許されていませんでした。貸し借りは可能でしたが、利子を取ることが許されていなかったのです。イエスが生きていたころの生活では、まだ貨幣経済が大きくなく、物々交換や現物支給が大きな意味を持っていたので、それでも十分でした。その後、貨幣経済が大きくなってくると、物々交換も難しくなってきます。また、遠隔経済も発展し、物の価値といったものが相対化されてくることになります。

こうした中、キリスト教信者たちは農業や職人として生計を立てていました。ユダヤ教信者は、土地所有を許されず、職人集団であるギルドにも加盟することが許されていませんでした。当時は、ギルドに加盟しなければ職能を習得することもできず、製品を販売することもできませんでしたので、ユダヤ人たちは別の方法で生計を立てるしかありませんでした。そのため、商売を生業とするユダヤ人が増えたのです。金があって物の取引をすれば、その中から生活必需品を工面することも可能でした。当時の農家や職人は旅に出るなどと言うのは夢のまた夢でしたから、ある町の特産を別の町に持っていけば多くの利益を得ることができたのです。そうした中から、商売で得た資本を元手に金貸しを始める人も出てくることになります。貨幣経済の拡大は、たとえ高利であっても金を借りなければ生活が成り立たなくなる場面を増やすことになりました。そのため、利子を取れなかったキリスト教信者に対して、金融業はユダヤ人の独占となっていきます。

また、商売というのは多くのニュースを吟味し、物の動き、景気、天候などを元に取引を有利に進めていこうとしますから、ユダヤ人はニュースを集めることにも習熟していきました。印刷技術が発明されたことで、そうしたニュースを集めて印刷し、販売しようと考えたのも無理ありません。それまでのギルドとは全く別にジャーナリズムという市場が構築されることになりますし、市場構築を進めていくのもユダヤ人でしたので、ユダヤ人が排斥されませんでした。

こうした背景から、産業革命以降の革新的な資本主義社会において、ユダヤ人の占める位置づけというのは大きな意味を持つことになってしまいます。工場経営というのも、昔からの職人技能とは別物になりますので、資本力のあるユダヤ人にとっては格好の稼ぎ場となりました。

歴史的に差別され排斥されていたユダヤ人ですが、そのことが逆に行動の自由を生みだし、時代の変遷に上手く乗ることを可能にしたとも言えます。

また、ユダヤ人の中には頑なに伝統を守ろうとする正統派ユダヤ人と、信仰は保ちながら、日常生活的には社会に融和していこうとする者とが居り、ドイツでは特に融和しようとする方向が強く出ていました。そのため、「ドイツ社会に浸食してきているユダヤ人」という図式が民族主義的な陣営から危機感を持たれることになったわけです。

以上、ごく簡単に。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

http://questionbox.jp.msn.com/qa5242041.htmlの回答について、
1918年革命がユダヤ人の陰謀とされ、ユダヤ人との関係が悪化しという説明を受けて、
まさかドイツ革命が尾を引いてユダヤ人迫害に繋がっているとは思いもしませんでした。
また、反ユダヤ主義を現在の日本の反在日感情への比較は大変参考になりました。
実に生々しいものとして、一挙に理解できました。

次に本回答について、
ユダヤ、キリストの信条の差(タブーの差)から、ユダヤ人が資本を獲得し、さらに産業革命においてその資本を大いに活用して資本家としての立場を強固にした。
国を持たぬゆえに「ドイツ社会に浸食してきているユダヤ人」

そして各国に先んじてユダヤ人を排除を断行したヒトラー、
確かに遺言においてそれは誇れる行いだったんですね。

大変参考になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/06 18:08

>つまりこの時代、ユダヤ人はどのような優位な立場、境遇にいたのかお教えください。



一口で言うと、ユダヤ人は「経済を支配」していました。
イギリスなどは、戦費調達の約束として「戦費を出せば、ドイツに勝利後はユダヤ国家設立を認める」と述べています。
結果、この約束が元になってイスラエル建国・パレスチナ難民問題が生じています。
今でも、アメリカ経済の大部分はユダヤ資本ですよね。
(アメリカが、イスラエルの擁護国家となる原因です)
政権を取る前の演説では、「ユダヤ人がいるので、ドイツ民族の失業者が増える」とまで述べています。
ユダヤ民族は、国家を持たない民族ですよね。
ですから、無意識で「経済活動に活路」を求めたのでしよう。
ヒトラーは、ゲルマン民族の優位性を基本としていました。
経済だけでなく、文化の面でも優位に立つ事が目標だったのです。
余談ですが・・・。
ナチス宣伝相ゲッペルスの遺書です。
「私は、ドイツ国民に同情しない。国民の方から我々に政権を委託したのだ。つまり、自業自得なのだ」
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>イギリスなどは、戦費調達の約束として「戦費を出せば、ドイツに勝利後はユダヤ国家設立を認める」と述べています。
結果、この約束が元になってイスラエル建国・パレスチナ難民問題が生じています。

一次大戦では秘密条約が結ばれたことは聞いたことがありましたが、二次大戦でもそれと似たようなことが繰り返されたんですね。
おかげで2つの大戦の連続性を意識できました。
ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/06 16:49

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