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「相殺の抗弁が提出された場合のように、私法上の形成権が攻撃防御方法として裁判上行使された場合、私法上の効果を生じるのか」という問題で

いわゆる併存説からの結論としては
「当事者の意思を合理的に解釈して、訴訟における形成権の行使は訴訟行為のほかに私法行為としての性質を有し、当該抗弁は、攻撃防御方法としての意味を失ったときは失効するという条件的法律行為であると解する。よって相殺の抗弁の提出が却下された場合には実体法上の行為も失効するものと解する。」
というものになると思います。

しかし、私はこの結論の、「攻撃防御方法としての意味を失ったときは失効する条件的法律行為であると解する」という部分の具体的なイメージがいまいちできません。

「攻撃防御方法としての意味を失ったとき」というのは、当該裁判の終わり(口頭弁論終結時など)をいうのでしょうか?
つまり、攻撃防御方法として提出された相殺の抗弁は、弁論手続き中は実体法上にも影響を及ぼす。
だから相殺の抗弁の提出が訴訟上で却下された場合には実体法上も相殺はできない。
しかし、弁論終結時つまり(相殺の抗弁が攻撃防御方法としての意味を失ったとき)は、失効するので、実体法上、相殺を行うことができる。

という解釈で良いのでしょうか?
どなたかご教授下さい。よろしくお願いします。

また、「相殺の抗弁の場合にはこのようにいえるが、取消権や解除権の行使の場合には実体法上の効果が残った方が有利になることもある」とテキストにはあるのですが、これはどのような意味なのでしょうか。
こちらも合わせて回答して頂ければ幸いです。

A 回答 (1件)

>「攻撃防御方法としての意味を失ったときは失効する条件的法律行為であると解する」と 



事例
 AはBを相手取って100万円の貸金返還請求訴訟を提起したところ、BはAに対する100万円の売掛金債権を自働債権として対当額で相殺する旨の抗弁を提出したところ、裁判所は、その提出は時機に後れたものとして相殺の抗弁を却下した上で、原告の請求を全部認容する判決を言い渡し、当該判決は確定した。
 そこでBはAに100万円を返済した上で、あらためてAに対して100万円の売掛金の請求をしたところ、Aは「先の訴訟でBは相殺を主張したのだから、当該売掛金債権は相殺により消滅したので支払には応じない。」と主張した。

 上記の事例で、「攻撃防御方法としての意味を失ったときは失効する条件的法律行為」と解すれば、Aの主張は失当と言うことになります。

>「相殺の抗弁の場合にはこのようにいえるが、取消権や解除権の行使の場合には実体法上の効果が残った方が有利になることもある」

 例えば、裁判上で主張した時点では除斥期間内だったが、裁判が終了した時点では除斥期間が経過するような場合が考えられます。ただ、取消権や解除権は、確定判決の遮断効により主張できなくなると解する立場(判例)によれば、あまり実益はないと思います。(前訴の訴訟物と後訴の訴訟物が違う場合ならば、実益はあるか?)
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