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指示代名詞「ここ、そこ、あそこ」は「此処、其処、彼処」と書き、「こ」に「処(コ、キョ、ショ、ソ)」という漢字が充てられているので語源が推測できますが、「これ、それ、あれ」の語源をご存知の方、ご教授願います。

A 回答 (6件)

#5です。



>「助辞」、あるいは「接尾語」だけではまだ納得がいきません。「意味の添加」や「何らかの文法的機能」として説明できないのでしょうか。
 :
「日本語をさかのぼる」(大野晋)では、二音節語までは分析が可能だが、ヤマトコトバの一音一音に個々の意味を割り付けようとする所謂「音義説」には限界があり、そもそも「日本語の音の結合の仕方についての考え方をまったく変えなければならなくなる。」としてアジアにおける古代日本のありようへとその眺望を述べている次第です。

ですから、#4で上げた「日本語の起源」(田井信之)がようやく見つけた文献であって、他では接尾辞ていどの扱いがせいぜいでした。

そこで、あえて上代語における下二段活用での連用形由来という流れでの、私なりの音義説を考えてみました。
1.話者のテリトリー
「吾(わ)」に「現(あ)れしもの/生(あ)れしもの」⇒ 「吾(わ)れ」
2.対者のテリトリー
「其(そ)」で「現(あ)れしもの/生(あ)れしもの」⇒ 「其(そ)れ」
3.話者や対者のテリトリーに属さない第三のゾーン
「彼(あ)」へと「離(か)れしもの」⇒ 「彼(あ)れ」
4.何処に属すかが不明なエリア
「何(いづ/いど/ど)」とは「出(い)づれしもの」(不定なのでこれだけは已然形)⇒ 「何(いづ)れ/何(いど)れ/何(ど)れ」
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この回答へのお礼

ありがとうございます。無骨な質問に辛抱強くお付き合いくださり感謝いたします。様々なご指摘やご知見は日本語を考えるうえでたいへん参考になりました。今回の質問はこれにてQ.E.D.

お礼日時:2013/04/08 12:36

#4です。



>このような説明を「コレ」「ソレ」に関してもできるのでしょうか。

この辺を参考にしてはいかがでしょう。
賀茂百樹 「日本語源. 上」(456頁;コマ番号236/305)
「此(コ) 目前にあるものを叫呼したる声にて、…コノといへる多し。…彼(ア)と己(オ)、然(シ)と其(ソ)の如く、彼(カ)と此(コ)も同等の叫声なるべし。…」
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1126414

また、語源の検討、語根とは何か、単語家族の範囲、「音義説」の限界と子音終りの語根の位置づけ…などの点においては大野晋「日本語をさかのぼる」(岩波新書)などが参考になるでしょう。

なお、気を付けたいことは、指示代名詞はどのような場でも総てが用いられる訳ではなく、話し手と聞き手が共に「此(コ)」の場を共用した時の他の場が「彼(ア)」であり、その両方から外れた場所が「何(ド)」であって、このような「コ系・ア系」に対して、話し手と聞き手の場が異なる位置関係での「ソ系・ド系」とは基本的に指示の場の構造的差異についての明解な分別が欠かせないことでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

賀茂百樹 「日本語源. 上」(456頁;コマ番号236/305)では「コ」「ソ」に関しては解説がありますが、「レ」については「助辞」としてしか扱っていません。

また、大野晋「日本語をさかのぼる」(岩波新書)には第7章語根で「コレ」「ソレ」などの「レ」に関しては「接尾語」としか説明がなく、その意味するところまでは言及していません。

「ココ」「ソコ」「アソコ」「ドコ」の「コ」の音に「場所」の意味があるというのが分かっているようですが、

「コレ」「ソレ」「アレ」「ドレ」の「レ」に関しては#1さんのご回答にあった説明<<カル(離る)の連用形カレ(離れ)が喉音群の子音の脱落によって「アレ」となった>>以外の「コレ」「ソレ」「ドレ」の「レ」の説明ができていません。

「助辞」、あるいは「接尾語」だけではまだ納得がいきません。「意味の添加」や「何らかの文法的機能」として説明できないのでしょうか。よろしくお願いします。

お礼日時:2013/04/05 21:56

#1です。



>したがって「彼」は明らかに当て字です。つまり、「レ」の音がどこから来たか、そういう意味で「レ」の語源を知りたかったのです。

「明らかに当て字」とお分かりであれば、では「処(處)」の方でも呉音「ソ」漢音「ショ」は字音であっても、「キョ」は当て字で「こ」も当て字というか義訓なのだとお分かりではないでしょうか。

例えば、「彼処」の読みには「あこ/あしこ/あすこ/あそこ/かしこ」などがあり、また「あそこ」の漢字もまた「那所/那処/彼処/彼所」など一様ではないのですから。

「あれ」についても、「彼」という字自体に「あ/あれ/か/かれ」などの字訓や義訓が混じり、それが和式漢文というか候文が主流の時代において、そのような漢字を組むための当て字として熟字訓や義訓が大量に使用されていったということでしょう。

参考:「喉音群の子音の脱落」(田井信之「日本語の起源」角川書店)
「カル(離る)の連用形カレ(離れ)が遠称代名詞のカレ(彼)・カ(彼)になったが、[k]を落としてアレ(彼)・ア(彼)になった。また、カレシトコロ(離れし処)の省略形のカシコ(彼処)はアシコ・アソコに転音した。カノカタ(彼の方)の縮約形のカナタ(彼方)はアナタに転音した。」
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この回答へのお礼

ありがとうございます。「アレ」音源が明解ですばらしいです。このような説明を「コレ」「ソレ」に関してもできるのでしょうか。純粋に音だけによる説明が欲しいのです。

近称の「コレ」の起源を「コノカレ」とすると、「コノカレ」の「カレ」が遠称の「カレ」と同源では矛盾しますよね。つまり、「コレ」には、全く別の音源があるのではないでしょうか。

しつこくてすみません。よろしくお願いします。

お礼日時:2013/04/02 10:41

追伸:日本語ですから、勿論「このかれ」が「これ」ですよ。

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この回答へのお礼

ありがとうございました。言語の基本は「初めに音ありき」ですね。

お礼日時:2013/03/31 10:55

先の回答に付け加えて。


「彼」は、人間を示したりするものではなく、元々方向・場所を示す漢字だったようです。行人偏には、方向を示す意味があります。「此」の「彼」にあるものが「此彼」、「これ」というわけです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。すみません。また質問の仕方が悪かったようです。

もっと簡単に質問すると、漢字の「彼」の語源ではなく、「レ」の「音」が方向や場所の意味で使用されている例が他にあるかどうかを知りたいのです。

「コ、ソ、ア」には「話者の領域、聞き手の領域、それ以外の領域」という概念が対応しているのはご指摘の通りですが、「レ」はいったいどこから来たのでしょうか。

お礼日時:2013/03/31 11:16

一般的には、次のような仕訳がされています。



指示代名詞  コ系(近称) ソ系(中称) ア系(遠称)系 ド系(不定称)
         (此)     (其)     (彼)      (何) 
       
人物(・奴)   此奴     其奴    彼奴       何奴       
  (・イツ)  (コイツ)   (ソイツ)  (アイツ)    (ドイツ)

事物(・彼)   此彼     其彼    彼彼       何彼
   (・レ)   (コレ)    (ソレ)   (アレ)     (ドレ)

場所(・処)   此処     其処    彼処       何処
   (・コ)   (ココ)    (ソコ)   (アソコ)     (ドコ)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。私の質問の仕方が悪かったので誤解されたようです。すみません。もう一度質問し直します。
場所の場合、お答えのように、「コ」の音に「処」が充てられていますが、これは、「処」に対して「コ、キョ、ショ、ソ」の音があり、場所を意味することが分かっていますから、コ処、ソ処、アソ処となるのは納得できます。つまり、「コ」の音は「場所」の意味に用いられていたことがわかります。
しかしながら、事物の場合の「レ」に充てられている「彼」には「ヒ、ビ」の音しかないうえに、「物」という意味はないのです。したがって「彼」は明らかに当て字です。つまり、「レ」の音がどこから来たか、そういう意味で「レ」の語源を知りたかったのです。

お礼日時:2013/03/30 08:59

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