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ja.wikipedia.org/wiki/不確定性原理 の 「2.測定精度と測定の反作用」 に 「(前略)波長の短い光はエネルギーが大きいので(中略)観測対象の運動量へ影響を与えてしまう。(後略)」 とあります。しかし、観測対象の運動量が光のエネルギーに影響されて変化するのは光とぶつかった瞬間より後のことであり、観測される、光とぶつかる瞬間以前の観測対象の運動量は、まだ、それに影響されて変化していないものなので、不確定性原理を導き出したという、この思考実験はおかしいのではありませんか。

A 回答 (13件中11~13件)

 自分は#1さんの最後の一言、



>・・・このγ線顕微鏡のはなしだけで不確定性を理解しようとしないほうがいいです。

が重要だと思います。

 歴史的前後関係は逆かも知れませんが、ハイゼンベルグが提出したγ線顕微鏡を例にした不確定性原理の話の前に論理的には、有名な2重スリット実験があります。

 2重スリット実験の結果を最も安全に解釈すると、量子に軌道は存在しないという事になります。何故なら量子(電子でいいです)の軌道を定めるためには、位置と速度(運動量)を「同時に」測定する必要があるからです。

>・・・観測対象の運動量が光のエネルギーに影響されて変化するのは光とぶつかった瞬間より後のことであり、・・・

は確かにその通りなのですが、欲しいのは「同時に」測定された(位置,運動量)のペアなんですよ。量子力学以前には、光が電子をキックするなんて事は理論的にありえない事だったんです。

 しかしそこにも電磁気学があったので、γ線を照射する電子の位置と運動量の測定は、位置優先で測定するしかなっかたのは昔も今も変わりません。ただし量子力学以前では、γ線が電子をキックする事はなかったので、γ線を照射した後の電子の位置をγ線照射で逐一測定すれば、間接的に電子の速度(運動量)も、「同時に」測定できたのと同じだ!となっていました。

 しかし2重スリット実験結果を見たハイゼンベルグは、(位置,運動量)のペアは同時に測定する事は不可能で、電子のようなミクロの存在には軌道は存在しないと感じたようです。しかしそれは予想に過ぎません。例えば、電子の軌道を本当に観測(決定)できるような物理的状況が設定可能だったら、量子に軌道は存在しないなどという戯言は、絵に書いた餅になります。

 そこでハイゼンベルグは、古典物理は完全に正しいという前提を置き、古典物理に外から作用する外在的な量子効果をもしも認めたならば、古典物理でどのような結論が得られるか?という考察を行います。結論は、量子効果からは逃れられないです。

 結局ハイゼンベルグは古典的物理測定に対する、量子論的な一つの反例を示しただけです。でも、きわめて強烈ですけどね(^^;)。

 そしてハイゼンベルグの反例もあるのだけれど、2重スリット実験などを勘案すると、現実の物理的実在は本質的に(自然として)確率的存在ではないのか?、というのが今の物理の認識だと思います。それが#1さんの、最後の一言につながります。

 結局人間は、理論や実験で自然を解釈して行く事しか出来ません・・・(^^;)


 そして、とっても意外な事も起こります(^^;)。

この回答への補足

4点お尋ね致します。:
1.一回のγ線照射によってγ線の跳ね返り位置と波長変化を計測しても電子の位置と運動量が同時に計測出来たことにならないというのは何故でしょうか。
2.それと同じかも知れませんが、光が電子をキックしたら電子の位置と運動量が同時に計測出来ないというのは何故でしょうか。
3.「古典物理に外から作用する外在的な量子効果」とは何の事でしょうか。
4.二重スリット実験で電子の波動性・確率分布性が分かったことと、電子の確率的な位置と運動量が同時に測定出来ないことの因果関係は如何な物なのでしょうか。

補足日時:2013/06/26 21:45
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この回答へのお礼

御回答を誠に有難う御座いました。

お礼日時:2013/06/26 21:10

No.1さんが実に明快な解説をなさった後で少々恥ずかしいですが、門外漢の回答です。



粒子の位置と運動量を正確に観測しようとして、波長の短い光を当てるわけですが、それはエネルギーが大きいために観測対象に影響を与えてしまう。つまり、粒子の位置や運動量を正確に測るために必要な準備・道具立てが観察対象を変化させてしまうので、それを「ありのままの姿」で見られなくなってしまい、結局は正確な観測ができなくなってしまう、とハイゼンベルクは(思考実験的に)述べているわけでしょう。

例えば、暗闇の中で獲物の動物をつかまえるためにはライトをつけなければならない。ところが、それまで暗闇に潜んでいた獲物が、光に反応して逃げ出してしまったと考えてください。このことは、「捕まえるために光を当てた」わけですが、それが逆効果を生んで、結局(それがもとで)獲物を逃がしてしまう。量子力学の観測でもこれと同じようなことが起こるのだ、と言っているんでしょうね。

この回答への補足

大兄の前と後にお答え下さった方々との遣り取りで、第2段落へのお答えに代えさせて頂きます。
また、仰るような動物のアナロジーが成り立つ根拠が全く分かりかねます。

補足日時:2013/07/03 08:16
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この回答へのお礼

御回答を誠にありがとう御座いました。

お礼日時:2013/06/26 15:36

γ線顕微鏡の思考実験が問題にしているのは「測定結果」についての話で,その測定の精度がプランク定数で指定される精度以上には上がらないというのがその内容です。



γ線顕微鏡の場合,不確定になっているのは測定前に対象が「現実に持っていた」位置や運動量ではなく,「測定結果」です。

この場合に「測定結果」として直接見ているのは,衝突後のγ線ですから,測定結果は測定前の状態ではなく測定直後の状態が反映されたものです。

われわれは(広い意味での)測定という行為を通してしか情報を得ることはできず,測定により検出しているのは何らかの「刺激」に対する応答でしかないわけですから,測定前の状態というのは永遠に知りようがありません。この測定のための「刺激」が結果に影響を与えず,測定前後で値が変わらないということであれば,測定後の値をもって測定前の値とすることができます。普通の測定はこれが問題なくできているのですが,不確定性原理が問題になるような場面では,そこに問題が生じるということです。

それから,近年はこのような測定の擾乱による不確定性と量子力学が本質的に内在している不確定性をはっきり区別して扱おうという提案がされています。それが,そのwikipediaの下のほうに書かれている小澤の不等式です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E7%A2%BA% …

なので,このγ線顕微鏡のはなしだけで不確定性を理解しようとしないほうがいいです。

この回答への補足

御回答の第3段落が分かりません。: 衝突後のγ線を測定結果として見ているので、衝突後のγ線が、衝突後(=測定後) の素粒子の状態 に影響され(=を反映し) ている、という論理が分かりかねます。

補足日時:2013/06/26 15:44
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この回答へのお礼

早々の御回答を誠に有難う御座いました。

お礼日時:2013/06/26 15:37

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