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1、モータのトルクリプルと、コギングトルクの違いは、「電流を流したときに発生する固定子と回転子の磁束の相互作用で起きる脈動現象」と、「電流を流さない状態で,外部から軸を回転させたときに,ガクガクと感じるトルク」の違いでしょうか?
低減方法は、共通でしょうか?


2、永久磁石同期モータの効率向上させるため、高磁束密度の電磁鋼板が必要だと聞いたことがあります。結局、ネオジウム磁石より、高性能な磁石を発見して使用しても、それを生かす「高磁束密度の電磁鋼板」を、使わないと、磁束が飽和して、効果がないのでしょうか?

A 回答 (2件)

>>一方、コギングトルクは回転角により磁気抵抗が変化しないように固定子の


>>凸極の形状を工夫するかあるいは回転子のマグネットの着磁の角度による
>>磁力分布を変えてコギングによるコギングトルクを少なくなるような着磁を
>>行います。
>>しかしこの方法は結果的に有効な磁束を減らしてしまう傾向がどうしても
>>避けられないため効率が重要になるモータには適用しにくいという側面が
>>あります。
>埋込永久磁石同期モータの場合は、マグネットトルクに加えて、磁気抵抗の非対称性
>を生かして、リラクタンストルクを積極的に活用しています。
>この場合、コギングトルクの発生(騒音、振動等での損失発生)と効率は、トレード
>オフの関係になるような気がするのですが、うまくバランスするように考慮
>されているのでしょうか?

回答>>埋込永久磁石同期モータ(IPMモータ)の場合、磁気回路の設計に有限要素法を用いた電磁界解析によりロータ形状を最適化してコギングトルクの発生(騒音、振動等での損失発生)と効率を計るのが一般的なようです。例えばこちらにあるような。(https://www.jmag-international.com/jp/catalog/58 …
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この回答へのお礼

ご回答有難う御座います。

よくわかりました。有限要素法を用いた電磁界解析で検討しますが、
パーミアンスの変化を緩和することでコギングトルクは低減できますので、低減手法として具体的、物理的には以下のことをやっているようですね。
(1)スキュー:
・固定子のスキュー,回転子(磁石)のスキュー,着磁のスキュー
(2)起磁力の正弦波化:
・着磁を正弦波状にする.
・極異方性化する.
・磁石の厚さを変化(たとえば,かまぼこ形状)させる。
(3)磁極・スロットの組合せ
・回転子の極数と固定子のスロット数の最小公倍数を大きくする。
(4)平滑鉄心化
・空隙巻線(鉄心を用いない)とする。

お礼日時:2014/06/21 08:21

>1、モータのトルクリプルと、コギングトルクの違いは、「電流を流したときに発生する固定子と回転子の磁束の相互作用で起きる脈動現象」と、「電流を流さない状態で,外部から軸を回転させたときに,ガクガクと感じるトルク」の違いでしょうか?



回答>>その理解で合ってると思います。トルクリプルはモータの電流と回転角度により変化する磁束の相互作用が一定でないために起こりますが、そのリプル、脈流はモータの電流に比例して大きくなります。
 一方、コギングトルクは「電流を流さない状態で,外部から軸を回転させたときに,ガクガクと感じるトルク」ですが回転子の回転に伴い磁気レラクタンス、すなわち磁気抵抗が変化するために起こります。これは固定子の凸極と回転子のNSの極との相互関係が回転角で変化して、固定子と回転子間の吸引力が変化するために起こってます。このコギングトルクはしたがって、モータの電流に関わらず一定のトルクリプルとなります。

>低減方法は、共通でしょうか?

回答>>上で説明したように、トルクリプルと、コギングトルクはその発生原因と発生原理から低減方法は異なります。
 トルクリプルに対しては回転角で流すモータの電流をトルクリプルを打ち消すように値をコントロールすることで低減が可能です。
 一方、コギングトルクは回転角により磁気抵抗が変化しないように固定子の凸極の形状を工夫するかあるいは回転子のマグネットの着磁の角度による磁力分布を変えてコギングによるコギングトルクを少なくなるような着磁を行います。しかしこの方法は結果的に有効な磁束を減らしてしまう傾向がどうしても避けられないため効率が重要になるモータには適用しにくいという側面があります。

>2、永久磁石同期モータの効率向上させるため、高磁束密度の電磁鋼板が必要だと聞いたことがあります。結局、ネオジウム磁石より、高性能な磁石を発見して使用しても、それを生かす「高磁束密度の電磁鋼板」を、使わないと、磁束が飽和して、効果がないのでしょうか?

回答>>「ネオジウム磁石より、高性能な磁石」とはより大きなエネルギー積を持ったマグネットということになると思いますが、そういう磁石を使用する場合、モータのサイズをそのままで設計すれば、当然、磁気回路に流れる磁束も増えるので「高磁束密度の電磁鋼板」が必要になるでしょう。しかし、効率を考えた場合はエネルギー積が大きくなった分、マグネットのサイズは小型化が可能になりますのでモータとしてのサイズを小型化できることになります。そういう場合は磁束は増やさない事も起きてきますので必ずしも「高磁束密度の電磁鋼板が必要だ」とは限らないとも言えます。

この回答への補足

ご丁寧なご回答有難う御座います。
よくわかりました。
申し訳御座いませんが、下記につきまして、更にご教示願います。

>一方、コギングトルクは回転角により磁気抵抗が変化しないように固定子の
>凸極の形状を工夫するかあるいは回転子のマグネットの着磁の角度による
>磁力分布を変えてコギングによるコギングトルクを少なくなるような着磁を
>行います。
>しかしこの方法は結果的に有効な磁束を減らしてしまう傾向がどうしても
>避けられないため効率が重要になるモータには適用しにくいという側面が
>あります。
埋込永久磁石同期モータの場合は、マグネットトルクに加えて、磁気抵抗の非対称性
を生かして、リラクタンストルクを積極的に活用しています。
この場合、コギングトルクの発生(騒音、振動等での損失発生)と効率は、トレード
オフの関係になるような気がするのですが、うまくバランスするように考慮
されているのでしょうか?

補足日時:2014/06/17 22:09
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