臆病な将官を連合艦隊司令長官に据えたから、日本は戦争に負けたのではないだろうか。
日露戦争の日本海海戦では、東郷平八郎連合艦隊司令長官は、旗艦「三笠」の艦橋に陣取って全軍を指揮した。指揮官が危険な艦橋にいるということで、全将兵の士気は大いに上がった。日本海海戦の勝利の一因として見落とせない。
しかし、日米戦争で山本五十六連合艦隊司令長官は、旗艦で全軍を指揮したことがあるのだろうか。
劈頭のハワイ海戦(真珠湾奇襲作戦)では、空母機動部隊の旗艦「赤城」に座乗せず、指揮を南雲中将に任せて遥か後方の九州佐伯湾の戦艦「長門」にいた。また、ミッドウェー海戦でも、空母「赤城」に座乗せず、「赤城」の後方300キロメートルの安全な「大和」ホテルにいた。
結局、山本五十六は臆病だったのではないだろうか。そんな山本を連合艦隊司令長官に据えるような海軍の人事システムが、敗戦の原因だったのではないだろうか。
No.5
- 回答日時:
区別は難しいですが、臆病と言うより慎重派の軍人であった、と個人的には思っています。
九六式艦上戦闘機の開発の際、赤城(当時三段甲板であり高速機の離着艦には甲板長が不足していた)に合わせて速度性能が犠牲になる事があってはならず、必要であれば赤城を改装する、との発言や機動艦隊構想などは他国に先んじたもので、けして無能な凡将と言うわけでは無いと思います。
それと山本の資質が敗戦の原因だった、と言うのはまったくの間違いです。良く日本は数で負けた、と言われます。確かにそれも一つの要因ではありますが、日本は敵がアメリカ一国だったとしても勝ち目など1パーセントも無かったのですよ。
日本が最後まで実用化出来なかった航空機用排気タービン、2000馬力級発動機(誉は定格1800馬力)も、アメリカでは戦前すでに実用化しており、特に高分子化学では他国に大きく遅れていました。
他国では電線はビニールで被覆されていますが、日本では敗戦まで電線に紙を巻き、塗料で塗っただけの物を使っていました。パッキンからは常に油が漏れ、プラグケーブルは漏電しエンジン性能が落ちる、無線機は通じない。ベアリング一つ取っても他国では機械が自動で造っていましたが、日本では女工がヤスリで手作業で仕上げていました。真球では無いベアリングが金属を組成レベルで破壊しシャフトの折損を引き起こすなど、当時の日本の工業力は一事が万事この調子で、欧米に対し大きく立ち遅れていました。
レーダー開発も、これは防御的兵器であり戦う前に負ける事を考えるとは何事か、と怒鳴りつけられたと言います。航空機は無線が通じないので編隊空戦が出来ない。戦車砲は初速を上げる為に弾体重量を減らして返って貫通能力が落ちる。駆逐艦は対潜能力を軽視し逆に潜水艦に沈められる。
工業規格が存在せず、職人が微調整して部品を作っているので同じパーツであっても共通性が無い。
設計速度、開発能力が非常に低く、アメリカから技術導入が出来なくなった時点で日本の兵器の発展は終わったと言って良いと思います。
例えば零戦ですが、P&Wライトサイクロンを独自改良したエンジン、クルシーRC4をコピーした帰投装置、降着装置はヴォートV143を参考にしたもの、光像式照準器はRevi2bのコピー、プロペラはハミルトン定速プロペラのコピー、20ミリ機銃はエリコンFF、7.7ミリ機銃はピッカース聖、13ミリ機銃はブローニングのコピーです。
戦争は国力と国力のぶつかり合いであり、国力が低いから高性能兵器を開発出来なかったなどは敗戦の言い訳にすらなりません。
私の祖父もあの大戦で亡くなっていますし、戦争で亡くなった方、開発に尽力した方々を誹謗するつもりはありませんが、日本は量産技術・技術・開発能力・兵器の性能・暗号解読、兵站や戦略などあらゆる面で連合国に負けていたのが事実です。戦後ドイツからはソ連やアメリカなどに技術者・科学者が招聘・拿捕されるなどしましたが、日本からは誰一人招聘されていない事が、見るべき技術など持っていなかった事の証左になると思います。
個人的に海軍艦船がアメリカ艦艇ほどの強靭さを持たず、あっさりと撃沈された事は平賀譲造船大差の責任が大きいと思います。平賀式の設計では艦体中央に縦隔壁と呼ばれる仕切りを設けていましたが、艦体を軽く強度を高く出来る反面、片絃に魚雷などを受けた場合、左右どちらかに海水が流入、簡単に転覆する原因ともなりました。
マルコーニが開発したばかりの無線機を各艦艇に装備し、漁船や客船まで動員して情報収集に尽力した日本海海戦、『ヤンキーは根性が無いから一発かませば逃げて行くだろう』と相手を舐めてかかった太平洋戦争。敗戦の理由は色々ありますが、結局は相手の実力を正しく評価せず甘く見た、その時点で敗戦は決まっていたのでは無いかと思います。
この回答への補足
>山本の資質が敗戦の原因だった、と言うのはまったくの間違いです。
隠密行動で日本から遠く離れたハワイまで行くのであれば、米軍基地を叩くだけで引き上げて来るという作戦は愚劣であって、ハワイを占領しなくてはなりません。そういう発想が、山本には全然なかった。
>日本は敵がアメリカ一国だったとしても勝ち目など1パーセントも無かったのですよ。
日米の国力の差を言っておられるのでしょうが、日本海軍があのような戦争をしなければ、勝つことはできなくても引き分けに持ち込むことはできたと思います。早期講和が可能だった。
理由:
1.アメリカはドイツ戦と日本戦を同時に戦うことになるのですから、アメリカの戦力の半分は対日戦に投入できません。
2.日本海軍の行動範囲をハワイまで広げたのは失敗。ミッドウェー攻略戦も無意味です。国力の差を考えれば、日本近海で米軍の来襲を待ち受けるという基本戦略が正当ではなかったか。そうすれば、海軍の装備は遥かに長持ちしたはずです。つまり負けない日米戦を行えたはずです。
(日露戦争では、はるばる欧州からやって来たバルチック艦隊を日本近海で待ち受けて、日本海軍は勝利した。)
No.4
- 回答日時:
歴代連合艦隊司令長官の中で
山本五十六ほど勇敢な男は、いないだろう。
日本海海戦の時は装甲巡洋艦日進に乗り込み砲撃で重傷、指を失いながらも戦った。
山本は、常に戦略的に指揮の取りやすい所に、いた。
い号作戦では、旗艦武蔵をトラックに残し、連合艦隊司令部をラバウル基地に前進させ、指揮をとった。
アメリカ太平洋艦隊司令長官のチェスター・ニミッツは後年の著書の中でこの作戦を次のように評価している。
「山本長官は戦勢の悪化に驚き、連合国計画の撹乱を意図した全面航空攻勢作戦を指揮するため、
自らラバウルに出発した。第三艦隊(空母部隊)から派遣した約200機と、陸上基地の海軍機100機をもって、
彼は戦争中もっとも強力な日本航空部隊を編成、まず最初に、アイアンボトム水道における船舶を、
次いで、東部ニューギニアの目標に攻撃を加えた。
この結果はけっして小さくなかった。駆逐艦1隻、コルペット艦1隻、給油艦1隻、輸送船2隻を撃沈し、
25機の連合軍飛行機を破壊した。」
山本は、連合艦隊司令長官自ら敵の攻撃範囲内の最前線基地に、飛び、将兵を激励するという前例のない
ことを行い、その途上、ブーゲンビル島上空で、米軍機に攻撃され、壮烈な空戦を指揮し。戦死した。
歴代連合艦隊司令長官の中で、最前線で戦死したのは、山本だけである。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
この回答への補足
>山本は、連合艦隊司令長官自ら敵の攻撃範囲内の最前線基地に、飛び、将兵を激励するという前例のないことを行い、その途上、ブーゲンビル島上空で、米軍機に攻撃され、壮烈な空戦を指揮し。戦死した。
私は、山本は自殺したのだと考えています。
1.山本長官が視察のために一式陸攻の乗ってラバウル基地を発進したとき、長官機を護衛するために同行したゼロ戦は、何と6機に過ぎなかった。この、異常に少ない護衛機数をどのように解釈するのか。連合艦隊司令長官が最前線を視察するのに、ですよ。ちなみに、小沢治三郎第三艦隊長官は、山本長官機の護衛は戦闘機50機でやるべきだと考えていた。
2.連合艦隊旗艦「武蔵」の山本長官室には、遺書(永野修身軍令部総長、嶋田繁太郎海軍大臣、堀中将、玲子夫人、ほか)があり、さらに遺髪が一人分ずつ紙に包まれていた。
No.3
- 回答日時:
うーん、、でも臆病な指揮官が最前線を視察、激励して回りますかね?
彼はブーゲンビルで撃墜されて戦死してます。
山本五十六が連合艦隊長官になったのも、主戦論者主流の中、身の危険を顧みず言いたいこと言うので、暗殺を恐れた周囲が海上の軍艦の中なら安全だろう、と推した、という逸話もあります。
確かに真珠湾やミッドウェーでは前線に出てはいませんが…
前線司令官と政治将校はまた仕事が別、ということなんですかねぇ…
No.2
- 回答日時:
臆病なのは間違いないでしょうね。
そもそもが、アメリカと戦っても2年が限度ですと言っていて、
開戦自体に反対していました。
しかし、彼は臆病ですが優秀な軍人です。
後方で指揮をとったのも、臆病だからではありません。
全体の指揮のバランスを考えたからです。
また、日露戦闘と太平洋戦争では時代が違い、個々の兵員の士気の高さよりも
作戦と兵器の優劣が勝敗を決めるように変化しています。
臆病で賢い司令官だから、あそこまで戦えたとも言えます。
陸軍のT参謀やM司令官ではすぐに玉砕です。
アメリカ軍は日本の通信を傍受していましたが、移動経路上で暗殺された
数少ない司令官です。上記のT参謀やM司令官の移動情報も察知されて
いましたが、米軍の人物評価では殺してしますと次に変わる人物の方が
能力が高いので、わざと生かしておいたのです。
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