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デュボアの和声学についての質問です。三和音の基本形で、sopとaltにオクターブで第3音重複させるのは、デュボアの和声学では推奨されているとどこかで聞いた覚えがあるのですが、これは事実でしょうか?
よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

「推奨されている」という表現には語弊があります。

デュボワの「和声学」の当該個所に出ている、第三音重複の譜例に「d’un tres bon effect(大変良い効果)」と書かれているので、それだけを見て言っている可能性があります。その個所の説明は、以下の通りです。譜例は画像として添付します。

§33 – 1
Il est a remarquer que la doublure de la 3ce de l’accord parfait majeur est généralment plus dure que celle de l’accord parfait mineur. Cependant elle est souvent d’un heureux effect lorsq’elle a lien entre le soprano et l’alto ou entre le soprano et le tenor.
Les autres combinations sont Presque toujours défectueuses, surtout si la doublure a lien dans la region grave de l’harmonie.

完全長和音の第三音の重複は、完全短和音のそれよりも、概して固めに響くことに注意すべきである。しかしながら、その重複がソプラノとアルト、もしくはソプラノとテノールの間の結合である場合は、しばしば適切な効果である。
それ以外の組み合わせはほとんど常に不備であり、特にその重複が和声の低音域での結合である場合は不備である。

Notes & Études d’Harmonie(9ページ)
http://burrito.whatbox.ca:15263/imglnks/usimg/6/ …

つまり、基本的な重複のしかた(第一音、もしくは第五音)よりも第三音の重複を推奨するというものではありません。日本で一般的に用いられている和声のメソードでも、前後の声部進行の都合によっては、第三音の重複が許容されますが、それとさほど遠い意味のことではないと思います。デュボワは、「和声学」の冒頭で重複のみについて簡潔に説明しているだけで、声部進行との関係については触れていないので、この説明だけをもって無条件の「推奨」とはいえません。また、長三和音の第三音重複の方が短三和音のそれよりも固く響く、とデュボワが考えていることもわかります。

以上、御参考まで。
「デュボアの和声学について(基本形での第3」の回答画像1
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この回答へのお礼

文句なしの大変分かりやすい御回答に感謝します。
日本で一般的に用いられている和声のメソードよりももう一段階自由度が高い使用法という解釈が良さそうですね!

お礼日時:2015/05/14 18:22

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