
カルノーサイクルは可逆過程である準静的過程の断熱過程と等温過程を組み合わせたサイクルですが、ここで等温過程の部分はカルノーサイクルと同様に準静的過程で行ない、断熱過程を不可逆過程、つまり準静的でなく、勢いよく、急激に行なった場合のサイクル(これはもはやカルノーサイクルとは呼べないと思うので偽カルノーサイクルとでも呼ぶとします)の熱効率はカルノーサイクルの熱効率と較べて、どうなるのでしょうか。
不可逆過程を含むので可逆機関であるカルノーサイクルの熱効率より小さくなる、と言われたのですが、そもそも熱効率とは「サイクルが外に対してする仕事をサイクルが(高熱源から得る)熱量で割ったもの」と理解しています。
偽カルノーサイクルでは等温過程の部分はカルノーサイクルと全く同じような過程で行なう、と設定しているので高熱源から得る熱量は偽カルノーサイクルもカルノーサイクルも同じで、等温過程においてする仕事、される仕事も同じはずです。
更に、断熱過程においてですが、
可逆過程であろうと不可逆過程であろうと、「断熱」の場合サイクルが得る熱量は0なので、された仕事は全て内部エネルギーに変わると思います。そして不可逆過程の途中の内部エネルギーは定義できなくとも、不可逆過程の最初と最後(等温過程と断熱過程の繋ぎ目の点)の内部エネルギーは定義できると思います。ならば、断熱過程が可逆的に行なわれようと不可逆的に行なわれようとその最初の点と最後の点が同じなら内部エネルギーの増加する量は同じ=サイクルがする仕事も同じ
だと思います。
これが正しいならば、断熱過程が不可逆である偽カルノーサイクルとカルノーサイクルの熱効率は等しくなるはずです。
どこか理論に穴がある気がするのですが、どこがだめなのかわかりません。
どなたか間違えているところを指摘して頂けないでしょうか
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
TS線図を書きましょう。
一発で分かる。断熱過程が不可逆とのことになっていますが、不可逆では断熱にはなりません。
エントロピが増大します。
ΣT低音 * ⊿S分だけ有効仕事が失われます。
断熱過程のみならず、不可逆部分では常に成立しますので、カルノーサイクルを超える効率は
ありません
No.2
- 回答日時:
#1のものです。
申し訳ありません。
#1は間違っています。
質問者の示す偽カルノーサイクルの効率はカルノーサイクルとは異なります。
質問者の間違っている理由は
断熱過程が可逆的に行なわれようと不可逆的に行なわれようとその最初の点と最後の点が同じなら内部エネルギーの増加する量は同じ=サイクルがする仕事も同じ
この等号が成り立つ、としたところにあります。
不可逆過程において
"気体がした仕事"と"外部がした仕事"の絶対値は一致しません。
質問者の等式の左辺は"気体が受けた仕事"、左辺は"気体がした仕事"を表していて、それが等しいとしています。
不可逆過程ではこれは成り立ちません。
気体がした仕事の式
W=∫[V0→V1]pdV
がありますが、この式でのpは気体の圧力ではありません。受ける側の圧力を指しています。(そのためpではなくPexと書くこともある)
断熱圧縮で気体のした仕事をW1,気体がされた仕事をW2とすると、
W1=∫[V0→V1]p(外部の力を圧力換算したもの)dV
W2=-∫[V0→V1]p(気体の圧力)dV
となります。
今回の質問にあるような条件下では
p(外部の力を圧力換算したもの)≠p(気体の圧力)
ですので
W1≠-W2
となります。
気体の内部エネルギー変化はW2であり、効率を計算する場合の気体がした仕事はW1であり、これは一致しませんのでW2をもとに計算した効率とは異なることになります。
No.1
- 回答日時:
これは簡単です。
質問者の考えている"偽カルノーサイクル"は完全な可逆機関、"カルノーサイクル"と同等のものなのです。
ですので効率が同じになるのは当たり前。ならない方がおかしい。
何が"可逆"で何が"不可逆"なのかを考え違いしているようです。
ゆっくりとか急激とかは本質ではありません。
可逆機関の特徴は
温度差にあるところでの熱の移動がない
この点にあるといってよいでしょう。
等温過程でのゆっくりとした動きは、周りの温度との同調しながらの動かすことで温度差を発生させずに熱の移動を行うためのものです。
質問者の考えるサイクルの断熱過程では熱の移動がありません。
ですので、急激に動かそうがこれは可逆過程なのです。
熱力学に関して他に幾つかの質問をしていたのですが、それに対しての他の方からの回答や、色々な文献を調べた結果自己解決いたしました。
この質問における私の理解は
「不可逆な(つまり準静的でなく急激に変化を行なう)断熱過程においては可逆な断熱過程と同様、加えられた仕事Wは全て内部エネルギーへと変わるもののこの過程は準静的ではないため途中に非平衡な状態を挟んで状態が変化する。この変化は例えば気体の場所によって高温部と低温部が存在し、平衡状態になるまでに高温部から低温部への熱の移動がある、といったものである。そしてこの熱の移動はクラウジウスの原理より不可逆であるため、最終的に至る状態は準静的に仕事Wを加えた状態(状態Xとでもおくとする)とは異なる状態(これを状態Yとおく)となる(そうでないとこの不可逆であるはずの過程が可逆になるため)しかし内部エネルギーの増加はWであることに変わりはないため、状態Yは状態Xと同じ内部エネルギーを持ち、かつ、マイヤーの定理から、より状態Xとくらべてより熱効率が悪くなる方向に動かした状態である。
よってこの質問における"偽カルノーサイクル"ではカルノーサイクルよりも熱効率は悪くなる」
です。
rnakamra様の回答とは異なる結論がでたのですが、私の意見の方が正しいと断定できるほど自信がある訳ではありませんが、この理解は間違っているのでしょうか
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