A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
明鏡国語辞典に、[と] 一【格助】 ❻《発話・思考を表す動詞とともに使って》発話・思考の内容を示す。
「嫌だと言う」「危ないと感じる」「やめようと思った」 {語法}「言って」「思って」などが省略されることも多い(「痛いと顔をしかめる」「これが最後と別れを惜しむ」)。………とあります。広辞苑に、[と] ⑤共同の意を表す。(ウ)対等の物事を列挙する。
同じく明鏡国語辞典に、[と] 一【格助】 ❶《「AとB…」の形で》二つ以上の物事を並べて一団とする。「兄と弟が宿命の対決をした」「紅茶とケーキを注文する」「見ると聞くとでは大違い」「映画と音楽とカメラが趣味だ」 {語法}「(AとB)が…」のような構造をもち、(中略) {表現}やや古い言い方で、「AとBと…」がある(「診察券と保険証とを必ずご用意下さい」)。「琵琶・尺八と管弦楽のための音楽」など、最後だけを「と」で結ぶのは翻訳調の新しい言い方。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
一つの部屋を客間に、居間に、仕事部屋にと使い分けています
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
一つの部屋を、空間的に境界を作り使い分けているのか、時間帯や事情・状況で使い分けているのかが、文章だけでは不明ですが、一種の「思い・思念・想定」が「客間/居間/応接間/仕事部屋/寝所/食事処」という概念で表されているのでしょう。 そのように考えるのならば、「と」は「思考や思いの内容であることを示すための格助詞」となると思います。
また、「客間に、居間に、仕事部屋にと使い分けています」は、「客間、居間、仕事部屋にと使い分けています」でも、「客間、居間、仕事部屋と使い分けています」でも、表現して同じと発話者も聞き手も考えるでしょうから、「と」は「二つ以上の物事を並べて一団と扱う場合の、翻訳調の新しい表現に使われる格助詞」となると思います。
「に」と「にと」と「と」の使い分けのことは、ただの調子と考えてイイのだと思います。
あちこちに
あちこちにと
あちこちと
No.3
- 回答日時:
助詞の問題はいろいろややこしいことが多いようです。
ご質問の件はとくにやっかいで、以前かなり踏み込んだことがありますが、結論としてははっきりしません。
当方は〈特殊用法の「ト」〉(または、正体不明の「ト」)と考えています。
類似の用法はけっこう目にしますが、辞書類を見ても出ていないのでお手上げです。
「小学校、中学校、高校と……」
「15、16、17と……」
↑は名詞を並べた形です。助詞がつく形もあります。
「東へ西へと(飛び回る)」
これは「東に西にと(飛び回る)」とも言えます。質問者のあげた例文もこの仲間では。
あえて文法的に解釈するなら、2つの考え方があるでしょう。
1)引用の「ト」(先行コメントのNo.1に近い)
2)具体化の「ト」(先行コメントのNo.2に近い)
当方は、1)と考えています。とくに、下記のように変形すると、「引用」のニュアンスが強くなります。
一つの部屋を、客間に、居間に、仕事部屋に……と使い分けています。
列挙する言葉に修飾語をつけると、「引用」としか思えなくなります。
一つの部屋を、来客を迎える客間に、家族がくつろぐ居間に、私が仕事を持ち帰ったときには仕事部屋に……と使い分けています。
詳しくは下記をご参照ください。
【〈正体不明の「と」〉の用法(仮)】日本語
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1488. …
以下は一部の抜粋(重言)。
【追記】
そもそも考えたのは、〈正体不明の「と」〉は修飾句をつけると引用に近づいていくんじゃないか、ってこと。
『圭子の夢は夜ひらく』で見てみよう。藤圭子のことを書きはじめると、また壮大なことになるのでパスしておく。
元歌の「十五、十六、十七と」は典型的な〈正体不明の「と」〉。
いろいろ修飾句をつけてみる。
初めて告白してフラれた15歳の春、本気でアタックして相手にされなかった16歳の夏、二股かけられた17の冬と、私の人生暗かった。
こうなると、引用としか思えない。
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
本多勝一にように強引な説明だな。
ここで最後の部分をどうするのかはけっこう悩ましい。
一般的には1)らしいけど、個人的な趣味だと2)。3)も捨てがたい。
1)~冬と、私の人生暗かった。
2)~冬、と私の人生暗かった。
3)~冬……と私の人生暗かった。
4)~冬……と、私の人生暗かった。
5)~冬……私の人生暗かった。
【追記】
コメントで、下記をご紹介いただいた。
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/M21 …
丹羽順子(1994)「副詞的修飾成分「~と」を整理する-具体化の「と」、引用の「と」、情態副詞の「と」をめぐって-」
やはり当方はよほど文法が苦手なんだろうか。
それも否定しないが、こういう論文独特の文体を前にするだけで脳が拒否気味になる。
イチバン関係性が強いのは25ページの下記の部分だろうか。pdfからテキストを抽出すると、妙な感じで文字化けする。ナゾだ。理解を妨げるようなところだけ修正しておく。
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(22)a.開拓者たちは西へと進んだ。
b.開拓者たちは堕さと(荒野を)進んだ。
C.開拓者たちは西へ西へと(荒野を)進んだ。
具体化の「と」表現の一つに「例示」の特殊用法がある。これは「~と」部分の要素およびその並び方に厳しい制約があるもので、それだけに規則的で、慣用表現に近づいてきている「-と」部分は数値を表すもので、その並び方は「A、A(*)と」という一定のパターンを形成している。
(23)ところが、一ケ月ニヶ月と過ぎるうちに…と考えるようになりました。(朝日新聞、1986-6-28)
(22c)は「A」が数値ではないが、「A、A(*)と」というパターンになっており、連続性が見られる。この点において、(23)もまた副詞に接近した表現と言えよう。その他、「あれやこれやと」「あちらこちらと」「我も我もと」「次から次へと」なども同様に、「狭義の具体化副詞の「と」との境界に位置すると考えられる。
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要は、〈正体不明の「と」〉は「引用」のときもあれば、下記の場合もあるってことだろうか。サッパリわからない(泣)。
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【1】[格助]名詞、名詞的な語、副詞などに付く。
5 (副詞に付いて新たな副詞をつくり)ある状態を説明する意を表す。「そろそろ―歩く」「そよそよ―風が吹く」
・「ほのぼの―春こそ空に来にけらし天のかぐ山霞たなびく」〈新古今・春上〉
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No.2
- 回答日時:
これは大変難しいですね。
たぶん「格助詞」としての一用法だと思います。「あれやこれや<と>しゃべりまくる」「食ったり飲んだり<と>忙しい」の「と」ですね。「並立助詞」(AとBとC)ではなさそうです。
「広辞苑」では次の「エ 状態を表す」に分類できそうです。
(3)ある事物・状態であると認定して資格を与える。指定の助動詞「たり」の連用形に相当する。
(ア)…として。万葉集(8)「吾妹子が業(わざ)―造れる秋の田の」
(イ)(数値を表す語句に付き、後に打消の語を伴って)それを超えない範囲を表す。「二度―ない機会」「五分―かからない時間」
(ウ)比喩を表す。…と同じように。…のごとくに。古今和歌集(秋)「たちどまり見ても渡らむ紅葉は雨―降るとも水はまさらじ」。夫木和歌抄(18)「月日のみ流るる水―早ければ老のそこより年はかへらず」。「玉―散る」
(エ)状態を表す。…で。伊勢物語「つれづれ―、いともの悲しくておはしましければ」。東海道中膝栗毛(初)「むだを言はず―早く食はつし」。「にこにこ―笑う」「次々―できる」
(オ)転化の帰着を表す。伊勢物語「野―ならば鶉―なりて鳴きをらむ」。「自分の物―する」「道が川―なる」
[日本国語大辞典]では(ハ)に相当すると思います。
(2)連用関係を表わすもの。
(イ)((1)の用法から転じて)共同の相手を表わす。…とともに。→補注(3)。
(ロ)引用を表わす。文あるいは文相当の語句や擬声語を承け、下の動詞(「思う」「言う」「聞く」などの場合が多い)の内容を表わす。→補注(4)(5)。
(ハ)体言を承けてそれを状態性概念とし、また、擬態語を承けて状態性副詞を構成し、動作概念を修飾する。体言を承けた場合、比喩的修飾となることがある。→補注(6)。
*良人の自白〔1904〜06〕〈木下尚江〉中・一六・四「涙は滝と流れ落ちた」
(ニ)形式用言の実質を示す。→補注(6)。
(ホ)比較の基準を表わす。
(ヘ)同じ動詞、または、形容詞の間に用いて強調を表わす。動詞の場合は連用形を承け「し」が下接することが多く、形容詞の場合は終止形を承け「も」が下接する。
本来「引用」をあらわす「と」だったのが、あるまとまった連用修飾語的なものを作る働きがあると思われます。
一つの部屋を『客間に、居間に、仕事部屋にと』使い分けています。 『 』の中が「使い分ける」を修飾しているのではないでしょうか。
No.1
- 回答日時:
広い意味の引用です。
貴方が「一つの部屋を客間に、居間に、仕事部屋に」と思って計画した中身をそのまま実践するわけですね。カギ括弧の中は貴方の思念、それを「と」で受けますので、いわば引用です。「と<思って>使い分けています」。このように<・・>を補うと分かりやすいでしょう。
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