No.3
- 回答日時:
「の」の比ゆ的用法というのは、「花の都」のような用法です。
この形の比ゆ的用法(というならばですが)では、実質として言いたいことは、「都」の方です。AのB というとき、A(の)を省略しても実質的な意味は変わりませんが、(の)Bを省略すると、まったく意味が違ってしまいます(Aが比ゆ的にBの属性を持っていることを表す)。この観点から見ると、補足コメントに挙げている例は、比ゆ的な用法ではないと思います。
....花の雪散る....
花が雪のように散る、という意味でしょうから、花を雪に喩えていると見えますから、比ゆ的な用法と思ったのでしょうが、この文の構造は、「花」が主語で「散る」が動詞で、「雪」は「雪のごとく」という意味で名詞が副詞的に用いられている(普通ならば、「ごとく」のような語が必要になるところですが、歌の中ですから字数の制約があるので、「ごとく」の部分が省略されて副詞的に用いることが許されている)のだと思います。
雪(の)を省略すると、散るのは、雪になってしまいます。この文の実質的な意味を担っているのは、「花」の方であることがわかると思います。
その結果、「の」は格助詞で(比ゆ的な用法ではなく)主格を表すということになります(今日の日本語では、主格は「が」で表すことが多いのですが、従属文では「の」で表す例も少なくはないと思います。古典では、主文では、「が」が入りそうなところでは省略される(「花 咲く」のように)ことも多く、従属文では、「の」が使われるのが一般的だと思います。
ご回答ありがとうございます。が、私の質問の本題は「あなたと私(の)メビウスの輪の如きものかも」の「の」は文法的に問題ないかということと、意味的に「「あなたと私(は)メビウスの輪の如きものかも」と同質か否かということです。
ご教示いただければ幸いです。
かはづ
No.4
- 回答日時:
あなたと私のメビウスの輪の如きものかも、って?。
>その前の語と後の言葉との間に一呼吸置く感じがします。一方「の」の場合その前の語と後の言葉が途切れなく続く感じがします
これって、少しも文法的でないですが・・・・。
秋の日のビオロンの音の・・・・・・。
外国語の詩の和訳、確か名訳・・・。
文法的には全く問題ありません、んが、言葉は何かを表現し、伝えます、伝わる内容は大きく変わります。
「は」の場合、この文章単独でも意味は伝わります、あなたと私は表裏一体。
「の」の場合はこの文章のみでは一部意味が不明確になります、つまり主語が必要になります。
そして、「あなたと私の」はあまり重要な意味を持たなくなります。
つまり、あなたのメビウスの輪、私のメビウスの輪、別個に存在するように受け取れます、あなたと私、表裏一体・・・の意味がなくなりかねません。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
質問者の「かはづ」さまのNo.3 に対するコメントにお答えします。
お聞きになりたいことの意味を十分に理解できているかわかりませんので、ご期待に沿えるものかどうかは自信がありませんが、、、。補足のご質問の趣旨は
「あなたと私(は)メビウスの輪の如きもの」
の(は)を(の)に置き換えた
「あなたと私(の)メビウスの輪の如きもの」
も、文法的に問題がないかという問いに答えていないということのように思われますので、その点について、補足いたします。
正しい文(文を、主述がそろっていると定義すると、狭くなりすぎますが、その一部が欠けているものを文の要素として認めるとして)かどうか判断せよというならば、文法的には「正しい」ということができると思います。
文法的に「正しい」ということは、当然ですが、文(の内容)が「正しい」ことも、著者が言いたいことを「正確に」表していることも保障しません(日常の言語を扱っていると、このあたりは、あいまいなままに過ごしてしまいがちですから、プログラミング言語を例に考えてみましょう。プログラマーは、x = a + b を求めたいと思っているけれど、x = a - b と書いてしまったとします。このとき、x = a - b は文法的に「正しい」かと聞かれたら、「正しい」という答えになります(プログラムを実行すると、計算機は、「正しく」x = a - b を計算します)。しかし、プログラマーの意図したこと(したいこと)とは違っています。そして、プログラムが間違っているということになると思います。
ご質問の文法的に「正しい」か、という問いに対しては、「正しい」ということになります。
しかし、著者の言いたいことを「正しく」表しているか、という問いに対しては、「いいえ」ということになります。
No.1, No.2 の回答者も、No.3 での私の回答も、文法的に「正しい」かどうかについては、特に議論する必要がないとして、後半部分の著者の言いたいことを「正しく」表現しているかという点に絞って回答していたわけです。
もちろん、著者ではないので、著者が言いたいことが、完全に理解できているわけではありませんが、著者は、「あなたと私(は)メビウスの輪の如きもの」という表現が自分の言いたいことに一番近いと思ってこの表現を選んだはずです。その意図を汲んで、「は」を「の」に変えたら、著者の言いたいこととは違ってしまう、ということを回答で述べていたわけです(そして、その意味の違いが出てくる理由を、文法的に説明するために、助詞「は」と「の」の種類や用法、意味が違うということをいろいろ述べていたわけです)。
したがって、後半部分の意味的の同質かという問いについては、「いいえ」となることもご理解いただけると思います。
この説明で、質問のすべてにお答えしたと思います。これで、ご理解いただけると幸いです。
No.6
- 回答日時:
古文の比喩の「の」は常に「~のように」と連用格になります。
補足の例も同様です。一方、当初の例文は連用格を受け付けません。
よって、やはり置き換えには無理があります。
No.7
- 回答日時:
比喩の「の」はすでに使われています。
「あなたと私はメビウスの輪<の>如きものかも」。~のようななものだ、~の如きものかも、という言葉で比喩を示しています。念のために「比喩」の説明を挙げておきます。
「世界大百科事典」
比喩(ひゆ)
いいたい事柄を何かに例えることによって、効果を期待する表現方法。たとえば、「花咲き匂(にお)うような人生」(堀辰雄(たつお)『風立ちぬ』)というような表現である。
比喩は、(1)例える事柄と(2)例えられる事柄と(3)例える行為との三者から成り立つ。これら三者が、どの程度ことばとして示されるかによって、直喩・隠喩・諷喩(ふうゆ)の3種に区別できる。
直喩は[英simile(シミリ)]、「(1)星ばかり映して居る深山の湖(3)のような(2)眼」(岡本かの子『春』)にみるように、(1)(2)(3)の三者がすべて言語化している場合である。(3)の例える行為は、「のような」という、たとえであることを示すことばとなって言語化されている。このように、たとえであることが、ことばによって明らかに示されているので、明喩(めいゆ)ともいう。英語ではもっともわかりやすい比喩である。
隠喩は[英metaphor(メタファー)]「(2)彼女の眼は、(1)夕闇の波間に浮ぶ、妖しく美しい夜光虫だった。」(川端康成(やすなり)『雪国』)にみるように、(1)(2)だけが言語化され、(3)のたとえであることを示す語句が隠されてしまう場合である。暗喩ともいう。(3)が言語化されないので、(1)たとえと(2)例えられるものとが直結し、写真の二重写しのような重層効果をあげる。(「諷喩」は省略)
なお、「は」という主題の助詞を取ってしまうことは、文章の形を壊すことになります。
ありがとうございます。そうですね。私の例文にはすでに「ごときもの」という比喩が含まれていますね。皆さんからいただいたご教示を集約すると、私の例文での本意を伝えるには「は」を用いなければならない。「の」でも文法的には問題ないが、「は」の場合と意味が変わってしまう。ということに理解しました。これで一件落着です。
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格助詞「の」は用途が広いようですがその一つに、比喩の用法があります。たとえば、
「またや見ん交野の御野の桜がり花(の)雪ちる春の曙」この歌では、散る桜を降る雪に喩えています。。前の語「花」についてこれを「雪」と比喩しています。ということは、私の例文は
「あなたと私(名詞句)」の「メビウスの輪の如きもの(名詞節)」という構成にとらえることができると思われます。つまり、「あなたと私」について「メビウスの輪の如きもの」と比喩しているということです。従って、私の例文の「の」は比喩の用法に該当すると考えます。いかがでしょうか。