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鉄の精製で炭酸カルシウムを用いる必要性ってなんですか?

コークスと赤鉄鉱の反応で十分だと思うのですが

いちいち一酸化炭素を作る意味ってあるんですか?

「鉄の精製で炭酸カルシウムを用いる必要性っ」の質問画像

A 回答 (2件)

高校辺りの教科書でも、鉄の還元反応の化学式が出ているのですが、それも反応の全てを表している訳ではないです。


コークスC と 赤鉄鉱Fe2O3 が単純に反応していると考えてるのは違います。

高炉内で上から投入された原料(鉄鉱石のペレット、コークス、炭酸カルシウム)は、内部で循環しながら下に落ちていきスラグを作りその中で鉄の還元が行われます。
写真の式では、
Fe2O3+3C → 2Fe +3CO となっていますが、もしこの反応が起こるとしてもそれはごく一部に過ぎないです。
色々な反応が高炉内で起こっており、実際には、
Fe2O3 → Fe3O4 → FeO → Fe と 段階を踏んで鉄の還元が起こっていると考えます。

高校あたりの教科書では 
Fe2O3 + 3CO → 2Fe + 3CO2
という反応式が書かれていますが、これは高炉の入口(左辺)と出口(右辺)での入れたものと出たものを、
テキトーに繋いでいるだけで、内部の反応はもっと複雑です。
この時に鉄の還元に関与する物質は、CaCO3やC,CO等ともっと多くなっており、その還元反応はCaCO3等が溶融したスラグの内部で主に起こります。
その中で、COが鉄の還元に関与することが多いのですが、Cによる直接還元も起こっており、高炉内部での化学反応はとても一つや二つの化学式では書き表せないです。
学生時代の恩師は、高炉の中の反応を専門に調べていましたが、その頃は学会に出される論文も鉄鋼メーカーを中心に非常に多かったです。

CaCO3等を原料として高炉に投入して高炉スラグを造るのは、No.1さんが指摘した不純物の除去もあるのですが、還元反応を溶融スラグ内でスムーズに行わせる目的もあります。
また高炉内で生成したスラグは、高炉からで出る銑鉄(次に転炉での精錬工程がある)と同様にセメントの原料にもなります。

私は鉄が国家だった時代の古い冶金屋なので、大学の研究室に一つは鉄鋼の反応専門の講座があり、鉄鋼関連の授業も多かったのですが、
卒業する頃には講座の看板を書き換えようかと…という話が出ていて、今ではこの分野はメインストリートではなくなってしまいましたね。
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この回答へのお礼

高炉って単純そうに見えますがすごく複雑なんですね!
しかし高校生の自分には理解し難いのでそういうものだと覚えておきます!

お礼日時:2018/08/08 10:18

鉄鉱石中の不純物除去のためだそうです。


http://www.slg.jp/slag/process.html
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この回答へのお礼

わかりやすかったです!!!

お礼日時:2018/08/08 10:15

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