先月住宅用の土地を購入しました。
契約前は古家があり、契約書には建物を取り壊し、更地にて引渡しを行う旨の特約を入れました。
引渡しが終了し、帰り際に売主側の不動産屋から「解体してみたら地中にに杭があったが近隣への地盤の影響を考えて撤去しなかった」ことを伝えられました。
さらにその後、私たち(買主)の負担で地盤調査をしたところ、土地の中央付近一帯の地中にコンクリート片が埋まっていることが新たに判明しました。
コンクリート片は、解体の際に埋めたものか、それとも以前から埋まっていたものかはまだはっきりとしていません。
そこで質問なのですが、
(1)杭およびコンクリート片は、「隠れたる瑕疵」にあたり、民法第570条「瑕疵担保責任」による損害賠償の請求にあてはまりますか。
(2)土地の引渡し前に杭の存在を知っていたにもかかわらず、引渡し後に伝えてきた売主側不動産屋に何か追及できるものはありますか。
(3)「更地渡し」という解釈には地中の障害物(この場合杭、ガラ)の撤去というところまでは含まれないのですか。
(4)売主側へ責任を問えるとした場合でも、地中障害物による建築費の追加費用をその都度請求することは難しく、現段階でよく下調べをし、一括で予想額を請求するのが良いのではないかと私たち側の不動産屋は言っています。請求方法や注意点などについてアドバイスがあれば教えてください。
よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
(1)(2)については、結論から言えば、民法570条の瑕疵担保責任における「隠れたる瑕疵」に当たると考えられます。
そして、責任追及として、「損害賠償請求」するためには、買主がこの瑕疵について「善意無過失」であればいいのですが、この売買契約を解除するためには、それに加え「その瑕疵により、売買契約の目的を達成できない場合」に限られます。もっとも本件の場合、杭やコンクリート片があって、住宅の基礎が打てないなどの理由により、住宅が建てられなければ、これに当たると考えられます。ただし、この責任追及が出来るのは、この隠れたる瑕疵を「知った時から一年以内」です。また、この「瑕疵担保責任」においては、売主に「瑕疵の修補義務」はありません。つまり、買主としては、損害賠償請求するか、売買契約を解除するか、のどちらかを選択する事に成ると思われます。(3)については、住宅の建設用地として売買している以上、「更地渡し」といえば、「住宅を建設できるような状態で渡す」事を指すものと考えられるので、もしこの瑕疵により住宅建設が出来ないのであれば、このような杭やガラの撤去も当然含むべき、と考えられます。
(4)については、その追加費用を「損害賠償」として請求するか、後は契約解除するかと言う事になります。
この回答への補足
既存の杭が見つかったことにより、土地の評価額が私たちの購入した価格よりも低くなることが予想され、また、売主側の不動産会社は引渡し前に杭の存在を知っていながら引渡し後に報告してきたことに対して、瑕疵担保責任による損害賠償請求とは別に法的な追及をすることは可能でしょうか。
ちなみに、近隣への地盤の影響が予想されるため、既存の杭を抜かずに設計する方向で建築士と話を進めています。
ご回答ありがとうございました。
簡潔でわかりやすく、参考になりました。
補足についてもご回答いただけるようでしたらぜひよろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
ご質問からしますと、売主Aさんの物件をA不動産業者とあなたが仲介依頼したB不動産業者との共同仲介でご購入されたものと推察できます。
その上で、(1)については、「瑕疵担保責任」を請求できる事由であり、損害賠償の請求は可能です。ただし、瑕疵担保責任は売主に対する請求ですので、売主Aさんに対して請求するものです。瑕疵担保責任の請求期間は、通常、中古の仲介物件の場合特約がありますので、3ヶ月か6ヶ月程度になっていると思います。(法律の規定より売買契約上の特約が優先です。契約書をご確認ください。)
(2)については、宅地建物取引行法第35条の「重要事項説明書」に、調査事項または重要事項として記載する必要があります。重要事項とは、当該事実を告げないことによって、取引の相手方などが重大な不利益を蒙る事実と解されています。宅建業法47条で「重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」も禁止されており、35条に規定されていない事項であっても購入者の利益に関する重要な事項であれば告知しないことが禁止されています。重要事項説明後に判明した重要な事実についても追加説明の必要があります。したがって、本件不動産を仲介した宅地建物取引業者に対し、重要事項説明義務違反で責任追及は可能です。この場合その宅地建物取引業者とは、本件はA不動産業者とB不動産業者との共同仲介のはずですので、両不動産会社とも違反でありますので、両不動産会社が連帯して債務不履行、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。
売主側不動産屋だけではありません、買主側も同一の義務があり同罪です。
(3)「更地渡し」という解釈の地中の障害物については、場合によっては難しいところです(例えば、地下10mまでか100mもか10kmもかという深さの点で)が、買主がどのような建築物を建築するか意思表示していれば、その範囲内での障害除去、意思表示が無ければ合理的に通常考えられる範囲となり、まあ、住宅用地なら通常の木造建築物の建築に支障の無い範囲と言うことになるでしょう。
(4)損害賠償は、損害が確定して請求するものですから、予想額の損害培養請求は(裁判上は)できません。
したがって、現時点での法律上の理論構成は、売主に売買代金の減額請求をするということになると思います。
もちろん、訴訟外で任意に交渉し合意が得ららればそれは訴訟外の和解(示談)で有効です。
この回答への補足
説明不足でしたが、私たち側の不動産会社も、杭の存在を知ったのは私たちと同時、つまり引渡しが終了した時点で、ということになります。
木造二階建ての建物を建設予定だということは、契約時に売主側不動産会社に伝えてあります。
杭は私たちも打つ予定で、その際既存の杭が妨げになるのはほぼ間違いないです。
No.3
- 回答日時:
瑕疵担保責任の責任追及期間の限定については、民法上の規定より、契約上の規定が優先される事はNO2さんの言われるとおりですが、質問者さんは、どうしても、現在の土地に住宅を建てたいのですか?住宅を建てるという目的を達成させるのは、「不可能」か「可能でも相当の費用がかかる」と予想され、その費用の負担を売主の不動産屋や買主側の不動産屋に請求するのにも時間が掛かります。
ですから、責任追及期間内なら売買契約解除を考えた方がいいのではありませんか?他に何か解除できない事情でもあるのでしょうか?もっとも、売買契約解除となれば裁判になる可能性が高く、これも時間が掛かることかもしれませんが、問題のある土地を時間をかけて手に入れるより、解除して新たな土地を探した方がいいと思うのですが、いかがでしょうか? 蛇足ですが、NO2さんの言われる損害賠償請求は、損害が確定してからでないと出来ない、と言う事は正しいのですが、その解釈が微妙に違います。つまり、損害額というものは、その損害が生じた時に確定しているのであって、ただそれが具体的に解らないに過ぎないからです。したがって、結果的に、具体的に金額が出せない時点で請求できる事になります。また、NO2さんは、現時点の法律上の理論構成では売買代金の減額請求する事になる旨言われていますが、民法上の「瑕疵担保責任」(民法570条)を追及する限りにおいて、代金減額請求は認められません。一定の要件の下に、あくまで「損害賠償請求」か「売買契約の解除」が認められるだけです。「売主の担保責任」として「代金減額請求」が認められる場合とは、「権利の一部が他人に属する場合」(民法563条)及び「数量不足・物の一部滅失」(民法565条)の場合だけだからです。この回答への補足
既存の杭やコンクリート片は、費用的に住宅を建てることが不可能になるほどの影響はないと思っています。
したがって、民法第570条による契約解除は難しいと考えています。
瑕疵担保責任をもとに売主側に損害賠償を請求した場合、仮に売主側から請求額を支払うよりも契約を解除したほうがいいというようなことを言ってきた場合は契約解除することが出来るのでしょうか。
もし可能な場合、登記費用など、今までにかかった費用分の負担は誰がするのかなど、問題点や注意したほうがいい点などあれば教えてください。
>損害額というものは、その損害が生じた時に確定しているのであって、ただそれが具体的に解らないに過ぎないからです。したがって、結果的に、具体的に金額が出せない時点で請求できる事になります。
おっしゃっている内容は理解できるのですが、金額が出せない時点で具体的にどのように請求するのでしょうか。
再度のご回答、誠にありがとうございました。
補足欄に新たな質問を記入させていただきましたので、ぜひまたご回答いただければと思っております。
No.4
- 回答日時:
No.2のnhktbsです。
No.3さんの記述はいたって正論です。また、現時点の法律上の理論構成云々は、書き込みの最後で当方の短絡した記載となっています。
「現時点では、訴訟外で任意に交渉し売買代金の減額請求をされてはいかがでしょう」が私に言いたかった実務上のアドバイスです。
なお、代金の減額請求は特約がない限り基本的に認められないとする考え方がある一方、仲介の売買契約ではその旨の特約があるケースも多いので、質問者さんも売買契約書の当該条項を一度ご確認ください。
また、しいて法律論に戻れば、第570条によれば、第一に、瑕疵のため契約の目的を達成できない場合には、売買契約を解除することができる(あわせて損害賠償請求も可能)。第二に、そこにまで至らなければ、法文上は、損害賠償のみということに確かになります。しかしながら、近年の有力な考え方によると、代金減額を認める(たしか代金減額的損害賠償と呼びましたが)という傾向になっていると思います。この場合、瑕疵のある目的物の客観的時価と売買価格の差額分は常に返還を請求することができる(一種の一部解除である)としていると記憶しています。第三に、判例および学説上法定責任説によれば、売主に信頼利益の損害賠償を請求することは可能であり、契約責任説では、履行利益の損害賠償まで請求できるのではないでしょうか?
本件では、「建物を取り壊し、更地にて引渡しを行う旨の特約」があり、その不完全履行からも、契約責任の発想に立てば、本件売買契約が「建物建築に支障の無い土地」を売買するものであったはずですから、代金減額としても請求できる可能性があるように思います。
第570条に法文上で代金減額請求がないのは、質的な瑕疵では代金減額割合の価格算定が困難だからにすぎず、判例では損害賠償の中に、代金減額機能を含ませていると解していたと記憶しています。
まあ、いきなり訴訟するわけではないでしょうから、ご質問者さんも法律上の確たる理論上の根拠より、正当と思われる範囲での御主張での請求内容を、相手方に伝えてみることからスタートでよいのではないでしょうか?
訴訟外での和解(示談)で、結果合意内容が代金減額でも、それはそれで有効ですし、当事者が満足出来る内容で紛争が収まればそれに越したことはありませんからね。
No.5
- 回答日時:
住宅を建てるという目的を達せられない程の瑕疵ではないと判断されるのであれば、言われるように民法570条による契約解除は難しいかもしれません。
また、瑕疵担保責任を理由とする損害賠償請求した場合に、相手方から、損害を支払うより契約解除の方が良いとして、契約解除の申し入れがあった場合に、解除できるのか、と言う事ですが、これは質問者が解除について合意するのであれば、双方合意による解除ですから、当然する事が出来ます。そして、この場合には、以前から述べている「瑕疵担保責任」としての質問者からの一方的な契約解除ではありませんが、相手方がその瑕疵を知っていながら質問者側に伝えなかったと言う事ですから、伝えなかった事について「故意または過失」があることは明らかですから、「契約締結上過失」として、その事を踏まえて合意解除の話し合いの時に、相手方に今までのかかった費用を負担させるようにしたらいかがですか?なお、損害額が解らない中での損害賠償請求はいくらにすればいいのかと言う事ですが、それは見積もり等を取る等して概算を把握してから、それより多めに訴求するのが通常だと考えます。それから、蛇足ですが、NO2さんの「代金減額請求も出来る場合があると言う、判例や学説等もある」といわれることについては何ら異論はありません。要するに、「損害賠償請求」であろうと「代金減額請求」であろうと、お金が請求できる(または戻ってくる)と言う点については、何ら変わらない同じ事なのですから。ただ、そのことについて、「代金減額請求」と言う言葉を使ってしまうと、その言葉尻を捕らえて「瑕疵担保責任の追及である以上、代金減額請求は出来ない」と言われてしまうのです。ですから、内容的には正しいのですが、言葉の使い方がまずいところがある、と言う事だと考えます。お礼が遅くなりましたが、ご回答ありがとうございました。
お二人からいただいたアドバイスを参考に、自分なりにもいろいろと調べ、方向性を見つけることができました。
今後は実際に相談へ出向き、さらに対応策を考えていきたいと思っています。
どうもありがとうございました。
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