下記の続きにあたります。
【「立ちかえる」と「立ちもどる」の違い】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11727802.html
前から気になっていた問題で、やり取りに注目していたら、アッという間に締め切られてしまいました。
前問(と呼びます)のBAは「立ち」を外して、「帰る」「返る」「戻る」の違いを考えていました。
帰る」「返る」「戻る」の違いに関してはほぼ同感です。しかし、「立ち」がついたときに同じような考え方ができるのでしょうか。
ちなみに、類語辞書の記述は下記です。「立ち返る」「立ち帰る」「立ち戻る」の項目はありません。
http://dictionary.goo.ne.jp/thsrs/16424/meaning/ …
===========引用開始
なおる/戻る(もどる)/返る(かえる)
関連語 よみがえる 復する(ふくする) やり直す(やりなおす) やり返す(やりかえす) 持ち直す(もちなおす) 立ち返る(たちかえる) 立ち直る(たちなおる) 舞い戻る(まいもどる)
[共通する意味]
★再び元の状態になる。
[英]
to be restored
[使い方]
〔なおる〕(ラ五)
▽この病気は手術でなおる
▽盗癖がなおらない
〔戻る〕(ラ五)
▽座席に戻る
▽夏の暑さが戻った
▽振り出しに戻る
〔返る〕(ラ五)
▽郵便物が差出人に返る
▽貸した本が手元に返る
▽初心に返る
[使い分け]
【1】「なおる」は、悪い状態が良くなる意。「直る」と書くが、病気やけがなどは、「治る」とも書く。
【2】「戻る」は、再び元の場所にたどり着いたり、元の状態になったりする意で用いられる。
【3】「返る」には、「戻る」と共通する用法もあるが、慣用的に「戻る」では置き換えられないものもある。
[関連語]
◆(よみがえる) (ラ五)元の状態になる。また、生き返る。「蘇る」「甦る」とも書く。「若さが蘇る」「蘇った古代の生活」「彼と再会して嫌な記憶がよみがえった」
◆(復する) (サ変)元の状態に戻る。文章語。「元の職に復する」「旧に復する」
◆(やり直す) (サ五)一度終わったことを初めに戻ってもう一度やる。「数学を基礎からやり直す」「人生をやり直す」
◆(やり返す) (サ五)一度したことをもう一度する。また、相手を反対にやり込める。「何度か同じことをやり返す」「いやがらせをやられてやり返す」
◆(持ち直す) (サ五)悪くなった状態が良くなる。「天気が持ち直す」「病気が持ち直す」
◆(立ち返る) (ラ五)元の場所や状態に再び戻る。「初めに立ち返って考え直す」「原点に立ち返れ」
◆(立ち直る) (ラ五)悪い状態になった物事が、再び良い状態になる。「ショックからようやく立ち直った」「景気が立ち直る」
◆(舞い戻る) (ラ五)元の場所にたどり着く。「生まれ故郷に舞い戻る」
===========引用終了
No.24
- 回答日時:
No.23 のお礼にお応えして
>>ところが、「原点に返る」と「原点に立ち返る」だとほとんど同じ気がします。
どう考えればいいのか……。
No.10 にて回答の通りですが。
「立ち」は接頭語で、それに続く語に意義を付加します。
>>「原点に返る」と「原点に立ち返る」だとほとんど同じ気がします。
まあ、個人的な感情に【立ち】入ることはできませんが、まず意味とは何かを理解することなくあれこれ言っても始りません。
「原点に返る」と「原点に立ち返る」は、話者が自分の認識を適切に表現するために、動詞「返る」に接頭語「立ち」を付加したもので、
たち【立ち】
〘接頭〙 《動詞に付いて》語勢を強め、またやや改まった感じを表す。
「━かえる・━まさる・━まじる・━向かう」
のように、「語勢を強め、またやや改まった感じを表す。」ことを意図したもので、当然ながら、「返る」とは意味が異なります。
この点、何を言わんとされているのでしょうか?
具体的、論理的に説明いただければさらに返答、検討のしようもありますが。■
No.23
- 回答日時:
念のためNo. 17 の誤りを指摘しておきます。
>>複合動詞の用法を、それを構成する二つの動詞の用法の「合成」として考えるのは、「悪手」です。
「悪手」ではなく、日本語言語表現の文法の基本です。
合成でなければ、どこかから何の関係もない意義が湧き出て来るのか、何のために合成したかが問われなければなりませんが、そんな無意味な文字列を連ねる根拠はどこにもありません。そして、相手に意味を伝えることはできません。
ここに、根本的な発想の誤りがあります。■
日本語が通じなのですから、何を言ってもムダですね。
コメントNo.1への当方の返信を再掲します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>当然ながら同じですね。
ということは、たとえば前問のNo.2であげられた下記の例文は、すべて「立ち」を加えることができ、意味もまったく同じということですか。「家に立ち戻る」なんて言うのでしょうか。
===========引用開始
家を出発して、途中で忘れ物に気づいた場合→家に戻ると言います。
学校で、体育の授業の終わりで移動後の場合→教室に戻ると言います。
考え事していて、注意されたとき→我に返ると言います。
学校の授業が終わり、帰宅するとき→家に帰ると言います。
学校に忘れ物をしたと気づいた場合→学校に戻ると言います。
教科書のページを開き、前ページを見たいときは→前のページに戻ると言います。
===========引用終了
ちなみに、今回のコメントの前半はまともだと思いました。
当然ですよね。辞書の丸写しですから。これで説明になっているのでしょうか。
後半はいつものお念仏ですね。スペースのムダなので、今後はお控えください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コメントNo.5への返信は下記です。
===========引用開始
「立ち」がどういう意味になるか、「立ち」をつけるとどの程度意味がかわるか。
現段階では……ケースバイケースですかね。
たとえば「家に向かう」を「家に立ち向かう」にしたら●●ですよね。
「急いで家に戻る」を「急いで家に立ち戻る」にしたら●●ですよね。
ところが、「原点に返る」と「原点に立ち返る」だとほとんど同じ気がします。
どう考えればいいのか……。
===========引用終了
No.16でやっと自分の間違いに気づいて〈「素手で敵に【立ち】むかう蟷螂の斧」でしたね。(笑)〉と書いたはずなのに、何もわかっていないようです。
No.22
- 回答日時:
No.21 の補足です。
>>何の論証もなく、マルクスやヘーゲルの名前を出せばすむと思うのは、彼らに対して失礼でしょう。まさに、「権威」を借りてごまかしているだけですから。
何の論証もないのはどちらでしょうか?
当方は、
マルクスはフォイエルバッハによるヘーゲル観念論の唯物論への転換と、ヘーゲルの弁証法の論理という二つを手にし唯物弁証法という正しい方法を得て古典経済学の転倒を図りました。
と具体的に指摘し、そのような方法論を持たずに無手勝流で対象に【立ち】向かっても何の成果も得られませんと指摘しているのに対し、「権威」を借りてごまかしているだけ」という批判は何の根拠も無いいつもの思わせ振りでしかありません。
彼らに対して失礼で、「権威」を借りてごまかしているのがどちらであるかは言うも愚かではないでしょうか。■
むずかしい話は別にして。
下記は小学生でも(高学年なら)わかる言葉だと思うのですが……。
「今後、アスナロウさんはコメントの連投をお控えください」
「スペースのムダなので、今後はお控えください」
No.21
- 回答日時:
No.20 の応答に応えて
相変わらずの無意味な思わせぶりなコメントですね。
どうやら、論旨が読み切れずいつもの、論点を逸らした応答に終始されていますね。
もう一度主旨を再掲します。ここが要点です。
かえ・る カヘル [1] 【返る・反る】 (動ラ五[四])
(1)物が本来の持ち主に戻る。《返》「貸した金が―・る」「財布が落とし主に―・る」
(2)もとの状態に戻る。《返》「童心に―・る」「正気に―・る」「我に―・る」
(3)向きが逆になる。《返・反》(ア)物にぶつかったりして逆の方向に向かって動く。「こだまが―・る」「答えが即座に―・ってくる」(イ)裏と表,上と下などが入れかわる。「葉が裏に―・る」
(4)(動詞の連用形の下に付いて)すっかりその状態になる。全く…する。「しょげ―・る」「あきれ―・る」「静まり―・る」「煮えくり―・る」
(5)年が改まる。《返》「年が―・る」「年―・りて三月十余日になるまで/更級」
(6)色が変わる。変色する。「薄色の,裏いと濃くて上は少し―・りたる/枕草子 36」
(7)何度も同じことをする。盛んに…する。「我が衣手に秋風の吹き―・らば/万葉 2092」
〔「かえす」に対する自動詞〕
[可能] かえれる
もど・る [2] 【戻る】 (動ラ五[四])
(1)ある場所から離れて,再びもとの場所に帰り着く。また,もとの場所の方向へ引き返す。帰る。「家に―・る」「行きつ―・りつする」「いま来た道を―・る」「自分の席に―・りなさい」
(2)持ち主や本来あった場所に返される。「財布が―・った」「貸した本がやっと―・ってきた」
(3)以前の状態に再びなる。旧に復する。「村に平和が―・った」「意識が―・る」
[可能] もどれる
【大辞林】
で、これに接頭語「立ち」を加えた複合語が同じ意義となる訳がありませんよね。日本語が理解できますかというレベルです。
この複合語を媒介として話者の個別認識が表現されたのが文で、そこに意味が生まれます。文の意味は何度も指摘したように千差万別です。その意味を比較して何を言わんとされるのでしょうか。
根本的に出発点が間違っています。
文の意味から語の意義を抽象しなければなりませんが、このプロセスが完全に抜け落ちピン呆けの議論を展開されていることを自覚しましょう。
抽象、媒介という意味が理解できますか。■
No.20
- 回答日時:
どうやら、長い論証は読み切れなかったようですね。
一部分だけ再掲します。ここが要点です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそもの問題は、最初に述べたように、「返る」と「戻る」の違いではありません。
「立ち返る」と「立ち戻る」の違いです。
そこに、「返る」と「戻る」の違いが反映しているのか、です。
データによって、その違いが立証できるか、です。それを、No.13で問うたのです。
No.6から
接頭語「立ち」と「かえる」「もどる」との複合語なので、当然その意義が合成された
ものということになります。
そうでないというのであれば、具体的な事例を挙げなければ問題になりませんね。
「そうでないという」その「具体的な事例」がNo.13の諸例です。
具体的に、検討してみましたか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「具体的に検討して」、「たちかえる」と「たちもどる」に何か違いがありましたか?
あったら、それを具体的に立証してください。「意義と意味の違い」というものまで含めて。
何の論証もなく、マルクスやヘーゲルの名前を出せばすむと思うのは、彼らに対して失礼でしょう。まさに、「権威」を借りてごまかしているだけですから。
(ところで、「論証」とか「立証」ということばはご存じですよね。自分が、一切それに当たることをしていないことも。)
それから、ご自分の書いたNo.19をもう一度、いや二度三度、ゆっくり読み直してみることをお勧めします。とんでもない誤りに気がつくでしょう。これは、学説の違いやその他に関わらない、誰でもわかる誤りです。
saburoo
No.19
- 回答日時:
No.17/No.18 にお応えして
全く、何をいいたいのか困惑してしまいます。
>>なんだか要領を得ない「論証」を、なるべく明確にすべく、長々と書いてきました。
「時間のムダだ」とおっしゃる方もありますが、私としては、こういう議論の練習、筋の通った論証を書く練習のつもり、であります。
まあ、練習は好きにしていただいてかまいませんが、正しい方法を持たないために中身はピーマンたらざるを得ないということです。
グダグダ練習した結果が、
>>「かえる」と「もどる」の違いは、複合動詞「たちかえる」「たちもどる」では「中和」されてしまっているのです。これが私の結論。
ですね。「中和」とは言い得て妙というところです。しかし、ということは、まず、「かえる」と「もどる」の意義は異なるということですね。ここに、意義と意味の相違と関連が理解できない欠陥が露出しています。
最初に回答した通り、
うち【打ち】
〔接頭〕
(動詞に冠して)
①その意を強め、または音調をととのえる。「―興ずる」「―続く」
②瞬間的な動作であることを示す。「―見る」
【広辞苑】
で、動詞「かえる」「もどる」に冠して<①その意を強め、または音調をととのえる。「―興ずる」「―続く」②瞬間的な動作であることを示す。「―見る」>のであって、接頭語「打ち」に「中和」の意義もなければ、機能もありません。何か幻を見られているようです。超能力の問題かもしれませんね。
事実は、語、句の意義と意味を混同しているだけです。「中和」した云々は文での感覚的な意味を言っているに過ぎないということです。
まずは、正しい方法をもつことが第一です。
マルクスはフォイエルバッハによるヘーゲル観念論の唯物論への転換と、ヘーゲルの弁証法の論理という二つを手にし唯物弁証法という正しい方法を得て古典経済学の転倒を図りました。
こうした正しい方法なしに無手勝流で対象に【立ち】向かっても、「私のおっちょこちょい」と「反省しています。」を無限に繰り返すだけです。(この【立ち】は何かを「中和」していますか?)
何度も指摘しているように、まず言語とは何か、意味とは何かを問い、明らかにすることなくグダグダ言っても始りません。
この根本から逃げまくり、勝手な練習を重ねるのこそ質問者の指摘する時間、空間の無駄使いでしょう。■
No.18
- 回答日時:
(No.17の続きです。
)結局、「反転」とは何だったのか。「返る」の辞書の引用の所を省略して引用します。
No.14から
かえ・る【返る(反る)】
㈠ 〘自〙
1 裏が表に上が下に前が後ろになるなど、物の向きが反対になる。
2 もとあった場所に戻る。
4 もとの状態に戻る。特に、本来的な状態に戻る。「原点に━(=立ち返る)」
㈡ 《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》すっかり…する、ひどく…する意を表す。
「静まり━・さえ━・あきれ━・しょげ━・煮え━・むせ━」
【明鏡国語辞典】
で、「反転」せずに、そのまま前進して「返る」ことが出来たらノーベル賞クラスの
大発見かもしれません。
この引用の「返る」の語釈には「反転」という語句はありません。
さて、「「返る」は反転であり」とはどれのことなのか。ふむ、(一)の1でしょうか。
「物の向きが反対になる」このことでしょうか。
もちろん、後ろを向かずに「もとあった場所に戻る」ことはできません。(「ノーベル賞」云々はいかにもまずい修辞ですね。いつもの皮肉のキレがまったくない)
しかし、それは「戻る」でも同じですね。どうしたって「後ろを向かずに」戻ることはできません。
「戻る」はもとの場所に帰ることです。
上の(一)の2は「もとあった場所に戻る」です。つまり、明鏡によれば「返る」の意味は「戻る」と同じということです。
「返る」は「もとあった場所に戻る」であり、「戻る」は「もとの場所に帰る」ことです。
どう違うと言いたいのか。なかなか、謎です。
もしかすると、言いたいことはこういうことでしょうか。
「戻る」は単に「もとの場所に帰ること」だが、「返る」には「反転」、つまり「物の向きが反対になる」という意味(意義?)がはっきりあるのだ!と。
そうかもしれません。しかし、用法として別なんだけどなあ。まあ、「返る」と「戻る」についてはこの辺でやめておきましょう。
そもそもの問題は、最初に述べたように、「返る」と「戻る」の違いではありません。「立ち返る」と「立ち戻る」の違いです。そこに、「返る」と「戻る」の違いが反映しているのか、です。
データによって、その違いが立証できるか、です。それを、No.13で問うたのです。
No.6から
接頭語「立ち」と「かえる」「もどる」との複合語なので、当然その意義が合成された
ものということになります。
そうでないというのであれば、具体的な事例を挙げなければ問題になりませんね。
「そうでないという」その「具体的な事例」がNo.13の諸例です。
具体的に、検討してみましたか?
「たち+かえる」は「たち+もどる」と、「原点に~」のいくつかの例を見る限り、違いは見られません。
「立ち返る」が「反転」であり、「立ち戻る」はそうではない、などという事実はありません。
「かえる」と「もどる」の違いは、複合動詞「たちかえる」「たちもどる」では「中和」されてしまっているのです。これが私の結論。
これに反論するなら、具体的に、どの例とどの例を比べると、これこれの違いがある、と述べてください。「構成要素が違うのだから、複合語も違うのだ」というのは、議論の前提になりません。議論によって証明されるべきことです。
以上、複合動詞研究入門、のようなものでしたが、研究者レベルで言えば、まったくの初心者レベルです。
「原点に~」のいくつかの例を見ただけで何かを言うのは、本当は、まったくやってはいけないことで、ほとんど論外です。他の補語の場合、他の助詞をとる場合を全体的に検査しないといけません。
「立ち返る」1700余例、「立ち戻る」1460例、これら全てを見るのが、本物の研究者レベルです。
(また誰かさんが何か言いそうですが)
でも、そもそもの予想が、ほとんど違いはなさそうだ、ですから、調べるのは時間のムダになりそうで、やる研究者はいそうもありませんね。
◇No.15について
これがまた何を言いたいのかわからない論なんですねえ。
具体的に指摘しておきます。
という最初の一行を見て、よし、これで意味のある議論ができそうだ、と喜んだのですが。
>>「反転」の意味は認められませんでした。
反転せずに、どうやって「原点に~立ち返る」のでしょう?
いやまあ、「反転」が「物の向きが反対になる」という意味なら、確かに「立ち返る」ためには「反転」しないといけませんね。(しかし、それだけが「立ち返る」の意味だとは思いません。やはり、「原点に戻る(「返る」の(一)の2)」ことも必要でしょう。)
でも、それは「立ち戻る」も同じで、「物の向きが反対になる」必要があります。つまり、「反転」が。
そこをどう考え、「立ち戻る」は「立ち返る」とはこれこれこのように違うんだ、と言っているのか。
>>[たちもどる]
・だからこそ、自由と平等を勝ち取る運動の原点にすべての人が 立ち戻る ことが
必要だと僕は思うのですが、・・・。
これらも、「原点に~ 立ち戻る」です。
え? つまり、「立ち戻る」も「反転」するのだと言いたい?
すると、「立ち返る」と同じ??
何を言いたいのか、まったくわかりません。
No.15は何か決定的に書き間違えていませんか?
なんだか要領を得ない「論証」を、なるべく明確にすべく、長々と書いてきました。
「時間のムダだ」とおっしゃる方もありますが、私としては、こういう議論の練習、筋の通った論証を書く練習のつもり、であります。
(「論文」というものを書かなくなって久しいので、論理を通した文章が書けなくなっています。)
saburoo
No.17
- 回答日時:
No.17
まず、複合動詞の用法の研究法という話から。
ある複合動詞の用法を調べる場合、まず何をすべきか。
例えば、次の二つの複合動詞の場合。
彼はおちこんだ。
彼はマンネリにおちいった。
分析法1
「おちこむ」と「おちいる」は、それぞれ「おちる+こむ」、「おちる+いる」と分析できる。
それぞれ、構成要素の二つの動詞の用法を考え、それの「合成」と考えればよい。
「おちる」は共通しているので、その違いは「こむ」と「いる」の違いに求められる。
(「混雑する」と「入る」? 「込む」を「入る」の意味とみなせば、「入る」と「入る」?)
ちょっと戯画化していますが、今回、どなたかがやっているのは上の例と同じ方法です。
No.6から
接頭語「立ち」と「かえる」「もどる」との複合語なので、当然その意義が合成された
ものということになります。
念のため、同じような例をもう一つ。
あふれかえる 「あふれる」+「かえる」 「反転」?
あふれだす 「あふれる」+「だす」 だれが?なにを?
複合動詞の用法を、それを構成する二つの動詞の用法の「合成」として考えるのは、「悪手」です。
(もちろん、一般の人(シロウトさん、と呼ばせていただきます)がそう考えるのは無理もなく、研究者がそれを責めるのは酷な話です。しかし、シロウトならシロウトらしく、もう少し謙虚であってほしいと思います。)
分析法2
では、どうすればいいか。言うまでもなく、用例(実例)をたくさん(少なくとも数百例)集めて、それらを一つ一つ検討し、その中から用法を抽出するという作業をすればいい。
No.4とNo.13に書いたとおりです。
皆さん知らないのかもしれませんが、古典語の意味用法というものは、こういう方法で得られたものなんですよね。例えば「~つつ」や「~ながら」の古典語の用法は、古典に出てくる例を数多く集め、綿密に検討し、いくつかの用法に分けていって、例えば広辞苑にあるような記述が得られるのです。
「言海」の大槻文彦も、「大日本国語辞典」の松井簡治もそうやって語を分析したのです。
現代語の研究も同じです。自分の貧弱な言語直感だけで何かを言おうとすると、多く誤ります。
「たちかえる」と「たちもどる」も同じ。
まずはそれぞれの用例をじっくり見ることです。その基本を知らない人は、寝言を言います。
滅多矢鱈にコ―パスを検索して何かが分かるだろうというのは
コーパスを取り上げることが何か科学的であるかのごとき錯覚に陥っているに過ぎません
「コーパス」を使えるのは、現代の我々の喜ぶべき利点です。松井簡治のように大量の古典を調べて用例を集めなくてもすみますから。
事実を山ほど集めて、そこから素晴らしい結論が出るだろうなんて
確かに、おっしゃる通り。集めただけじゃ、宝の持ち腐れです。それをじっくり検討することです。手間暇かけて。
その手間を惜しむ人が、頭の中からテキトーな理屈を引っ張り出して、事実(データ)によって検証することなく、
言語学は対象の科学的な認識、理解に基づかなければなりません。
などとノタマウのです。
そもそも「事実を山ほど集め」ないのなら、それは「学問の邪道」どころか、学問ではありません。
コペルニクスからニュートン、ダーウィン、あるいはマルクス、本居宣長、橋本進吉まで。
ほんとに、データなしでどうやって「科学的」な議論をしようというのか。(ここでは「データ(資料・言語事実)」をかなり広い意味で使っています。歴史学者が古文書を読むのも「データ」の分析です。)
「私はAだと考えます」「そうですか。私はBだと考えます」「いや、私はCだと」侃侃諤々、喧々囂々。(←すごい字ですね。)
それぞれ、何のデータも、何の根拠もなく、何の立証もしないのなら、それは科学でなく、学問でもありません。
では、今回の論証(?)についてみてみましょう。
出発点に 立ち返って/立ち戻って 考えてみましょう。
出発点はここでしょうか。
No.9
>>「(原点に)立ち返る」と「(原点に)立ち戻る」だと何が違うのでしょうか。
当然ながら「返る」と「戻る」の違いです。
「返る」は反転であり、「戻る」はもとの場所に帰ることです。
つまり、語の意義が異なり、話者による対象の捉え方が異なります。
No.13で、
これは、一つの仮説として成り立つと思います。
などと書いてしまったのは、私のおっちょこちょいです。当然、成り立つわけがない、と思っていたのですが、「論証できるものならしてみろ」というつもりで、「仮説として成り立つ」なんて言ってしまった。反省しています。
そもそも、私は
「返る」は反転であり、「戻る」はもとの場所に帰ることです。
というのが何を意味するのかよく考えていませんでした。(どうせネゴトだと思っていたので)
「戻る」が「もとの場所に帰る」ことなのはいいとして、「返る」の「反転」とは何なのか。
【反転】-する (自他サ)
1 ひっくり返る(返す)こと。
2 進行方向からもとの方向へもどること。 [新明解国語辞典第七版]
「反転」の第一義は「ひっくり返ること」です。
「返る」は「ひっくり返ること」であり、「戻る」はもとの場所に帰ることです。
しかし、「立ち返る」は「ひっくり返ること」ではありません。
2でしょうか。2だったら、
「返る」は進行方向からもとの方向へ戻ることであり、「戻る」はもとの場所に帰ることです。
同じになってしまいます。いや、「方向」と「場所」の違い? でも、「方向へ戻る」んですよね。結局、「戻る」のです。
何か微妙な違いがあるんでしょうか。わからないまま、「仮説」として認めてしまった! 私のいい加減さです。
No.14から
これは仮説ではなく、言語の表現過程を科学的に捉えた真理です。
いやしかし、こういうところで「真理」なんて言えるのは、どう見ても研究者ではありません。
何一つ立証していないのに。(「真理」だから立証なんて不要?)
で、データによる立証。
No.13にあげた「原点に立ち返る/立ち戻る」の例のいくつかを見て、何か微妙な違いが感じられたか。私には感じられませんでした。そこでこう書きました。
私の見た限りでは、「立ち返る=立ち戻る」です。「立ち返る」に「反転」の意味は
認められませんでした。 (ここ、痛恨のミス!「=」ではなく「≒」でした。「完全に同じ」 ではあり得ません。形式が違うのですから。ほぼそう言っていい、ぐらいのところ。)
これも、私の書き方がよくなかったですね。「反転」のかっこに多くの意味を付与しすぎました。
きちんと(露骨に)言葉で書くべきでした。例えば、次のように。
「立ち返る」に「反転」、つまり
「もとの場所に帰る」とは違う、何かよくわからない、
しかし、「立ち戻る」とは決定的に違うような意味は
認められませんでした。
(字数制限を超えてしまうので、二つに分けます。)
saburoo
No.16
- 回答日時:
No.6の回答に寄せられた補足コメントに応えて
>>
>素手で敵にむかう蟷螂の斧
やはり言葉の使い方が相当ヘン。
ここまで行くとシュールなギャグになっている?
失礼。
「素手で敵に【立ち】むかう蟷螂の斧」でしたね。(笑)■
No.15
- 回答日時:
No.14 の補足です。
具体的に指摘しておきます。
>>たちかえる]
・「権力監視」と正確な報道というジャーナリズムの原点にいま一度、 立ち返る。
これらの例は、「原点に~立ち返る」ですが、原点が前方、未来にあると主張されるのでしょうか?
>>「反転」の意味は認められませんでした。
反転せずに、どうやって「原点に~立ち返る」のでしょう?
>>[たちもどる]
・だからこそ、自由と平等を勝ち取る運動の原点にすべての人が 立ち戻る ことが必要だと僕は思うのですが、・・・。
これらも、「原点に~ 立ち戻る」です。
【「反転」の意味は認められません】とは、何を言わんとされているのでしょうか?■
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「立ち返る」と「立ち戻る」の違いに関して以前書いたものです。
そうか。もう4年近くもたっているのねorz。
【「立ち返る」と「立ち戻る」の違い】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12230718923.html
>素手で敵にむかう蟷螂の斧
やはり言葉の使い方が相当ヘン。
ここまで行くとシュールなギャグになっている?
「喧々服用」
「呉越同舟」
に次ぐ妙技か(笑)。