No.2
- 回答日時:
No.3
- 回答日時:
難しいというか、そのように光る素材の組み合わせをなかなか発見できなかった、ということ。
「○○を▲▲.▲▲%。□□を※※.※※%、・・・」
こういう世界だから。
波長が短いということは高エネルギーということで、そのような高いエネルギーを放出する結晶構造はそんなに多くない。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
トランジスタやダイオードが開発された1950年~1970年頃はゲルマニウム Geが使われてました。
その後、シリコンSiが主流になったのです。ところが、その前からシリコンが入った鉱石検波器がレーダー波を検出するために使われてました。微小なシリコン結晶を含む天然のシリコン鉱石が存在していたからです。それに対して、ゲルマニウムは石炭中に僅かに含まれるという希少元素で、手間を掛けて純粋な結晶にしなければなりませんでした。それは、ゲルマニウムGeが最も半導体として使い易く適した元素だったからです。しかしながら、どう頑張っても300V以下の電圧しか扱うことが出来ず、また、使用できる限界温度も80℃程度でした。ところが、シリコンSiでは、それが10,000V, 170℃程度に拡がります。さらに、近年実用化されたSiCでは、その数倍になろうと期待されてます。
さて、長周期表の第11列から第13列の元素は次のように並んでます。
第2周期 B C N
第3周期 Al Si P
第4周期 Ga Ge As
第5周期 In Sn Sb
Ge, Si, Cは第12列(単周期の4列)に並んで、周期が若いほど高電圧, 高温で使えることが分かります。それはGe, Si, C(ダイヤモンド)の硬さの順でもあります。これら硬さは、原子間の結合の強さが若い周期ほど高いことを示してます。それは、Ge, Si, Cの順に最外殻電子の原子との結合エネルギー(イオン化エネルギー)が大きいことが原因です。イオン化エネルギーが高い原子同士は、互いに強固に結合している訳です。
ところが、結合が強い原子ほど、純粋な結晶を人工的に作るのが難しくなります(自然界では逆になって、ダイヤモンドは単結晶で、シリコンは多結晶で存在するが、ゲルマニウムは微結晶でさえ存在しません)。
ところで、Ge, Si, C以外にGaAsやGaNが、第11列と第13列の元素の組み合わせも、高周波用や発光素子として使われてます。これらに付いても、上述の周期表の特徴が当てはまります。ただ、純粋な結晶を作るのは単一元素の場合よりも遥かに難しくなります。
そして、短い波長の光を発光させるには、周期表の若い元素を使わねばなりません。
高電圧, 高温, 短波長は何れも扱うエネルギーが高い状況を示しますが、高エネルギーを扱い得る半導体ほど、その中に存在し得る自由電子と正孔のエネルギー差が大きい特徴があります。それを端的に示すのがLEDの発光波長λで、h(c/λ)= (自由電子と正孔のエネルギー差)の関係があります(cは光速)。
発光ダイオード(LED)は、赤色は1962年に米国で試作され、1968年から市販されました(GaAsP形)。黄緑色は1972年に試作されました(AlGaAs形)。これらは、結晶が比較的作り易いGaAsをベースにしたものでしたが、明るい所では辛うじて光っているのが分かる程度で、とても光源として使える物ではありませんでした。
自動車のテールランプ等に使うことが出来る高輝度化な赤色(AlGaAs形)と緑色(GaP形)は1978年にスタンレー電気が市販化しましたが、どちらも結晶をしっかり作ったことが要因でした。
緑色は1994年に日亜化学工業が市販化しました(GaInN形)。こちらは、結晶が不完全であるにも拘わらず高輝度であると不思議がられました。
結局、他にも高輝度発光を得るための要因はあるのですが、大雑把に言えば、高エネルギー光LEDになるほど作るの難しい結晶を用いねばならなかったことが、赤色、緑色、青色の順の開発順序になった訳です。
このように、本質問にきちんと答えるためには長い説明が必要です。むしろ、簡単な説明で分かった気にならずに、疑問を抱いたまま一つ一つ自ら解決して行くことが大事だと思います。
ちなみに、青色LEDのノーベル物理学賞では、それで可能になった白色光源による開発途上国の照明事情の著しい改善に注目していたように思いました。3V程度で発光するので太陽電池+蓄電池が電源として使えて、100Vや200Vの電力供給インフラの必要が無くなった点です。その100Vという電圧が白熱電灯用に適切であると設定したのは、エジソンだったそうです。
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