プロが教えるわが家の防犯対策術!

タイヤの製造工程に関する質問です。
今、読んでいる資料に「マルチゴムの性能を向上させるために液状ポリマーを加えて練る」という表現が出てくるのですが、「マルチゴム」が何なのかわかりません。
「母材となるゴム」というような意味でしょうか?
おわかりになる方がいらっしゃったら、教えてください。

A 回答 (1件)

マルチゴムは、ニトリルゴム(NBR)とも言い、合成ゴムの一種です。


マルチは多重結合の意味と思われます。
ゴムは大きく分けて、天然ゴム(ゴムの木の樹液)と合成ゴムがあります。
ニトリルゴムは、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体からなっています。アクルロニトリルの含量によってゴムの特性が決まります。ニトリルの量が増加するにしたがって、鉱油系の油、炭化水素系の燃料に対する抵抗は、良くなりますが逆に低温柔軟性は、悪くなります。
シール材として、要求される圧縮永久ひずみ、引張り強さ、耐磨耗性が、比較的に良いため、最も重要な材料のひとつとされています。ただし、ゴムの構造中に不飽和結合を含むため、耐候性は良くありません。したがって、ニトリルゴム製品の保管場所は、オゾンを発生する電気装置の近くや直射日光のあたる場所は避けなければなりません。
ニトリルゴムの用途は、その優れた耐油性を利用した工業用品に幅広く使用されています。最も使用量が多い分野は、自動車部品関連です。Oリングやオイルシール、オイルホースなどに使用されています。そのほか、工業用途では、油圧系統、圧力系統に使用される油、燃料、水、薬品などのシール(漏れ止め密封装置)の材料として使用されます。Oリング、オイルシール、Vリング、各種パッキン、ダイヤフラムとして用いられ、一般に汎用ゴムといえば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)のことをさしますが、これらシール(密封装置)製品では、ニトリルゴムが、一般汎用として扱われています。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

トモクンアヤチャンさん、丁寧なご説明ありがとうございました。
資料を読み返してみたところ、たしかに「ブタジエン配合」と書かれていました。
しかし、「多重結合」を「マルチ」と言うとは想像もつきませんでした。
大変勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2021/11/18 10:38

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!