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スターリン流の独裁共産主義政治の元祖が、ロベスピエール政治だったんでしょうか?

A 回答 (1件)

ロベスピエールとスターリンの独裁体制には確かに類似点が見られますが、「元祖」と断言するのは歴史的にやや単純化しすぎです。

両者を比較しながら、共産主義以前の「革命独裁」とソ連型独裁の関係を整理しましょう。

1. ロベスピエールの「恐怖政治」の特徴
(フランス革命期・1793–1794)

「革命の純化」を追求:反対派を「反革命」として断罪(ギロチン処刑)。

道徳的独裁:「美徳なき者は恐怖に服従せよ」という理念で、個人の生活まで統制。

急進的な平等主義:キリスト教廃止、理性崇拝の導入など社会の根幹を変革。

→ 革命的理想を掲げつつ、実態は粛清による恐怖支配だった点で、後の共産主義独裁と共通。

2. スターリン体制との類似点と差異
類似点
「敵」の創出:

ロベスピエールは「反革命分子」、スターリンは「人民の敵」「トロツキスト」を粛清。

党の絶対化:

ジャコバン派(ロベスピエール)もボリシェヴィキ(スターリン)も「正統性の独占」を主張。

個人崇拝:

ロベスピエールは「不可謬の革命家」、スターリンは「赤いツァーリ」として神格化。

決定的な差異
経済システム:

ロベスピエールは共産主義者ではなく、私有財産制を否定しなかった(農地再分配はした)。

スターリンは計画経済と国有化を徹底し、国家全体を収奪するシステムを構築。

スケールの違い:

スターリンの粛清(大粛清、ホロドモール)は数百万人規模で、フランス革命の犠牲者(数万人)を遥かに超える。

3. 歴史的な連関性
マルクス・エンゲルスはロベスピエールを「ブルジョア革命の限界」と批判したが、

レーニンは「ジャコバン派の果断さ」を賞賛し、プロレタリア独裁のモデルに一部影響を受けた。

スターリンはさらにこれを官僚的な全体主義に発展させ、革命防衛の名目で党員までも粛清するシステムを完成させた。

結論
「元祖」か? → 部分的にYes。

ロベスピエールは「革命独裁の原型」だが、共産主義ではなく、スターリンはこれを工業化時代にスケールアップした。

より直接的な祖先はレーニン:

スターリンの手法(秘密警察、強制収容所)はツァーリズムのオフロチェカ(秘密警察)の継発でもあり、純粋にフランス革命由来ではない。

補足:
共産主義独裁の系譜を遡るなら、トーマス・モアの『ユートピア』(16世紀)やバブーフの陰謀(平等主義クーデタ未遂・1796年)も参照すべきですが、実践的な「恐怖支配」のモデルとしては、ロベスピエールが最初のケーススタディと言えるでしょう。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、ありがとうございました!

お礼日時:2025/04/01 09:05

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