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国際解剖学名はラテン語なのですが,これについて疑問があります。
 胸椎 ― Vertebrae thoracicae
なのに,
 胸神経 ― Nn. thoracici
と,thoracicaeとthoraciciというように語尾が違いますよね。
同様に,
 尾椎 ― Vertebrae coccygeae
なのに,
 尾骨神経 ― N. coccygeus
と,coccygeaeとcoccygeusというように語尾が違います。
この違いはどうしてくるのでしょうか?
ラテン語の文法に詳しい方がいらっしゃれば,ぜひお教えください。

A 回答 (1件)

ラテン語の名詞・形容詞などは文法的な関係を語尾の変化で示します。

単数か複数かといった「数」の違い、「~が」「~の」といった「格」の違いも語尾の変化で表されます。

また、個々の名詞には固有の「性」(男性・女性・中性)があります。自然の生物「性」に一致する場合もありますが、たいていは直感的・文法的な範疇です。

名詞の性が違うとその名詞を修飾する形容詞は名詞の性と一致した形になります。

男性名詞の大半は単数主格が -us で終わり、複数主格は-i 。

女性名詞の大半は単数主格が -a で終わり、複数主格は-ae 。

ほとんどの形容詞の男性形は上記の男性名詞と同じ型の変化を、またほとんどの形容詞の女性形は上記の女性名詞と同じ型の変化をします。

「胸部に関する」という形容詞 thoracicus は女性名詞vertebraを修飾する際は thoracica という女性形になります

vertebra thoracica(胸椎) 

これは単数形ですので意味は胸椎を構成する骨のうち1個を指します。

胸椎は複数の骨から構成されるので通常は複数形になります。

vertebra の複数形は vertebrae
thoracica も複数形 thoracicae

こうして vertebrae thoracicae という形になります。

Nn.と省略されている nervi は nervus の複数形です。(余談ですがnn.のようにイニシャルを重ねて省略するのは複数形という意味です。英語の page →p. / pages → pp. と同じ手法)

nervus は男性名詞ですのでこれを修飾する形容詞も男性形になります。

nervus thoracicus (単数形)
nervi thoracici (複数形)

nervus が男性名詞だから coccygeus と男性形を使って

nervus coccygeus

女性名詞複数形のvertebraeを修飾するときは

vertebrae coccygeae

となります。

整理すると

__ 単数 複数   
男性 -us  -i
女性 -a  -ae

です。

これで全ての語尾変化が説明できるわけではありません。こちらでご質問されればできるかぎりお答えしますが、くわしくは 「医学ラテン語」国原吉之助・酒井恒著 (南江堂)などの書籍をご覧ください。
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございます。
本当に良くわかりました。
ラテン語の格変化はまだまだ慣れていなくて。
解剖学名が「名詞+名詞」なのか,「名詞+形容詞」なのかの区別が難しいですね。
また,わからないことがあれば,質問させていただきます。

お礼日時:2005/10/27 16:17

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