一回も披露したことのない豆知識

現在農学部2年生で有機化学を習っています。化学のジャンルで質問しようと思ったのですが、こちらがより適しているかと思い質問させてもらいました。
質問は 
「目的にあわせてタンパク質を人工的に作り出すことは理論的に可能か?」です。

有機化学の手法で迫ると課題はクリアできないのかと考えました。例えばALA-MET-GLYからなるトリペプチドはPC上でシミュレートすると電子分布やそれらの反応性、コンフォメーションまでわかるのですから、ポリペプチドでも同じ予測はできないのでしょうか。つまりアミノ酸配列をコンピュータ上に入力していくと自動的に計算してコンフォメーション等全ての情報がシミュレートされる、ということです。

(比較的)簡単な条件として例えば「無極性なペプチドを作る」を設定するとすれば、それをコンピュータで計算させて求められないでしょうか?もし出来るのであれば「RNAポリメラーゼと同等の機能を有するものを作れ」等という超難題もできるはずですよね?かかる時間は考えていませんが。

(目的の機能を有するタンパク質を出来るまでコンピューターにシミュレートさせていく過程を想像するとなぜか進化と同じような淘汰作業が行われているのだなと感じたりしました。w)

A 回答 (3件)

『目的に合わせた蛋白質の合成』を行うには、


 1)蛋白質の機能をシミュレートできること
 2)設計した通りにアミノ酸を配列させられること
 3)配列させたアミノ酸を目的の立体構造にできること
といったことが満たされる必要があります。

まず、「2)」についてですが、例えば合成する蛋白質が1000個のアミノ酸からできていて、その内部で同じ配列の繰り返しが一切ないとすると、最低でも999回の脱水縮合(→全てペプチド結合で結合しているとして)を行う必要があることになります。
しかも、その合成毎に、未反応物や副生成物を除くための精製も必要です。

「3)」については、全てのアミノ酸を結合させてから行うのは(蛋白質内の原子をつまめるピンセットのようなものでもない限り)不可能なので、合成中に制御することになります。
すると、「蛋白質の立体構造を決める、アミノ酸同士の水素結合」を保ったまま、「アミノ基とカルボキシル基を脱水縮合させたペプチド結合」の合成を行わなければならない、ということになり、これはもう、生物体内での蛋白質合成と同様の状況を作り出さなければならなくなります。
(目的蛋白質と酵素とを予めくくりつけておいて、それからペプチド結合の形成に入る、と)

最後に、「1)」については・・・例えば10cmの紐があって、「このひもには何通りの丸め方があるか」と訊かれるようなものです。
しかも蛋白質の場合(実際にはそれに限らずですが)、必ずしも「一番エネルギーが低い状態」だけでなく、「たまたまはまった谷間のような状態」で機能を発揮、ということが多くなります。
(それゆえに、熱や酸などの添加によって一度変化すると、元に戻らなくなる「変性」という現象も起こるわけです)
これらのことから、「シミュレートで、必要な機能を持つであろう蛋白質の構造を推測する」というのも、かなり難しいといえます。


・・・と、以上のような課題は、全て「理論的には全て克服可能(→物理法則を無視しているわけではないので)」といえるでしょうが、実現するのは厳しいでしょう。

最後に。
> 進化と同じような淘汰作業が行われているのだなと感じたりしました。
そうですね。
ただ、シミュレートの場合、ちょっとしたパラメータのずれが回を重ねる毎に積算されて、現実とは全く異なる結果を導いてしまったりするのが、面白かったり恐くもあったり(笑)
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この回答へのお礼

そうですね、可能かもしれませんが非現実的ですね。例えばコンピュータで計算予測作業を行わせ続ければ他ごとをやっている時間ができ、2~3年後にはもしかしたら何かできるかもと思ったのですがw。
回答ありがとうございした。

お礼日時:2005/11/19 21:44

>「目的にあわせてタンパク質を人工的に作り出すことは理論的に可能か?」



イエス。短いものであれば、アミノ酸からペプチド合成機で。

>つまりアミノ酸配列をコンピュータ上に入力していくと自動的に計算してコンフォメーション

短いものであれば、合成したあとNMRで解析でしょうね。コンフォメーションを1次配列から予想するのは、ながさによるが長いほどたぶん無理。

ながいペプチドの酵素等は、分子生物学で人工的に作るのがきわめて楽だから、ほとんどのヒトは有機合成は考えないのでしょう。
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この回答へのお礼

そうですよね。他の方法があるのならわざわざ時間がかかる方法はとらないですからね。一次配列から予測するのも非常に難しいのですか。。。自分にとっては以外でした。まだコンピュータはそこまで処理できないのですね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/19 21:40

「理論」をどう解釈するかで結果が異なります。


ペプチドの有機合成(適当に試薬を混ぜてつないで行く)では必ず「水に溶ける」湖とが必要です。
水に溶けないペプチドの後うせいはて゜きません。

分子設計については.私が化学にまったく関係しなくなって(恩師が定年体感)から騒がれはじめたないようなのでわかりません。
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この回答へのお礼

そうですね。質問の筋が通っていませんでした。自分が考えていたのが、もしポリペプチドを設計できたらそれに対応するRNAをつくるとかいうことでした。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/19 21:37

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