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快復の可能性がなくなった高齢者や末期の患者に中心静脈栄養(IVH)を行うことで
病院は高額の医療費を稼ぐことができる、と言われます。
 「医者しか知らない危険な話」(中原英臣 福家孝)の中に、食道静脈瘤で15日間の入院後亡くなった患者にIVHだけで133万円がつかわれたことなど、いくつかの実例が紹介されていますが、私も家族の入院でそれにちかい経験をしました。
 本の中では、一日数万円にもなるIVHの問題を「中心静脈注射という治療そのものでなく、中心静脈注射によって体内に注入される高価な薬にある」とし「まさに打ち出の小槌」と言っています。この本は95年の出版ですが、今もこのようなこと(打ち出の小槌)が行われているのでしょうか。(問1)
 医療費削減が大きな政治課題になっていますが、末期医療におけるIVHが問題にされることはないのでしょうか。(問2)
 かりに上記のような例(末期)でIVHを断念した場合、どのような治療になるのでしょうか(何もしないのか?)(問3) 
 一部のお答えだけでも結構です。よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

評論家は多少刺激的なことを言わないとその分野で突出できないと言いますが・・・


私はその本を読んでおりません。誤解した回答であったら申し訳ありません。

問1)intravenous hyperalimentation (IVH)は文字通り「栄養」でしかありません。しかしIVHをおこなうためのカテーテル(central venous catheter: CVC)はIVHとともに各種治療薬を投与する経路になります。医師でも「CVCを挿入する」ではなく「IVHを挿入する」と誤った表現をすることがあります。食道静脈瘤破裂の急性期に栄養はそうそう必要になりません。それより食道静脈瘤の原因(たとえば肝不全)に対する治療薬は非常に高価なものが多いですのでその費用、あるいは3割負担計算前段階の計算ではないでしょうか。純粋に栄養のみで133万円にするのは困難ではないかと思います。
問2)急性期病院では平均入院期間短縮が売り上げ向上の命題です。必要以上にIVHで頑張るのは損です。ちなみに日本の医療費は先進国中最低です。なのに医療費削減を唱えた結果が小児科医産婦人科医が大病院にもいない、という現象です。国の決めた値段では売り上げが伸びないと、病院から切り捨てられたのは必要なはずのものでした。末期医療をホスピスとするならまだ数は足りません。それも国の決めた値段のせいです。
問3)栄養目的だけのIVHなら消化管さえ問題なければ経腸栄養でOKです。上に書いた治療薬も含むなら結果は想像とおりです。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

 IVHは、最初に看護師さんから中心静脈栄養(IVH)と聞かされたので、そのままとくに考えることもなくつかっていました。
 tukumotoさんのご指摘は、中心静脈栄養(IVH)は注入する栄養のみを指し、その栄養+薬(+装置)を指す場合は中心静脈カテーテル(CVC)が正しい、という解釈でよいでしょうか。
 hyperalimentationが辞書にないのですが、「高濃度の栄養」といった意味ですか。
 間違っていたら指摘していただけるとありがたいのですが。
  

>評論家は多少刺激的なことを言わないと…

 本の中で末期に高額の治療費が使われた六例が紹介されているのですが、その中でCVCの比率が高い一例を私が選びました(分かりやすい例を挙げて注意をを引くためです。ただし全体の内容はまともなものだと思ったので引用しました) ちなみにこの患者は輸血代89万円を含め、亡くなるまでの15日間の治療費が316万円です。

補足日時:2006/01/22 14:11
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この回答へのお礼

お礼が遅くなって申し訳ありません。

>急性期病院では平均入院期間短縮が売り上げ向上の命題です。必要以上にIVHで頑張るのは損です。

 参考になりました。


>日本の医療費は先進国中最低
>小児科医産婦人科医が大病院にもいない
 
 これらのことはキャンペーンでも行われているかのようにあちこちで目や耳にします。私の中には完全に浸透しました。
 実際だれもが等しく低額で医療が受けられるという点に関して、驚き感謝することはあっても不満を感じたことはほとんどありません。
 私の父が心筋梗塞の発作でカテーテル治療を受け、命拾いしたときは10万円余りでした。それも大部屋が満室で数日分の個室料金を含んだ額ですから、本来はもっと安いものと思われます。10万円以下で命を救ってもらえるのです。
 母が整形外科で治療を受け、湿布薬を二週間分渡されて300円くらい、治療だけの日は90円だったそうです。100円玉を出しておつりが10円、その安さに驚きを通り越して呆れているようでした。

>末期医療をホスピスとするならまだ数は足りません。それも国の決めた値段のせいです。
 
 がんの家族のことでホスピスに問い合わせたことがあったのですが、入院まで数か月待ちということでした。
 高価な薬品や医療器を使わなければ売り上げが伸びない(経営が難しい)、という制度に問題があるようですね。
 

>国の決めた値段のせいです。

 結局この一言に行き着くのでしょうか。
 質問のきっかけは、病院で迎える末期は余計な苦痛を受けることがあるのではないか、と感じたことです。いま思えば「国の決めた値段のせい」だったのかもしれません。「カネなら払うからその治療はやめてくれ」と言いたくなるようなときもありました。まさか病院がそれまでとの帳尻合わせをしているとは思いたくないのですが。
 緩和医療などにはもっとお金を払ってもしっかりやってほしいのですが、そういう制度になっていない以上、病院としても関心が向かないのではないかということも感じました。
 とても参考になるお答えをいただき、ありがとうございました。

お礼日時:2006/01/25 13:18

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