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借金はあくまでも本人の責任であって、保証人になっているとか相続で引き継いだ場合等を除いて家族や親類が支払う義務は法的にはないということは一応一般常識として知っています。
しかし私の住んでいるような田舎では法律知識に疎い人が多く、さらに借金に対する戒めとして広められたのか「借金は(保証人になっていなくても)家族や親類縁者が連帯して払うもの」と信じ込んでいる人が数多くいます。
恥ずかしながら私の父もそう信じ込んでいて私がいくら「法的に義務はない」と言っても信じてくれません。父は退職前の職業柄、町内の人から生活相談を受けることなどもあって、こんな間違った知識をさらに周囲に広げることがあっては大変だと思いますので何とか正したいと思うのですが、私も「法的に義務はない」以上には詳しく分かりません。
そこで、この事に関する根拠となる法律または法理論を教えていただけないでしょうか?(家にあるミニ六法を見てみましたが、分かりませんでした)
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
封建時代、家制度によって秩序が保たれていた頃には、借財はその「一家」が責任を持って支払うということがあったかもしれませんね。
当時の為政者であった藩主らもそのようにした方が秩序が保たれるということでしょう。このような大昔の話でなくても、終戦時まで続いていた旧民法においても、法定家督相続人は相続の放棄が出来ないという規定がありました。相続の放棄が出来ないということは、借財があっても相続しなければならないということです。法定家督相続人というのは、戸主が死亡した場合に次の戸主となる人で、通常は長男がなることが多かったのですが、長男は親の借金を引き継がなければならなかった訳です。これらも大昔からの制度の名残だったのでしょうし、一家の不始末は自分たちで始末するという一種の美徳だったのかもしれません。
しかし、今の時代は先に回答されているように、個人個人が権利の主体ということが大原則ですから、法律が定めていないところに義務の発生はありえないということになります。そのようにしないと個人の自由、尊厳、平等が保たれないということです。
お金を借りた場合は、民法587条に「…当事者の一方(ここでは借主)が返還を為すことを約して」とあるように借主自体に返還責任があることを規定するのは当然として、借りていなくても連帯保証の場合は、民法446条、454条に「…履行をなす責に任ず」と支払義務が定められていること。また、相続の場合も民法896条に「相続人は…一切の権利義務を承継する」というように規定されているから、これを放棄しない限り支払義務が生じる訳ですが、このような規定の無いところには義務は生じないということになります。
このようなことをお父さんにご説明されたら如何でしょうか。
丁寧なご回答ありがとうございました。
確かに親戚関係が濃密で「家」という意識もいまだに強く、生活習慣上も家制度の名残がけっこう残っているということも影響しているのでしょう。
「昔からそう決まっているし今もそうだ」と理由で「借金は家族・親戚で返済するもの」であることを固く信じ込んでいますので、理論的に説明して理解してもらうのは大変だなと思います。
特に法律の条文にあるのではなく、法律以前の現在の法的原則を説明する必要があると思いますので私自身がまずしっかり勉強してからではないと明確には説明できないと思います。
とりあえずは「専門家がそういっているから」「法律相談でそういう回答だから」ということで知識の誤りを正してもらって、その理由は私がしっかり勉強してから少しずつ話して行ったほうがいいかなと考えています。
No.2
- 回答日時:
「法律に義務ありとの規定がない」というのが根拠ですが・・・
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No.1
- 回答日時:
私的自治の原則ということでしょうか。
つまり,個人は対等で自由であり,自分の権利を制限したり義務を負ったりするのは自分でそういう意思表示をした場合に限られる。自分の法律関係は自分で形成する自由があるということです。近代法の基本原則です。法律の条文にはありませんが,当然の前提とされています。自分で債務を負うという意思表示をしていなければ債務を負うことはないのです。他人が債務を負う意思表示をしたから債務を負わされたのでは,自分が関与しないのに勝手に債務を負わされることになり不当です。たとえ家族の間柄でもです。上記原則に反することになります。
早速のご回答ありがとうございました。法律の条文にはない基本原則ということですね。私ももう少し勉強してから父に説明したいと思います。
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