
なぜ濁音を専門にあらわすひらがなやカタカナがないのでしょうか。例えば、「か」の濁音の表記は「が」ですが、この場合の濁点は、補助的に使われています。「が」そのものを、表すひらがなやカタカナがないのはどうしてか教えてください。
言い換えると、なぜ昔の人は濁点がなくてもちゃんと読めたのですか。
この場合の昔の人とは明治より前の時代の人たちのことです。明治より前の文献には、濁点がでてきません。それなのに明治になってから濁点を用いるようになりました。不思議です。昔の人は、濁点がなくても朗読する際、きちんと濁音で発音したと考えられます。濁点に頼らず、濁音で発音できたのはなぜでしょうか。そもそも、濁音で発音するならなぜ濁音を専門にあらわすひらがなやカタカナがないのかが不思議です。どなたか教えてください。参考URLなどもどんどん教えてください。お願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
濁音と清音を区別する必要がなかったからです。
ヤマトコトバで濁音の発音になるのは連濁の場合のみです。これは条件が合えば必ず濁音になるので、区別の必要はありません。古代日本人にとって濁音と清音の区別はなかったのです。
例えば「あお」のつぎに「そら」と言おうとすると[アオソラ]とは言いづらく[アオゾラ]になってしまいますが、本人は「あお」と「そら」をつなげただけで、別の発音になったとは思いもしない、ということです。
今でも、多くの日本人が気づかずに発音を変えている音はたくさんあります。
例えば、「ザ」は語中で[za:サの濁音]、語頭で[dza:ツァの濁音]と別の発音になることが多いです。
でもこの違いによって意味の違いは起こらないのでこの2つに別のカナを用意する必要はない。これと同じことです。
時代が進み漢語が浸透するにつれ日本人にも濁音と清音の区別が付いてきて、それを区別する文字が必要になってきたので、急ごしらえで濁点を作ったのでしょう。
現代でも鼻濁音の「が」行に対する「か゜」やVU音に対する「ヴ」など新たなカナができています。
ところで、濁音用にまったく新しい文字をこしらえることをせずに濁点をつけるだけで済ませられたのは文字の関係が分かりやすく、私はとてもいいことだと思います。
これが英語なら
absor"b"→absor"p"tion
とまったく別の文字になって語の変化に伴うb/pの変化が分かりにくくなってしまいます。
大変わかりやすい回答でした。
実例もあげてくださり、納得しやすかったです。
ちなみにが行鼻濁音は、衰退しつつあるので「か゜」が一般的になることはないと僕は思っています。いつまでも残っていて欲しいのですが・・・
丁寧な回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
漢字音の研究者のご意見も是非お伺いしたい、実にいい質問です!
ご質問は
1)なぜ、濁点なしで濁音節が発音できていたか
2)なぜ、濁音節専用の仮名がないのか
ということですね。
1)に関しては、その当時の教養の問題はあるかもしれません。つまり、ルールではなく、レキシコンにそういう形で入っていたとも推測できますが、専門家のご意見をお聞きください。実際に濁音で発音していたというなにか客観的な裏づけがあるといいのですが。
2)は、清濁の区別が、頭子音に言及されるもので、かつ、清音の扱いが、a,i,u,e,oのような母音にも適応されうることから、より濁音がmarked(有標=大雑把にいえば珍しいとか基準から外れる)だったからだろうと考えます。仮名が導入されるにあたって、字母での清濁の書き分けがなくなってきて、同一の字母を使うようになったわけですが、ここに声点(しょうてん)との関連が生じて、濁点を付けるようになったのですが、よりmarkedの方に濁音節の方にマークを入れたのではないかと考えられます。
蛇足ですが、上代特殊文字遣い(原理的に考えてあれば仮名遣いのはずがない)では清濁は字母の違い、つまり、文字の選択の相違だったことは、あまり反論がないようです。ただ、この書き分けが実際に清濁の書き分けなのかはより慎重に判断する必要があろうと思われます。実際のところ文字情報だけですべてがわかるとはとうてい考えられませんけど。
専門用語が散りばめられた回答でなかなか難しい解説ですね。
う~ん、やはり正確な答えはなく自分で推測するしかないのですね。
>ただ、この書き分けが実際に清濁の書き分けなのかはより慎重に判断する必要があろうと思われます。
随分、慎重なんですね。結論を早く求めたいあまりここまで慎重になるのは難しいです。
回答ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
例えば英語を読む場合、表記されたアルファベットではなく、
単語によってその読み方が変わりますよね。
そのことから類推すると、
「単語単位で、その読みが清音か濁音かを知っていた為、
かな表記で清濁が明示されていなくても正しく読むことができた」
ということではないかと思います。
なお、万葉仮名では
「清音にのみ使われる文字」「濁音にのみ使われる文字」も
あったようです。
(参考文献として、岩波文庫「古代国語の音韻に就いて」
橋本進吉著を挙げておきます)
>単語単位で、その読みが清音か濁音かを知っていた為、かな表記で清濁が明示されていなくても正しく読むことができた
やっぱりそうでしょうねえ。僕たちが古典を読む際だって、清音表記の単語をみても濁音で読む単語だとわかりますものねえ。
参考文献もあげていただきありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
戦国時代にはあったみたいですね…
あとは過去の質問にもありましたので参考してください。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=78081
参考URL:http://www5f.biglobe.ne.jp/~sans-culotte/topics0 …
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