
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
1870年代のロシアは帝政末期の時代ですね。
この時代のロシアは非常に複雑ですので、流れだけさらっと説明します。
19世紀半ばのロシアは、ロシア貴族にとっては大きな転換点でした。
1870年は政治的には農奴解放(1861年)を皮切りにした大改革と、それに対する反動の時代です。
クリミア戦争(1853~56)での敗北をきっかけに、ロシアの後進性を痛感したアレクサンドル2世は、近代化への道を進むべく、様々な面で改革を進めていきます。ですが、これらの改革は全ての人に受け入れられたわけではなく、農民の中では騒乱が起こり、学生運動が起こり、ポーランド反乱を巡る運動が起こるなど、政治的にも、社会的にもいろいろなことが起こった時代です。雑階級人の登場もちょうどこの頃(60年代)です。
18世紀のピョートル大帝時代以降、国家をリードしてきたのは貴族でしたが、19世紀半ば~後半を転換点として、貴族ではない人がそういう役割を担うようになります。貴族が特権を失い始めた時代、といってもいいかもしれません。
また、この時代の女性に関して言えば、18世紀のピョートル改革以降、女性は舞踏会やサロンに登場するようになりますが、19世紀に入ってもやはり女性は家長に従属している存在でした。上で少し触れた大改革の時代に、女性の解放が社会問題となり、男女平等、教育と労働の機会均等という思想が確立されました。
女子の労働や女子の高等教育機関を求めた女性運動が展開され、70年代には女医、作家、編集者といった様々な職業へつく女性も増え、男性と対等に革命運動に参加した女性も多かったといいます(ただし、これは比較的恵まれた社会層のことで、農村ではまた別)。#1さんが挙げられているコワレフスカヤもちょうどこのような転換の時代の人ですね。当時の欧州でも「女性だから」という理由で相当苦労したそうです(それでもロシアよりは幾分ましでした)。
『アンナ・カレーニナ』は貴族社会と農村生活を描いた作品ですが、物語の後半で(もしかしたらまだ読まれていないかもしれないので、軽く触れるだけにしておきますが)、アンナの生き方と旧体制の壁がぶつかります。歴史的背景と比較しながら読むのも、また面白いと思います。
19世紀中頃のロシア
http://www.geocities.jp/timeway/kougi-90.html
アレクサンドル2世
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC% …
ナロードニキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%AD% …
農奴解放
http://www.tabiken.com/history/doc/O/O162R100.HTM
年表は見つからなかったので、簡単に書いときますね。
1853 クリミア戦争(~56)
1861 農奴解放令(大改革はじまる)
1863 ポーランドで対ロシア反乱
1874 「人民の中へ」運動
1877 露土戦争(~78)
1881 アレクサンドル2世暗殺
No.3
- 回答日時:
皇帝と一部の貴族に特権と富が集中し、多くの民衆が疲弊している社会です。
一部の知識人は、こんな世の中を改良しようと、農村へ入り、農民を目覚めさせようとしますが、理解されません(ナロードニキの運動)。
そして、自己の無力さを悟った知識人の中から、ニヒリズムやテロリズムが出てくる…。
視覚的には、レーピン「ヴォルガの舟曳」を見ると、当時のロシア社会の底辺で働く労働者の苦労が伝わってくると思います。
ニヒリズムは、ツルゲーネフの有名な「父と子」を読めば理解できると思います。
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