産業革命と国民国家

１９世紀にイギリスに産業革命で遅れをとった諸国はこぞって国民国家になりましたが、国民国家体制が産業革命に与える影響はなんですか？僕が思いつくのは
・義務教育
・プロレタリアートの労働意欲の向上←国民としての　意識
・国家によるインフラ整備
くらいなんですが。

No.1 ベストアンサー 回答者： phj 回答日時： 2006/07/05 00:02

むしろ逆でしょう。

産業革命は国民国家の形成に大きな役割を果たしました。

産業革命が生んだものは、資本家と労働者（プロレタリアート）です。
産業革命により、資本から利潤を得て、財力を得た資本家はそれまでの封建的な政治体制に税金や不合理な法体系により搾取されるのを嫌い、政治に参加するように求めました。
ただし、ルソーなどの社会学派が先行して思想的に革命を行ったフランスの例もありますので、いろいろな国に産業革命が進行していく過程で見れば、国民国家が必ずしも後とは限りません。

労働者は、搾取された後、労働者の連帯（デモとストライキ）という方法を得て、富の再分配を求め、やはり政治に参加するように求めました。
この圧力により、封建的な政治体制が壊れ、国民が政治に参加する国民国家が生まれたのです。

義務教育は、むしろその後富の再分配の中で、貧困層をなくす努力として充実していきました。

インフラ整備は、最初の時点では国民国家とはあまり関係が有りません。資本を設備投資に廻し、その結果利潤を得るというケインズ的な経済活動が認知された後、国家の力を競合国に負けないようにするために、国力をインフラに投資した結果です。